忘却エンドロール

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素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「インセプション」観ました

 | SF  com(18) 

インセプション
製作:アメリカ’2010
原題:INCEPTION
監督:クリストファー・ノーラン
ジャンル:★SF/サスペンス/アクション

【あらすじ】他人の夢に潜入してアイデアを盗み出す企業スパイが活躍する時代。世界屈指の”エクストラクト”であるコブは、サイトーと名乗る男にある仕事を頼まれる。それは、ターゲットの潜在意識にアイデアを植え付ける“インセプション”の依頼で…。

この監督の作品ぜんぜん肌に合わないし、ディカプリオは顔の骨格からして好きじゃないし、吹替えも微妙だし、まったく期待せずに見始めたんですが、案外楽しかったです。
とりあえず、アリアドネ役が「JUNO ジュノ」の子だと気付いて、ちょっと嬉しくなりました。少し大人っぽくなった彼女に気付かなかったら、最初から”ながら観”してたかも。
で、夢の共有装置?とかキックとか階層とか、細かい設定はツッコミどころが多そうなので総スルーして観てたんですが、ホテルが無重力状態になってから一気に引き込まれましたね~。アーサーはとくに吹替えが気に入らなくてイラっとしてたのに、ひとりで黙々と仕事をしてる姿は素敵!
仲間たちを一まとめに括るシーンとかクールです(笑)
昔ながらのワイヤーアクション(だよね?)で、優雅に空中戦を見せるシーンも惚れ惚れしたし、とっさにエレベーターと爆弾でキックするとこでも見直しました。思い返してみると、どさくさに紛れてアリアドネにキスさせるシーンも可愛く思えてきたり。
後半はキックの連鎖が見ごたえありました。TV観賞ではもったいなかったかもしれない。
犯罪なのに、ターゲットのロバートが笑顔になれたのも良かったですよね。あの後、サイトーに会社吸収されちゃったりするのかもしれないけど、父親に愛されていたと信じられるようになった彼なら、たくましく自分の幸せを見つけられる気がします。
あと(本物は出てこなかったけど)モルは可哀そうでした。どんなものか知らずに”虚無”に迷い込んだせいで、現実の事も、子供の事も忘れていって、最後にはあんな事になってしまって…。コブは過去との決着をつけることができたけど、彼女はすべてを思い出すことができたんでしょうか?
まるで麻薬のように描かれていた”虚無”の世界は、ほんの少し魅力的にも見えて怖かったです。
…で、主人公についてはとくになんとも思わないまま、というかむしろ「ふ~ん」ってな冷めた目で見ていたところがあったんですが、ラストシーンの意味を考えだしてからが本番でした。
↓以下ネタバレ

コマが止まるところまでは映してないから、自分の好きなようにとりなさいってことなんだろうけど、一応コマがふらついてたり、子供たちが成長していたり、現実と思わせる要素がありました。
でも、夢だと気付かないような夢をつくるプロの夢なら、子供たちは成長しててもおかしくないし、トーテムを他人に知られたらそれ自体を偽装される事もあるし、そもそもホントにコマが止まれば現実だといえるのか?
つーか、コブに子供がいた事すら怪しい。奥さんを死なせた悲しみから作り出した幻想ではないのか。それどころか、夢に入るなんて事自体が彼の夢じゃないのか…と、考えれば考えるほど何から何まで疑わしくなってきて、そこで初めて彼らが陥った”何が現実かわからない”という感覚がわかってきたんですよね。
そして、うだうだ長いこと悩んだあげく、出した結論が「もう、自分が信じたいものでいいや!」という最初の考えに逆戻り。でも、それもコマが止まるかどうか見届けなかったコブと同じだったり。

個人的には、コブはまだ夢の中にいて、現実のコブの体も何らかの原因で戻る事ができない状況になってて、アリアドネが実は成長した娘で、せめて夢の中で幸せに…とか考えちゃいました。とくに根拠はないけど、いいんだそれで!
長々書いてしまったけど、つまりは、みなさんも自分の好きな結末を思い描こうよ!ってことで。

<追記感想:2016/12/12>

字幕版で再見。今回はとても頭がクリアな状態で観られました。さすがに視覚的興奮は薄れてしまったけど、キックの連続のところは見ごたえあります。アーサーもカッコよくて主役を食いそうな勢いだし、アリアドネにキスしちゃうシーンは何度見ても可愛い。
初見ではあまり好きになれなかったコブも、字幕版だと不思議と嫌な感じがしなかったです。もしかして声優さんとあのキャラの組み合わせが私的に合わなかったのかな?
そして、やはり気になるのは最後のシーンが夢なのか現実なのかという点ですが、今回も観終わって初見時と同じようにアレコレ考えて、それでいて観ている間は「実ははすべて夢かも」なんて思わずに、インセプションやトーテムや虚無といった世界にどっぷり浸れていたなぁと気付けました。見事にノーラン監督にインセプションされてしまったようです(笑)

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映画「ある日どこかで」観た

 | SF  com(10) 
Tag:リチャード・マシスン 

ある日どこかで
製作:アメリカ’80
原題:SOMEWHERE IN TIME
監督:ジュノー・シュウォーク
原作:リチャード・マシスン
ジャンル:★ファンタジー/SF/ロマンス

【あらすじ】母校で初演を迎えた劇作家リチャード。そこへ見知らぬ老婦人が現れ、金時計を手渡すと「帰ってきて」と言って去っていった。数年後、その町のホテルで一枚の肖像に心を奪われた彼は、日増しに膨れ上がる“彼女”への想いに苦しみ…。

とってもロマンチックなお話でした。まあ、先は読めるしストーリーも単純なんですが、どうせなら何も知らずに観る方が面白いと思います。以下、少々ネタバレしてます。
この作品は、「強く強く想い続ければ、運命の相手に出会える」とか「きっと目が覚めたら別の世界にいる」とか、そういう夢みたいな事を一度でも考えた事がある人なら、琴線に触れるんじゃないでしょうか?
一枚の肖像に恋してしまった主人公が、少しでも相手に近づきたいと彼女に関するあらゆる記録を調べまくり、ついに彼女との接点を見つけてしまう前半は、妙に心惹かれるものがあります。
運命に導かれるように過去への旅立ちを決意する主人公。冒頭の老婦人の言葉でタイムトラベルの予感はしていたものの、彼女に会いたいと願う想いの強さ、どんな障害も振り払ってやるという執念が見ごたえありました。
タイムトラベルの方法については人によっては冷めるようですが、最近のニュートリノの実験(光速越え?)に対する人々の夢いっぱいの反応を見てたら、これくらい映画好きなら受け入れて当然かと思えたり。いいじゃない、ロマンチックで。
タイムトラベル成功後のラブラブな展開は照れてしまって苦手ですが、ある事を忘れるにはこれくらい必要なんでしょうね。肖像の美しさの秘密もわかって、なおさら終盤の展開が切ない…!
会う前から想い合っていたかのような二人…というか自力でタイムトラベルできるくらいだから、ずっと前から潜在意識で相手を認識していてもおかしくない。そんなふたりの永遠の愛が描かれてました。
観ている間より、思い返している時のほうが、この作品に酔えるかも。

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映画「アバター」感想

 | SF  com(16) 
Tag:ジェームズ・キャメロン 

アバター
製作:アメリカ’09
原題:AVATAR
監督:ジェームズ・キャメロン
ジャンル:SF/アドベンチャー/アクション

【あらすじ】車いす生活を送る元海兵隊員のジェイクが、アバター・プロジェクトにスカウトされる。それは、衛星パンドラで希少鉱物を採掘するため、“アバター”という生身の器に意識をリンクさせ、遠隔操縦でナヴィ族との交流を図る任務だった。

いやもう、一番最初から引っかかってしまいました。
アバターの心はどこにいったの?
ナヴィ族と人間の遺伝子を掛け合わせて造った肉体を”器”として使ってるようだけど、見た目も生体機能も普通の生き物にしか見えないそれが、心を持たずに生まれてくるとはどうしても思えないんですよね。科学者どもが処理したとしか。
それなのに、アバターを器として使う人間も、そんな彼らを”ドリームウォーカー”と呼ぶナヴィ族も、その肉体がどういうものなのか一切考えようとしないし、自我を持たないのが当然と受け入れているのが理解しがたい。

そんなわけで最初からもやもやした気持で観ていたのに、それがナヴィ族やこの星の生態を観るにつれ、ますます冷めてしまいました。
”絆”を連呼するんですが、彼らは頭の後ろに生えた触手のようなものを動物や植物に接続することで、情報交換する能力を生まれながらにして持っています。この星の生き物は物理的につながる事で簡単に分かり合えるんですね。それに、星全体に植物による神経線維ネットワークが張り巡らされていて、星の事をほぼ把握している植物がここでは神様扱い。その神様がクラゲの様なもので主人公の周りを囲めば、「エイワ(神)のお告げだ!」と元海兵隊員のくせに任務そっちのけではしゃいでいた無邪気な主人公を連れて帰ります。まだひとつも良いところを見せてないのに!

別にこういう生物がいても構わないけど、映画的に”絆”という言葉の重みが感じられないし、未知の星の神秘性が薄れるというか…。結局この人たちって、実際に認識できるものしか信じられないんじゃないかと。
個人的に、主人公たちが軍に捕まってからはアバターが自我に目覚めて(記憶は共有)、主人公は軍の内部で引き返すよう説得し、アバターたちはナヴィ族たちと共に戦って欲しかったです。そして、主人公は複雑な想いを抱えたまま、身を引いて地球へ寂しく帰ればいい。
劇場で観れば3Dと美麗なCGを楽しめたと思うけど、お家鑑賞では良くできたCGだなぁとしか思えなかったのは残念。しぶといラスボスは素敵でした。

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「エイリアン2」観ました

映画「ガタカ」観ました

ガタカ2
製作:アメリカ’97
原題:GATTACA
監督:アンドリュー・ニコル
ジャンル:★SF/サスペンス/ドラマ

【あらすじ】遺伝子工学が発展した時代。遺伝子操作を受けずに生まれたヴィンセントは、ある日、何もかも敵わなかった弟に度胸比べで勝つ。それをきっかけに、彼は宇宙飛行士になる夢を叶えるため、事故で身障者となった元エリートに成り代わり…。

映画を観始めた頃に、たぶんジュード・ロウ特集で観た作品です。
懐かしいですね~。見た目はそんなにSFしてるわけでもないのに、この世界観に一気に引き込まれます。ヴィンセントが「不可能はない」と確信するエピソードもいいし、他人に変身していく過程も面白い。DNAが何より重要なこの世界では、身分証の写真なんて誰も注目していない(そして本当に気付かない)というのが意外と説得力ありました。
また、彼の”宇宙飛行士になりたい”という強い想いに、応援せずにはいられません。
生まれた時から周りに「お前には無理だ」と抑圧されていたヴィンセントと、「将来が楽しみだ」と期待をかけられていた正反対のジェローム。ふたりが”共犯者”という繋がり以上の、鏡合わせの自分自身のようになっていく過程も、ふたりの複雑な気持ちを想うと切なくなりました。
→以下、ネタバレ注意

ラストのジェロームの死は、初めて観た時は本当にショックだったんですよね。ヴィンセントとの出会いだけでは埋められなかった孤独があったのかなぁと。捜査官を騙すため、ヒロインにキスを乞うシーンなんかも切なくて…。”もう自分は必要ない”という寂しい気持ちで自ら命を断ったんだと思いました。
でも、今回はちょっと違って、ジェロームはヴィンセントを本当に自分自身のように感じて、彼が夢を叶えた事により、満ち足りた気持で彼と一緒に旅立ったんじゃないかなぁと思えました。
印象が重いものからやや明るいものに変わりつつ、初見と同じくらい感動できて良かったです。
…ただ、この先にまたジェロームの助けが必要になったらどうするのかとか、宇宙で危険な任務についている時にヴィンセントが心臓発作を起こしたらどうするのかとか、多少気になるところもあるんですけどね~。
(追記)
今回、いろいろな方の意見を聞いて、ヴィンセントはきっと任務を成功させた上ですべてを告白し、世界を変えてくれると思えるようになりました!

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映画「月に囚われた男」観た

 | SF  com(4) 
Tag:イギリス 

月に囚われた男
製作:イギリス’09
原題:MOON
監督:ダンカン・ジョーンズ
ジャンル:★SF/ミステリー

【あらすじ】月にエネルギー源を発見した近未来。人工知能搭載ロボット、ガーティを相棒に、独り月面で採掘作業行う宇宙飛行士サム。唯一の慰めはTV電話での妻テスとの会話だった。だが、任期も残り2週間となった時、作業中に事故を起こし…。

これいいですね~。映画としても面白いし、何よりすっごいアドベンチャーゲーム向きのシナリオ!
できればゲームで遊んでみたいです。あの基地内を調べまわって、謎を解いて、友情を感じて、そして地球に還りたかった!!
…脱線ましたが、低予算ながら、主演のサム・ロックウェルの演技で魅せてくれました。月面基地という密室を舞台に、(なんとなく先は読めるものの)SFらしいストーリーにぐいぐい引き込まれます。
迫りくる時間と、切ない真相。敵にもなりうる存在と心を一つにするラスト。
最後のナレーションは正直いらなかったけど、どうしようもない状況でかすかな希望を信じて立向う彼の姿にはジーンとしました。
気になったのは、地球にいる彼がこの事を知っていたのかどうか。娘のためにも、潔白であってほしいです。
ネタバレしないようにするとこれくらいしか書けないんですが、SF好きなら存分に楽しめる小品でした。

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映画「ブレードランナー」観ました

 | SF  com(18) 
Tag:リドリー・スコット 香港 

ブレードランナー
製作:アメリカ/香港’87
原題:BLADE RUNNER
監督:リドリー・スコット
原作:フィリップ・K・ディック
ジャンル:★SF

【あらすじ】植民惑星から4体の人造人間=レプリカントが脱走した。彼らの捕獲を依頼された元”ブレードランナー”デッカードは、地球に潜入した彼らを追う。一方、逃亡中のレプリカントたちは、4年という寿命を覆そうと生みの親を探していた。

シュワちゃんの「バトルランナー」とごっちゃになって、今まで見逃していました(笑)
ほんと、何故今まで見逃していた!と自分を叱りたい!SF映画でベスト5に入るくらい好きな作品かも。
まず、舞台となる未来の街がいいんですよね~。昔、大好きだった「デスピリア」というイカレたゲームがちょうどこんな感じで、ゲームの世界が現実になった様で感激してしまいました。こういうのがサイバーパンクっていうのか!
そして、若いハリソン・フォード演じるハードボイルドな主人公が程よく胡散臭くていいんだけども、観ているうちに彼のことなんかどうでもよくなるくらいレプリカントが主役でした。
真実を知ってしまった時のレイチェルの涙とか、愛する人を失って自分の寿命も迫っているロイが、自分が生きていた証を残そうとするかのような行動をとるところとか、ツボすぎてやばかったです。
好きな映画に出会えた時のこの高揚感、ゾクゾクしますね!
例のごとく93分番組で観てしまったのが残念だったけど、いつの日か必ずディレクターズ・カット版を観てみたいと思います。

*追記(2011/123)*
せっかくのオンエアを録画失敗してしまったと思ったら、別のレコーダーで撮ってあった!…ということで小躍りしながらディレクターズ・カットを観ました。
まずあの街は何度観ても素晴らしいですね。画質もよくてまじまじと見つめてしまいます。一緒にオンエアしたドキュメンタリーも観ていたから、スタッフの血の滲むような努力を思い返しながら、あのセットがこういうふうに見えるんだなぁと感慨深くみられました。
あと、あの安っぽさを醸しだしていたデッカートのナレーションがなくなって、どことなく寂しいような、物語に集中できて嬉しいような…。B級感も捨てがたいよね!
でも、どうしてもデッカートよりレプリカントに目がいっちゃうのは、デッカートがどこかカッコ悪いからなのか、わたしがレプリカントみたいな境遇に弱いせいなのか。まあ、どっちもだと思いますが。
ラストは「シャイニング」から借りたという映像で逃避行のシーンがあったのに、それがカットされていたのには驚かされました。わたし的には好きだったんだけど、やっぱり自分が撮ったシーンじゃないから?
ともかく大好きな作品を完璧な姿で観られてよかったです。またいつか観るぞー!!

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「誰かに見られてる」観た

映画「12モンキーズ」を観たら・・・

タイムトラベルものにも色々タイプがあるなぁと夜中に気になりだして、ついに一睡も出来なかったよ!
今日は別の作品の感想を書こうと思ってたけど、今夜は熟睡したいので、とりあえず頭の中のものを全部出してしまおうということになりました。まずは「12モンキーズ」の感想など。

製作:アメリカ’95
原題:TWELVE MONKEYS
監督:テリー・ギリアム
ジャンル:SF/サスペンス

【あらすじ】2035年、謎のウィルスにより人類の約99パーセントが死滅した。地下に追いやられた人類は、その原因を探るため、囚人コールをウイルスが発生した1996年へと送り出す。”12モンキーズ”という謎の言葉が唯一の手がかりだったが…。

「ラ・ジュテ」の衝撃が今も残っているので、面白いのか面白くなかったのかわかりませんでした。とにかく長い。先に「12~」を観ていれば違ったかも知れないけど、オンエア見逃したんですよ。まあ、もし同じくらいの衝撃を受けたとしても、単純に短い映画の方が好きなので結果は変わらないか。
回想シーンに登場する人物の顔は見せない方がいいとか、彼女が博士に電話するシーンで犯人が視聴者にわかるのは早すぎるとか、そんなことを思いました。

で、本題ですが、タイムトラベルものではタイムパラドックスが起きないように考えられた時間の考え方みたいなのがあるじゃないですか。今まで見た作品を分類するならどう分けられるかなぁ、と考えてたらいつの間にか朝にタイムトラベルしてしまったわけです(笑)
以下、あまり専門知識のないわたしが自分のために考えたタイムトラベルものの分類なので、興味のない方はスルーしちゃって下さい。っていうか長すぎて確実に引きます。用語の使い方とかも、たぶん間違ってるよ!

1、「神はサイコロを振らない」改め、すべては筋書き通りの「運命」タイプ
何もかもが決まっている、筋書き通りに進む世界。過去に干渉して”現在”を変えようとしても、”現在”の状態は過去への干渉も含めてその状態なので、”現在”を変えることはできない。その筋書きにタイムパラドックスが含まれていないならば、タイムパラドックスは起こりえない。
例えば、未来の自分に出会ったことのない人間が、何度過去に戻っても、過去の自分が未来の自分に気づくことはない。過去の自分にそれを気付かせようとする事は、タイムパラドックスを起こす事になるが、そういう考えを持った人間はタイムトラベルの機会にめぐり合わないか、あっても成功しない。
また、筋書きにタイムパラドックスが含まれている場合とは、例えば、子供の頃、ある人に貰った物を、大人になってからタイムトラベルして過去の自分に渡し、”ある人”が自分だったと判明した場合、その”物”はどこから発生したのかわからない”存在しないはずの物”になる。それは矛盾だが、筋書きをつくったのが人間なら、つまりフィクションではよくある事(笑)
よって、過去・現在・未来は全て決まっていて変える事はできず、実際にはタイムパラドックスも起こり得ない。
ただし、”現在”を変えられないといっても、自分が知る”現在”の姿が真実とは限らない。例えば、殺された人を救うために過去へ行き、その人が死んだと”現在”の自分に思い込ませるための芝居をすれば、殺されたと思っていた人は死んでいなかった事になる(というか、判明する)。だがそれも筋書き通りだった場合のみで、そうでないなら必ず失敗する。

2、「時間の復元力」タイプ
時間は河のように一方向に流れていて、そこに石を投げ入れても小さな波紋が起こるだけで、大きな流れ自体は変える事が出来ない。よって、タイムパラドックスを起こすような行動を過去で行っても、必ず何らかのかたちで阻止されてしまう。
「運命」タイプと似ているが、一番の違いは、タイムパラドックスに関係ない出来事なら変えられるということ。例えば、タイムトラベラーの存在を揺るがす、親殺しや自分殺し、タイムトラベルの動機に関することなどは変えられないが、それに関わらない小さな事…会うはずだった人に会わせなかったり、ぶつかるはずだった小さな障害を取り除くことなどは可能。タイムトラベラーにとっての”今”が、時間の流れに多少の影響を及ぼす世界である。
「運命」タイプと同じく、自分をだます芝居をうつことで事故や事件を回避する事もでき、なおかつ辻褄さえ合っていれば必ず失敗するという事はない。
ただし、タイムトラベラーの記憶が矛盾の基準になるとは限らない。記憶操作して、上記のようなやり方で過去を変えようとしても、客観的に見て矛盾が生じる事は出来ない。

3、「パラレルワールド」タイプ
サイコロを振れば、1が出た世界、2が出た世界、3が出た世界…というふうに、可能性の限り、世界が分岐して存在している。全ての可能性が存在するということは、それぞれの世界が筋書き通りの世界であるとも考えられ、「運命」タイプと同じくタイムトラベルによる時間の流れへの影響は無い。
よって、過去を変えても分岐した別の未来の存在を知るだけで、自分の属する世界は何も変化せず、タイムパラドックスは起こりえない。
また、歴史的な出来事がある時のみ分岐するという考え方もある。例えば、人間ではなく恐竜が進化した世界や、電気でなく蒸気機関が発達した世界など、パラレルワールドごとに全く違う歴史をもつ。その場合、他のタイプと併用される事が多い。

4、「バタフライ効果」タイプ
過去へのほんの僅かな干渉でも、時間が離れれば離れるほど、その影響は未来へ大きく表れる。よって、過去へ干渉すると現在(未来)が大きく変わってしまうが、原因を取り除けば元の流れに直すことも可能。タイムトラベラーにとっての”今”が、時間の流れに大きなの影響を及ぼす世界。
また、タイムパラドックスが起こりそうになった時、「時間の復元力」タイプと併用される事もある。その場合、タイムパラドックスを起こそうとした人物が”存在しなかった”事にされ、調和が保たれることが多い。

(5、「記憶だけ」タイプ)
精神のみが過去や未来の自分に移動するタイプもあり、他のタイプのどれかと併用される。
例えば「運命」タイプと併用した場合、タイムトラベラーの行動の結果も筋書きにあるため、タイムトラベルしても乗っ取られた時の空白の記憶の間の出来事が判明するだけである。

<時間モノ映画の分類>(ネタバレになるので下に移しました)
1、運命タイプ
「12モンキーズ」、「ラ・ジュテ」、「サマータイムマシン・ブルース」、「ターミネーター」、「タイムライン」などが当てはまります。理詰めの人が好みそうな理論。
2、時間の復元力タイプ
有名なのが「タイムマシン」。愛する人を救うために過去へ行くけど、彼女が死ななければタイムマシンは造られず、彼が彼女を救うこともありえない。その矛盾が起こらないように世界が作用するため、たとえ彼が何度過去へ戻っても彼女を救うことはできません。ただし、上で書いたように、周りの人すべてが自分を騙していたという状況を過去でつくり上げることができれば、彼女は死んでいなかったという事にできるはず…。大規模すぎる!(笑)
一番しっくりくる理論だけど、この作品で起こる現象は微妙。自然現象はもっとシンプルで合理的だと思う。タイムトラベルで記憶障害が起こるとか。
3、パラレルワールドタイプ
「ドラゴンボール」をみて育った世代にはおなじみ。SF的に使いやすい理論。当てはまるのは「デジャヴ」(Aの世界の主人公による干渉&失敗に気付いたBの世界の主人公が、Cの世界のヒロインを救う)とか。
4、バタフライ効果タイプ
バック・トゥ・ザ・フューチャー」「バブルでgo」など。矛盾があっても面白ければいいけど、現在(未来)が変わった時に、主人公に新しい歴史の記憶がなかったりするのが寂しい。だんだんと記憶がよみがえる場合もあるけど、それはそれで寂しい。人生をただの情報扱いされたみたいで。
5、記憶だけタイプ
バタフライ・エフェクト」はバタフライ効果タイプ(一部「運命」タイプ?)、「恋はデジャ・ブ」は時間の復元力タイプと併用されていると思われる。だが、タイムリープモノはその原因がわからないことが多く、SFというよりファンタジーの傾向が強い。

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映画「アンドロメダ…」観ました

アンドロメダ…
製作:アメリカ’71
原題:THE ANDROMEDA STRAIN
監督:ロバート・ワイズ
原作:マイケル・クライトン
ジャンル:★SF/サスペンス

【あらすじ】中西部の田舎町でほとんどの住人が謎の変死を遂げる。救出されたのは赤ん坊とアル中の老人の二人だけ。墜落した人工衛星に付着した未知の細菌が原因である事を突き止めた科学者たちは、有効な対策を探そうとするが…。

科学者たちが謎の細菌と地道に闘うお話。
派手さはないけれど、これでもかと言うほどSFらしさを味わえたし、未知のものに対する恐怖やもしもの時の自爆の恐怖でハラハラドキドキ楽しめました。とくに冒頭の”死の町”探索が不気味で恐ろしい。
SFらしさを演出するもののひとつ「防疫・滅菌手続き」はしつこいくらいで、殺菌の間違えじゃないのか、常在菌殺したら体に悪いんじゃないかとか考え始めたら気が散ってしまいました。
あと、空気感染を確かめる動物実験がリアルで本当に殺したんじゃないかと心配になったけれど、二酸化炭素で失神させたんだとか。まあ、それでも動物にとっては恐怖体験だと思うけどね。(赤ん坊も泣きっぱなしで可哀想だった…)
女性化学者がランプの点滅で倒れてしまったのは、てんかん発作だったのかな?
ちなみに原題は「アンドロメダ病原体」。直訳では”アンドロメダ菌株”です。

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「2010年」「2001年宇宙の旅」まとめて観た

2010年

『2010年:2010』

1984年アメリカ、ピーター・ハイアムズ/アーサー・C・クラーク
はい、まずは先に観た続編(って言っていいのかな?)の感想です。ややネタバレあり!
よかったです。わかりやすいし、HAL暴走の原因が明かされます。
いや、なんかもう、私ってば思ってたよりHALのこと大好きだったみたいなんですよね。原因が結局のところ人間のミスだったとわかりほっとする一方で、HALの苦悩を思い胸が痛みました。
再びHALの反応でハラハラするシーンでも、HALなら大丈夫!と心から信じられましたし。彼の「真実をありがとう」の言葉には涙がぽろぽろこぼれました。
全体的な印象としては、前作や原作を大事にしつつ真似っこにはなってないという感じ。ただ、ソ連との政治的な緊張が描かれているために、時代を感じる作品になってしまいました。
2001年宇宙の旅

『2001年宇宙の旅 2001:A SPACE ODYSSEY』

1968年アメリカ/イギリス、スタンリー・キューブリック/アーサー・C・クラーク
先に謝っておきますが、意気込んで観たくせに最初の50分と最後の30分意識飛んでました。つまり、HALが出てるところ以外は全滅です。キューブリック監督…ごめんなさい。
前に観た時も概ねそんな感じだった…というか、むしろ前回のほうがちゃんと観れたかもしれません。もう、HAL愛に目覚めてしまったので、彼が出てるシーンはめっちゃ集中して涙こらえて観てたんですが、壮大な宇宙とモノリスには1mmも興味持てなかったです。
よくよく考えてみると、昔からわたしは、”地球から見た空”や”宇宙から見た地球”の映像には感動しても、宇宙空間の映像には(キレイとは思っても)興味はゼロだったかもしれない。あとクラシック曲は、演奏の様子が見れれば好きだけど、そうでない場合は苦手なんですよね。ピコピコ電子音は神経に障るし…。ただ、完璧主義者のキューブリック監督にとってモノリスは美しい存在なんだろうなぁとぼんやり思いました。
「観る資格がない」と怒られても仕方がないですが、宇宙の旅って、どこかに着陸しないと私には退屈でしかないみたいです。普通のSFでも観ようかな…?

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映画「デジャヴ」観た

 | SF  com(4) 
Tag:トニー・スコット 

デジャヴ
製作:アメリカ’06
原題:DEJA VU
監督:トニー・スコット
ジャンル:★サスペンス/SF/ロマンス

【あらすじ】爆破テロでフェリーの乗客の多くが犠牲となり、ATF捜査官ダグはFBI特別捜査班への協力を要請される。政府が極秘開発した4日と6時間前が見られる映像装置によって、テロ直前に殺された女性クレアを観察し始める彼だったが…。

思っていたよりロマンス色が濃くて驚きました。
それが動機の全てではないけれど、『いま、目の前で生きている彼女を助けたい』という想いがひしひしと伝わってきます。そもそも、彼女に恋してなければ、映像装置の真実には気付かなかったと思うし…。
主人公の指紋がでた時点で先は読めてしまうけれど、カーチェイス(はた迷惑!)や爆弾探しなどハラハラ展開もあるし、伏線もたくさんあるので見ごたえがありました。
SFが苦手な人じゃなく、細かい矛盾を気にしなければ楽しめると思います。

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映画「ラ・ジュテ」観ました

 | SF  com(8) 
Tag:フランス 

ラ・ジュテ
製作:フランス’62
原題:LA JETEE
監督:クリス・マルケル
ジャンル:★SF/アート

【あらすじ】第三次世界大戦後のパリ。生き残った人々は地下に潜り、捕虜を使って人体実験を繰り返していた。それは、「未来」へ行き現在を救う方法を見つけてくるための実験だった。やがて、少年時代の記憶に取り憑かれる一人の男が選ばれ…。

これいいですね。大好きです。昨日観て気に入り、すぐにイラストを描きました。
29分の作品で、ほぼすべてがモノクロ写真を使った紙芝居のようなつくり。淡々と語るナレーションと静かな音楽が独特の雰囲気を漂わせています。
また、SFなのにそれらしいものがほとんど映っていないのも特徴です。余計なものを排除してあるというか、退廃したイメージと現在・過去・未来のつなぎで全体像はSFになっているという不思議。こういうのをモンタージュと言うんですね。

ストーリーのメインとなるのが、実験の第一段階として過去へ行った男がある女性と出会い、逢瀬を繰り返すというもの。
科学者たちのモルモットである彼は、自由に彼女に会いにいける訳ではないし、いつ実験が終わるかもわかりません。ただ、再び過去へ行く実験が行われれば、逢いたい女のもとに辿り付ける。時間をも越えた、切なくもロマンチックな逢瀬です。
一方彼女も、突然現れ突然消える彼の事を”わたしの幽霊”といって愛すのでした。

一番印象的だったのが、ベッドでまどろむ彼女の姿が連続で映り、不意にこちらを向いて瞬きをする(唯一の動画)シーン! 次の瞬間には現在に戻され不気味な科学者の顔が映ります。
瞬きの瞬間に命が吹き込まれるのを感じてぞくりとし、次の瞬間には絶望を前にぞくりとするという、初めての体験でした。
ラストも非常にわたし好みで、学生の頃ショートショートに夢中になったのを思い出します。
ちなみにタイトルは”送迎台”を意味するフランス語。男が取り憑かれた記憶の場所であり、出会いと別れを連想させる場所ですね。

映画「渚にて(なぎさにて)」観た

 | SF  com(3) 
Tag:スタンリー・クレイマー 

渚にて
原題:ON THE BEACH
製作:アメリカ’59
監督:スタンリー・クレイマー
原作:ネヴィル・シュート
ジャンル:★SF/戦争/ドラマ

【あらすじ】第三次世界大戦が勃発し、核攻撃で北半球が全滅した。南半球にも放射能汚染が迫るなか、本国に帰れなくなった米国の原潜がメルボルンに入港する。そして、艦長タワーズは学者たちと共に北極圏に汚染調査に出掛るのだった。

タイトルから青春ものやロマンスものを想像していたため、最初から漂う重々しい雰囲気に驚いてしまったんですが、人々の言葉の端々から状況が分かるにつれ、じわじわと心を蝕む絶望感や、それでも人として日々を生きていく強さが伝わってきました。
家で静かに終えようと考える者、最後まで楽しむ事を忘れず人生に悔いが無いよう”生きる”者、せめて故郷でと無人の街へ帰っていく者。死に向かう人々の様子が、静かに淡々と描かれています。
なかでも、いずれやってくる放射能による苦しみから妻や赤ん坊を守るため、安楽死の薬をどう手に入れようか思案する男のエピソードは切ない…。
破壊シーンもグロテスクな描写もないのですが、核戦争の恐怖と愚かさを静かに訴えかける作品でした。

ちなみに、原題は船乗りのスラングで、”船上にいない、岸にいて仕事がない”という意味だそうです。

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映画「宇宙戦争(2005)」観ました

宇宙戦争(2005)
読み:うちゅうせんそう
原題:WAR OF THE WORLDS
製作:アメリカ’05
監督:スティーヴン・スピルバーグ
原作:H・G・ウェルズ
ジャンル:★SFパニック/ドラマ/サスペンス

【あらすじ】港湾労働者のレイは、別れた妻との子供ロビーとレイチェルを預るが、ふたりとの間には深い溝ができていた。翌朝、謎の光が連続で落ち、地面から殺人マシーン「トライポッド」が現れ攻撃を始める。彼は2人を連れて車で逃げ出すが…。

思ったよりぜんぜん面白くて、最後までハラハラしながら観れました。
レイチェル役の子は上手いですね。あまり演技の良し悪しとか分からないんですが、父親との距離感とかヒステリーになった時の表情とか、迫真の演技だったと思います。
CGもきれいで気にならなかったし、パニックに陥った集団の怖さなんかもでていて良かったです。あと、最初の”棘”がオチの伏線になってるとことか。
何より主人公がヒーローじゃないところがリアルでいいです。
まあ、いくつか気になった点はあるんですが、最近新しい映画となるとつい粗さがしをしている気がするので、今日は思いっきり想像力を働かせて好意的に解釈してみようと思います。

→ネタバレ全開です!
その1、ロボットに赤外線センサーついてないの?
ロボットから伸びた触手みたいなカメラ(マイクつき)から逃げ隠れするシーンです。主人公たち、薄い壁に隠れてやり過ごせちゃいました。あんな科学力があって人間を駆逐する気で来たなら、それぐらい付いてて当然。つまり「ついていたけど、使わなかった」という事が考えられます。
殺戮ではなくテラフォーミング(?)を命じられた兵士たちが、「誰が一番多く獲物(肥料となる人間)を捕まえられるか勝負しようぜ」的なゲームを始め、あえてセンサーを切って狩りを楽しんでいた…という事だったのかもしれません。

その2、人類誕生前から観察して住める環境か調べなかったの?
兵器を地中に埋めて観察し続け、忍耐の末の侵略だったはずなのに、地球上の微生物に免疫がなく死亡って…。いやいやでも、細菌やウイルスってのは猛スピードで進化してるんだから、ワクチン完成して抗体できてから地球まで侵略しに来て…ってやってるうちに、未知のウイルスが発生していたのかも。そもそも今回の侵略が宇宙人の総意とは限らない訳で、好戦的な軍人が先走って侵略しにきただけなら準備万端とはいかないし。防護服着てなかったのはワクチンへの過信か、リーダーに知識が足りなかったのかも。(でも、そう考えると次が怖い)

その3、何故息子は死ななかったか、そして元妻の再婚相手はどこ?
息子については、父親譲りの強運としか言いようがないですね。(笑)
再婚相手については、レイチェルたちを迎えに行ったか、自分の両親のところへ行ったか…。ま、死んだとは限らないということで。

いやぁ、他にもあるかもしれませんが、私はこれくらいしか気になりませんでした。こうやって好意的に考えてみたのも、この映画が好きだからだと思います。酷評してる人も多いけど、どこがそんなに気に入らなかったのか…?

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映画「マーズ・アタック!」観ました

マーズ・アタック!
読み:まーずあたっく!
原題:MARS ATTACKS!
製作:アメリカ’96
監督:ティム・バートン
ジャンル:★SFコメディ

【あらすじ】ある日、アメリカで円盤の大編隊が確認される。専門家たちの見解から友好的な種族だと判断したデイル大統領は、国を挙げて火星人を歓迎することに。しかし、人々がテレビ中継で見守るなか、火星人は大虐殺を始めてしまう。

これまた、いつでも観れると後回しにしていた作品。
ちらちら見かけた時はエグいことやってんなーと思っていたんですが(犬と首とりかえたり)、ちゃんと最初から観てみると、あまりのお気楽さに嫌な気分になる事もありませんでした。(合わない人は合わないんだろうけど)
火星人たちの悪ふざけ感覚がどうにも憎めないです。また、人々の宇宙人大好きっぷりがいいですね。大統領は奥さん死ぬまで信じようとしていたし。
なんというか、B級映画の鏡ともいえる作品なんじゃないでしょうか?
おバカなノリと、時々見せる人間のピュアな愛が素敵でした。

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映画「バタフライ・エフェクト」観ました

 | SF  com(4) 

バタフライ・エフェクト
読み:ばたふらいえふぇくと
原題:THE BUTTERFLY EFFECT
製作:アメリカ’04
監督:エリック・ブレス/J・マッキー・グルーバー
ジャンル:SFサスペンス/ドラマ

【あらすじ】幼い頃からしばしば記憶を喪失していたエヴァン。彼が記憶を失くすのは大抵よくない事が起こっている時だった。そして、13歳の時のある出来事をきっかけに、幼馴染ケイリーの兄が敵意を示すようになる。やがて、大学生となり平穏な生活を送っていた彼は、ふと日記を読み返し記憶の一部を取り戻すが…。

過去を繰り返し修正し、大切なひとを守ろうと奔走する主人公のお話。
タイムリープものというと、もう出尽くしている感があって期待してなかったんですが、これはよかったです。伏線の回収のタイミングが絶妙で、先が読めるのに退屈しないんですよね。映画をみはじめた頃にこれを観ていたら、きっと思い出の一本になっていたと思います。
とは言うものの、今の私では新鮮味を感じず”切ないラストシーン”も「まあ妥当かな」なんて思ってしまったり。…心が錆びついてきたのかな。

以下ネタバレ。
少し引っかかったのが、記憶を失くしているからタイムリープできるのか、未来の自分がタイムリープしたから記憶がないのかという事です。どちらが真実なのかで色々変わってきますよね。
例えば、残酷な絵を描いたのも父親にクビを締められたのも、タイムリープした時にとった行動が原因なので、後者が真実じゃないと「じゃあ本来の理由はなんなのか?」という疑問が湧きます。
しかし、後者が真実だとすると、13歳の頃に彼女にした仕打ちはタイムリープした何時かの自分がとった行動だということになるんじゃないかな…と思うわけです。
なんだか”たまごが先か、ニワトリが先か”みたいな話ですね。こんなこと気にしてるから素直に感動できないんだなぁ、と今気付きました。

<2018/01/23 再見追記感想>
なんか覚えていたよりもすごく暗い話でした。いちおう見ている間は引き込まれるし、最後の決断は切ねぇと思うんだけど、初見と同じく後から疑問が湧いてくる。でも、一緒に見ていた家族にそれを言っても「言ってる意味が分からない」と言われてしまった…。
とりあえず、今回は主人公の行動によって変わる周りの人たちの変化…もとい役者の演技を楽しめました。ヒロインだけでなく、その兄や気の弱い幼馴染なども変化があって演じがいありそう。
あとは「バタフライ・エフェクト」というほどエヴァンのやってることは些細なことじゃないよなぁ、と思いました。彼の行動が引き起こす予想もつかない展開、というのはほとんどなかった気がする。

映画「華氏451」観た

華氏451
読み:かしよんひゃくごじゅういち
原題:FAHRENHEIT 451
製作:イギリス/フランス’66
監督:フランソワ・トリュフォー
原作:レイ・ブラッドベリ
ジャンル:SFドラマ

【あらすじ】書物を禁じられた管理社会。隠された書物を見つけ出し、それを焼却する役目を持つ”消防士”モンターグは、クラリスという女性教師と出会い本に興味を抱き始める。彼はしだいに”感情”や”考えること”に目覚めていくが…。

TVから与えられる以外の知識を禁じらた、未来というよりは”パラレルワールド”を描いたSF作品です。管理社会といえば、「THX‐1138」や「リベリオン」、中学の国語で習った「素顔同盟」なんかを思い出します。…というか、この映画のタイトルを見て「ちょっと前にやってた”華氏~”って映画か。」とか思い込んで観始めてました。(なんという記憶力の無さ) ちなみにタイトルの意味は”紙が燃え始める温度”です。
それはともかく、内容は風刺的で観る人によってはもっと深い考察とか書けるんでしょうが、私的には古臭い演出が笑える映画という感じです。ただ、主人公は本を読み始めてから妻を馬鹿にするようになり好きになれません。「本を読んだ人間は他人より優れていると勘違いする」というような事を他の消防士が言っていたけど、その通りになっちゃダメでしょう。もっと優しい気持ちで本の良さを伝えようとして欲しかったです。

ネタバレになりますが、雪の中”本の人”が自分の頭の中の”本”を暗唱しながら行き交うラストは、幻想的でどこか寂しい印象を残します。

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「サウンド・オブ・サンダー」(同原作者)

映画「放射能X(ほうしゃのうえっくす)」観ました

 | SF  com(0) 

放射能X
人間以外で戦争するのは蟻だけらしい。
原題:THEM
製作:アメリカ’54
監督:ゴードン・ダグラス
ジャンル:★SFパニック

【あらすじ】砂漠でショック状態の少女が保護され、付近で惨殺死体が発見される。現場の足跡などから、犯人は原爆実験の影響で巨大化した蟻だと判明。保安官ベンは蟻学者パットとFBI捜査官グレアムと協力し、殲滅作戦に取り掛かるが…。

B級テイストの映画を観ようと思っていたら、意外にも丁寧なつくりのSF作品でした。
映画の紹介から”巨大蟻が人間を襲う!”となっていて、せっかくの巨大蟻登場までのハラハラ感が薄れてしまったにも関わらず、蟻との攻防戦もしっかりしていて最後まで飽きずに観れます。
つくりものっぽさ全開の巨大蟻もなんだか愛嬌があり、当時の技術としてはかなり頑張ってるんだろうなぁというのが伝わってきますし、蟻の生態なんかもちゃんと説明していて勉強になりました。
モンスター映画好きなら楽しめる作品だと思います。

映画「デッドリー・フレンド」観た

 | SF  com(2) 

デッドリー・フレンド
ロボットダンス?
読み:でっどりーふれんど
原題:DEADLY FRIEND
製作:アメリカ’86
監督:ウェス・クレイヴン
原作:ダイアナ・ヘンステル
ジャンル:ホラー

【あらすじ】人工知能を搭載したロボットを造れるほどの天才少年ポールは、越してきた町でサマンサとカールと友達になる。しかし、サマンサが酒乱の父に階段から突き落とされ亡くなり、彼らは彼女の脳にロボットの回路を埋め込み蘇らせてしまう。

いちおうホラーだしグロい表現もあるのに、色々ぶっとんでいて笑えてしまう映画でした。
第一に主人公の天才少年ポールがアバウトすぎです。何を研究しているのかよく分からなかったんですが、研究用の遺体の脳に自作の人工知能つないでみたり、その影響でちょっとおかしくなったっぽい回路をそのまま死んじゃったサマンサの脳にぶすり!
滅菌消毒なんて出来ない状況でしたが、見事サマンサ復活です。
しかも、髪の毛はフサフサ(手術で剃らなかったの!?)、怪力少女になったうえリモコン操作可能に。…いや、操作といっても手が付けられなくなった時に電源切る(眠らせる)だけなんですけどね。何故か一度しか使いませんでしたが。

こうして振り返ってみると、主人公がというより全てがアバウトでした。これぞB級映画の醍醐味と言うやつですね。
ちなみに、意地悪なおばさんが観てる映画が「悪い種子」だったりします。だからどうしたって感じなんですが、ちょっと嬉しくなってみたり。

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映画「ギャラクシー・クエスト」観ました

 | SF  com(4) 

ギャラクシー・クエスト
SFの定番”ボディスーツ”
読み:ぎゃらくしーくえすと
原題:GALAXY QUES
製作:アメリカ’99
監督:ディーン・パリゾット
ジャンル:★SFコメディ/アドベンチャー

【あらすじ】20年経ってもいまだ人気の衰えないTVドラマ「ギャラクシー・クエスト」のイベント会場に、サーミアン星人を救って欲しいと言う妙な4人組が現れる。艦長役のジェイソンは、それをプロモーターの出演依頼と勘違いし…。

ずっと見逃していたのを、今回やっと観れました。
「スタートレック」へのオマージュ全開らしいですが、それを知らない私でも最高に楽しめました。
”嘘”を知らないサーミアン星人に期待を寄せられ、あのくたびれた感じの主人公たちがあたふたしながら敵に果敢に立ち向かってゆく姿は感動ものです。「トカゲヘッドにかけて…」なんていう名ゼリフにも出会えました。
最後なんか泣いてしまいましたよ。
…こんなに胸が熱くなる作品を、ただの”コメディ”と思ってたなんて!?

なんか興奮しすぎて言葉が出てこないんですが、他人にすすめたい映画ベスト5に入るほどの素敵映画だったと思います。
観たことない人は、是非観てみて下さいね。

********************
<追記・ブログDEロードショー>(2012/9/29)
やっぱ面白いわぁ。前と変わらず感動できたし、これ大好き!
主人公たちの役者魂が目覚めていくのがいいですね。冒頭では嫌々やってるけど、本当は彼らも「ギャラクシー・クエスト」が大好きだっていうのがわかります。何話のアレで通じちゃうとか、大好きすぎでしょ(笑)
作品から戦略を学んで、キャラクターから勇気をもらって、”ネバーギブアップ”の精神で困難に立ち向かっていくのがカッコいい!
「グラブザーのハンマーにかけて!(TVでは”トカゲヘッドにかけて”って言ってたなぁ)」の名台詞が聴けただけで満足ですよ。
技術者の人も大活躍で、地味に一番役立ってたかも。最初から妙に馴染んでいて、彼女との恋も必然って感じでしょうか。張り切り艦長や元子役の操縦士、ドラマですぐ死んじゃったチョイ役のひともいい味出してました。
ヒロインはお約束どおり、だんだんと衣装が肌蹴ていくのも面白い。「通路になんでこんなものがあるのよ!!」とキーキー叫ぶシーンが笑えました。
そして、彼らを支えるのが熱烈なファンっていうのも燃えます。この作品自体が「スター・トレック」へのオマージュのかたまりみたいなものなので、彼らはこの映画を作った人たちを投影したキャラなのかな。熱いです!

映画「THX-1138」観た

 | SF  com(0) 

THX-1138
読み:てぃーえいちえっくすいちいちさんはち
原題:THX 1138
製作:アメリカ’71
監督:ジョージ・ルーカス
ジャンル:SF

【あらすじ】コンピューターによって人間が生産・管理され、薬で感情を抑制し労働力として消費される未来の世界。薬をすり替えられたTHX-1138はしだいに感情を取り戻し、LUH3417と愛し合うようになる。しかし性愛は法で禁じられたものだった。

今回は私の苦手なSFです。ただでさえ分かりずらいと言われている作品なのに、字幕が良く見えず主人公以外の立場とか全然わかりませんでした。…だって背景真っ白なんだもん。
かろうじて分かったのは、極端な管理下に置かれた主人公が自由を手に入れようとする話ってことです。
おそらく「2001年宇宙の旅」の影響を受けていて、「リベリオン」「アイランド」「CUBE」あたりに影響を与えた作品だと思います。(古い映画はそんなに知らないので鵜呑みにしないで下さいね。) だいぶ淡々としているので、気楽に楽しみたい人よりじっくり考えたい人向きの映画です。

さて、上に描いた絵なんですが、人間を管理しているポリスロボットです。ジョージ・ルーカス映画のロボットといえばC-3POとR2-D2あたりが思い浮かぶんですが、このロボットは顔も表情もないんですよね。のっぺりとした鏡の様な顔面だけなんですよ。行動も話す事もリモートコントロールされていて、あまりにも無機質的です。つまり感情を抑えた人間にはこれで充分って事なんですよね。細かい内容はわかりませんでしたが、こういう部分にはぐさっときます。こんな温かみのない世界で、自分達だけがそれに気付いてしまったら、主人公のように危険を冒してまで逃亡できるだろうか…と考えてしまいました。
結構奥の深い作品だとは思いますが、万人向けではありません。「オレはハードルが高いほど燃えるんだ!」という人は挑戦してみてください。

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