忘却エンドロール

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素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「ヒトラーの贋札」観ました

ヒトラーの贋札
(201/4/2に単独記事に直しました。この作品へのコメント等は過去記事に残ってます)
原題:DIE FALSCHER
製作:ドイツ・オーストリア’07
監督:ステファン・ルツォヴィツキー
原作:アドルフ・ブルガー
ジャンル:★戦争ドラマ/サスペンス

【あらすじ】第二次世界大戦の最中、ナチスは精巧な贋ポンド札の製造する”ベルンハルト作戦”を計画。ザクセンハウゼン強制収容所に、世界的贋作師サリーらユダヤ系技術者が集められる。彼らはユダヤ人でありながら破格の待遇を受けるが…。

実際はブルガーのようにあからさまに反抗したら即銃殺ですが、大筋は史実どおり。ゼラチンを質の悪いものにこっそり変えたのは別の人らしいです(笑)
主人公が原作者ブルガーではなく、サリーというのが興味深いですね。元犯罪者のサリーがコーリャとの交流を通して人間らしさを取り戻し、葛藤する姿がよく描かれてました。
ただ、ハンディカメラの映像はなんかわざとらしかったかな。
贋札を捨てて、ただ生きる喜びを分かち合うみたいに女性と踊るラストが印象的です。

映画「海外特派員」観ました

海外特派員
製作:アメリカ’40
原題:FOREIGN CORRESPONDENT
監督:アルフレッド・ヒッチコック
ジャンル:サスペンス

【あらすじ】1939年、戦争防止同盟の主要人物ヴァン・メアに会うため、ヨーロッパに派遣された米国記者ジョーンズ。だが、メアは彼の目の前で射殺されてしまう。犯人追跡の果て、彼はナチに誘拐されたメアを発見し…。

いやー、随分放置していたけどやっと再見できました。「スパイ」という単語を聞いただけで何故か9割は観る気が失せてしまう私としては、かなり楽しめた作品です。
相変わらずヒロインが主人公のどこに惚れたのか理解できませんが、ヴァン・メアが撃たれてからの目まぐるしい展開には手に汗握りました。前回はちょっとついていけないところもあったけど、今回は途中で誘拐でっち上げた男がどこの誰だか思い出せなかっただけだし!(ダメじゃん!)
とくにハラハラドキドキ楽しめたのは、風車小屋のくだりと飛行機が海に落ちるシーン。何度観てもいいですね。
そして、言葉が通じないけどなんか仲良くなった(?)ラトビア人もお気に入り。ちょこちょこ出てきて、主人公たちの恋を温かく見守ってるような眼差しを送ってくるのが和みます。主人公たちはそれどころじゃなかったりするんだけど(笑)
あと、どうでもいいけど”ヴァン・メア”っていう言葉の響きが好きだなー。
ラストのプロパガンダは思いっきり付け足しっぽいですが、これはもうDVDの特典映像とかにした方がいいんじゃないですかね。あんまり好きじゃないです。
ちなみに、原題の意味はそのまま「海外特派員」。

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「鳥」観ました

映画「ひまわり」観ました

ひまわり
1mくらい離れて見てね!
製作:イタリア’70
原題:I GIRASOLI
監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
ジャンル:★ロマンス/戦争

【あらすじ】貧しいナポリ娘ジョバンナとアントニオは、出会ってすぐ恋に落ち、間もなく結婚した。だが、第二次世界大戦が勃発し、アントニオは戦争へと駆り出されてしまう。終戦後、帰らないアントニオの生存を信じ、彼女はソ連を訪れるのだった。

今まで見た”戦争で引き裂かれた男女”の物語で、一番好きな作品になったと思います。
アントニオの生存を信じるために、魂をも消耗しているんじゃないか、というくらいのジョバンナの気迫が凄まじい。それと同時に、いつ燃え尽きてもおかしくない儚さも…。
それでも決して諦めず、夫を探し続ける彼女の姿に”見つかってほしい!”と祈るように観てました。
そして、待ち望んでいたはずの再会。駅で夫の帰りをずっと待っていた彼女が、こんな形で再会を果たすなんて。…遣り切れません。
何も言わずに列車に乗り込み、泣き崩れる彼女の姿は、涙なしには観られませんでした。
そんな彼女と夫の想いを悟って、静かに微笑んで夫を送り出す奥さんも切ない。

また、回想でしかでてこない、過酷なロシアの雪中行軍の様子も強烈でした。小さな家にぎっしり兵士が並んで、立ったまま仮眠。それすらもできず、雪の中でひとり、またひとりと倒れてゆく。
そして、この作品のタイトルであり、夫を追い求めるジョバンナの心を表しているかのような”ひまわり”も、その下に眠っているのは、ロシア戦線の犠牲者たち…。
生命力を感じさせる一面のひまわりも、これからは複雑な思いで見る事になりそうです。

<2018/06/26 再見>

そういえば徴兵逃れのせいでロシアに飛ばされたんでした。自業自得ですが、ロシアに飛ばされたからこそ生き残れたのかもしれない…。
思ってたより短い作品だったんですね。必要な部分だけを切り取ってあるので重い内容の割に見やすいと思います。
ただ、アントニオの母親についても省略しちゃってるのは気になりましたね~。ジョバンナと再会して、1~2年悩んでから故郷に戻ってきたというのに、母親に会わずに(もしくはお墓参りせず)帰ったの?
そもそも、アントニオの居場所がわかった後にジョバンナと義母はどういう関係だったんだろう…。実は義母だけアントニオの元へ行ったなんてことはないよね?
生きてるか死んでるかもわからない数年間、絶対に生きている、見つけ出すと言って行動してきたジョバンナに、アントニオの母親も救われていた部分もあったと思うんですよ。長年信じてきた夫が別の国で妻子を持っていたというジョバンナのショックも女として理解できたでしょうし、年齢のこともあるし、息子に会いたい気持ちはあっても大っぴらには会えなかったと思います。
初見時のようにジョバンナやアントニオ、ロシアの妻の気持ちには寄り添えたんですが、母親のことが気になって初見時ほどは引き込まれなかったです…。
切ないメロディと一面のひまわり、ずらーっと十字架が並ぶ丘の風景が印象に残りました。

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「あゝ結婚」観ました

映画「砲艦サンパブロ」観た

砲艦サンパブロ
製作:アメリカ’66
原題:THE SAND PEBBLES
監督:ロバート・ワイズ
原作:リチャード・マッケナ
ジャンル:★ドラマ/戦争

【あらすじ】外国人排斥運動が激化する1926年、上海。現地に駐留するアメリカのボロ砲艦サンパブロ号にジェイク一等機関士が赴任する。艦内で働く中国人と揉めつつも、やがて友情が生まれるが、それは中国人や艦の仲間の反感を買い…。

マックイーンの作品に短いものはないのか、と思いつつ観賞。
重厚なドラマもよかったけど、砲艦の機関室がよかったです。自分は戦艦やら何やらに興味は無いと思っていたのに、妙に心惹かれるものがありました。ストーリーよりも、マックイーンがエンジンに自己紹介したり、パイプをカンカン叩いてるシーンが印象に残っていたり。ポーハンを新しいリーダーに育てようと、身振り手振りで機関室内を説明して回るところが一番好きです。
そして、彼と友情を深めるポーハン、フレンチーもよかった。とくにフレンチーのメイリーへのひたむきな愛情が印象的。やってることは身請けなんだけど、優しく穏やかな彼の態度から本物の愛情なんだと納得できました。
多くの登場人物が悲壮な最期を遂げるのが辛い…。

原題の意味はよそ様のサイトで読んだところ、砲艦の名前”サンパブロ”は聖人パブロ、つまり聖パウロのことで、オンボロ艦には立派すぎると船員たちが語呂合わせでつけたニックネームSand Pebbles (砂・小石)ではないかということです。また、Pebbleだけなら扱いにくい人という俗語もあり、主人公を示しているのかも。

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「アンドロメダ…」観ました

映画「大脱走」観ました

大脱走
製作:アメリカ’63
原題:THE GREAT ESCAPE
監督:ジョン・スタージェス
原作:ポール・ブリックヒル
ジャンル:アクション/戦争

【あらすじ】第二次大戦末期。新たに作られたドイツ北部第3捕虜収容所に、脱走常習者、連合軍空軍将校らが運び込まれた。彼らはドイツ軍兵力を割かせるため、大規模な脱走計画を企てる。全員協力し、隠れて地下トンネルを掘り続けるが…。

好きな作品だったんですけど、ちょうど頭がガンガンし始めた時でめちゃくちゃ長く感じてしまいました…。あと、スティーブ・マックイーンが苦手だと気付いたばかりだったのと、他の人の顔があまり覚えられなかったのもあると思います。

全体的に陽気な音楽が流れていて、収容所内の様子もどこかほのぼのしてましたね。実際はどの程度だったのかわかりませんが、歌に合わせてトンテンカンと金づちを振るうシーンなど脱走を楽しんでいるようでした。でも、物資調達はスムーズすぎて魔法のよう。あれはいくらなんでも無理だよね?
印象に残ったのは偽造屋さんのエピソード。彼を気遣って一緒に脱走してくれた人(名前わすれた…)の優しさにジーンとしました。いつの間にかこのふたりのことばかり応援してたんだけど、「もう少しでスイスだ」なんて嬉しそうに言うもんだから、死亡フラグ恐怖症のわたしはその時点で涙が…。その時の風景がやたらと素晴らしいのもニクイです。
あとは、ブロンソン演じるトンネル王ダニー。トンネルを掘る理由が明かされたときは、こういっちゃぁなんだけど可愛いと思ってしまいました。誰でも苦手なものはあるよね。
マックイーンのバイクはまあ格好いいんだけど(バイクを奪うシーンは酷すぎ!)、あそこまで派手に暴れて送り返されるだけで済んだのが不思議。ゲシュタポのもとに連行された人たちの事を考えると切ないです。

脱走が始まってからラストまでは息もつかせぬ展開なんですが、やはり元気な時に観るのが一番だと思いました。また何年かしたら観てみたいと思います。

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映画「フルメタル・ジャケット」感想

フルメタル・ジャケット
製作:アメリカ’87
原題:FULL METAL JACKET
監督:スタンリー・キューブリック
原作:グスタフ・ハスフォード
ジャンル:ドラマ/戦争

【あらすじ】海兵隊新兵訓練所。入隊してきた若者たちを待ち受けていたのは、情け容赦ないハートマン教官による”殺人マシーン”になるための過酷な訓練の日々だった。目をつけられた新兵パイルは、強烈なしごきにやがて精神に異常をきたし…。

海兵隊訓練所を描いた前半が凄かったですね。軍曹が普段聞かないような単語でまくし立てて内容を理解する暇がなかったけど、冒頭30分くらい訓練生の私的時間シーンがないので、凄まじい威圧感は伝わってきました。
その上、どんくさい”微笑みデブ”のせいで他の訓練生が罰を受けるようになってからは、募っていく不満が無言のうちにひしひしと伝わってきて不気味。
表情が一変してしまった”微笑みデブ”にもゾッとします。

ベトナムを舞台に移した後半は、なんというか自分でもびっくりするほど何も感じませんでした。不快感も興奮も恐怖も悲哀もなんにもないんですよね。あえて言うなら虚しさはあったかも?
まあ、わたしの精神状態がたまたまそんな感じだったのかもしれませんが(二日に分けて鑑賞)、わたしにはまだ早かったかなぁと思いながら観ました。
いちおう印象に残ったのは、ヘリからベトナム人を無差別に撃っていた男が、「よく女子供を撃てるな」と言われ「簡単だ、動きが遅いからな。戦争は地獄だ!」と答えていたこと。過去を忘れたかのように陽気に振舞っていたジョーカーが、胸に平和のバッヂ、帽子に「Born to kill」とあることを指摘され、”人間の二面性”だと答えたこと。あとは、ラストのミッキーマウス・クラブを歌いながらの行進ですね。
”微笑みデブ”がおかしくなった時も、軍曹が「ミッキーマウス・クラブのお祝いか?」と怒鳴ってたけど、なんでミッキー?

そんなこんなで、この作品をどう捉えどう受け止めればいいのかわからないまま観終えてしまったんですが、知らず知らずのうちに胸に重くのしかかるものが…。
今のところ、好きか嫌いかもわからない作品なので、気が向いたらまた観てみたいです。
ちなみに、タイトルのフルメタルジャケットとは鉛弾頭を銅合金などで覆った弾頭”完全被徹甲弾”のことで、心まで冷たい金属で覆われてしまった兵士のことも指してるとかなんとか…。

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映画「太陽に灼かれて」観ました

 | 戦争ドラマ  com(6) 
Tag:ロシア フランス 

太陽に灼かれて
製作:ロシア/フランス’94
原題:Утомлённые солнцем(仏:Soleil trompeur)
監督:ニキータ・ミハルコフ
ジャンル:★ドラマ/ロマンス

【あらすじ】1936年、スターリンが独裁体制を強化していた頃のモスクワ。ロシア革命の英雄コトフ大佐とその妻マルーシャのもとを青年が訪ねた。かつての恋人ミーチャとの10年ぶりの再会に喜ぶものの動揺は隠せない。娘ナージャは彼に懐くが…。

斜めの顔が描けなくて頑張ったわりに、どうみても東洋人になってしまいました。本物は100倍可愛い…というか今まで見た子役の中で一番可愛いです。そして、監督で主演のニキータ・ミハルコフの実の娘さんです。
そんな彼女と大佐の仲良し親子っぷりはほんと和みました。
他にも、ミーチャがヒゲの老人に変装してやってきたり、謎の火の玉や迷子の運転手がうろうろしていたりと、ほのぼの楽しい牧歌的な雰囲気で始まります。
しかし、拳銃をこめかみに当てるシーンや、突然の来訪者に対する皆の反応など張り詰めた空気もあって、いつ壊れてもおかしくないような儚い印象があるんですよね。
死のイメージを呼び起こすはずの戦車やガスマスクも登場しますが、何故か現実感のないものに映りました。そこに住む人々にとって、どこか他人事のような描き方だったからかもしれません。

そこに暗い影を持ち込むのがミーチャです。大佐、マルーシャとの三角関係もしだいに緊張感を増し、やがて彼の目的が明らかになります。
悲劇を前に、何も知らない幼い娘ナージャの無邪気な笑顔を見て、ミーチャと大佐は何を想ったのか?
…切ないです。

フランス語の原題の意味は「偽りの太陽」…だと思います。何故かサイトによって原題がまちまちなので、”Soleil trompeur”で合っているのかすら怪しい。

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映画「ディア・ハンター」感想

 | 戦争ドラマ  com(10) 

ディア・ハンター
製作:アメリカ’78
原題:THE DEER HUNTER
監督:マイケル・チミノ
ジャンル:戦争/ドラマ

【あらすじ】1968年ペンシルベニア州クレアトン。マイケル、ニック、スティーブンらは、平和な日々から離れベトナムに出征した。一度はベトコンの捕虜になるが、命からがら脱出する。だが、帰国したマイケルは、ニックがベトナムに残ったことを知り…。

はじめの日常パートから誰が誰だか把握できませんでした。
でも、出征の不安を内包した、どこか緊張感のある”幸せな日常”に緊張感が高まります。はやくこの作品に入り込みたくて、それはもう一生懸命に顔を見たんですが、戦場パートになっても見分けられず…。
ロシアンルーレットが怖かったのもあるけれど、なんだか悔しくて泣きそうになりました。

帰国後にマイケルを把握し、やっと落ち着いて鑑賞。
この時の彼には、酒場で「クソったれ」と言っていた軍人の気持ちがわかるんでしょうね。戦場を知らない者との間にある、深い深い溝が哀しいです。
終盤、マイケルが約束を果たしにサイゴンへ赴いてからは、ほんとうに胸が詰まる思いがしました。
「愛してる」の一言、ほんの一瞬みせるニックの表情。そして、マイケルの悲痛な叫びに涙が…。
ニックへの乾杯で終わる印象的なラストが余韻を残します。

映画「ケイン号の叛乱」観ました

ケイン号の叛乱
このブログにはイケメンが足りないと思った!
だが、気付くとおじ様を描いていた…。
製作:アメリカ’54
原題:THE CAINE MUTINY
監督:エドワード・ドミトリク
原作:ハーマン・ウォーク
ジャンル:★ドラマ/戦争

【あらすじ】第二次大戦中。若き海軍少尉候補生の乗る駆逐艦ケイン号では、新任艦長クィーグへの不満が高まっていた。そんな時、嵐でケイン号は艦隊からはぐれ、艦長が精神錯乱に陥ってしまう。緊急事態に副長らは艦長を解任させるが…。

主人公がマザコンのお坊ちゃんで恋人とどうたらこうたらと途中で入るのだけど、観終わってみるとそんな事はすっかり頭から抜けてました。クィーグ艦長がしだいに病的な性格を見せる過程や、その艦長からついに指揮権を奪うシーン、そして軍法会議で弁護士が冷静に彼を追い詰めていくところばかりが印象に残ってます。個人的にはちょっとだらしない前艦長が好きですが。(聞いてない?)
特に、誰もが言っている通りハンフリー・ボガートの演技は素晴らしいですね。一見、厳しい上官という感じだったのが、細かい事への異常な執着をみせ(イチゴ事件はある意味恐怖)、部下はみんな反抗的だと被害妄想を抱き、極めつけは非常時に臆病風に吹かれ…。こんなんが上官だったら恐ろしい!と思わずにはいられないダメ艦長を演じていました。
ただ、軍法会議を終えてから弁護士が酔っ払ってたのがよくわかりません。皆が艦長を追い詰めたとか言ってけど、先に皆を失望させたのは艦長だったような? イチゴ事件の前から反抗的だったのかどうか、よく思い出せません…。

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映画「ブラックボード 背負う人」観ました

 | 戦争ドラマ  com(0) 
Tag:イラン イタリア 日本 

ブラックボード 背負う人
製作:イラン・イタリア・日本’00
原題:TAKHTE SIAH
監督:サミラ・マフマルバフ
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】黒板を背負い、生徒を探して村々を歩く教師のサイードとレブアル。戦争終結でイラクの故郷へ戻ろうとする一団に出会ったサイードは、国境への道案内を引き受けた。一方、別の道を選んだレブアルは、闇物資を運ぶ子供たちと出会う。

衝撃を受けた作品でした。
黒板を背負った教師が生徒を求めて山道を歩いてゆくとか、鳥の羽ばたきで危険を察知して黒板の下に隠れるとか、最初からカルチャーショックの連続です。

二人の教師が出会う二つの団体は、どちらも生きるので精一杯で”そんな場合じゃない”と彼らを無視するんですが、彼らも次の村に行くまで食いつながなければならないので必死。
子供たちと出会ったレブアルは、読み書きができれば本が読めると交渉するけれど、「僕らはいつも逃げ隠れしてるから、座って本を読む暇は無いんだ」と言われてしまいます。でも、そんな状況でも”自分の名前を書いてみたい”という子供もいて、わずかな食料を分け与えて教えてもらおうとするんですよね。
下を向いて疲れた表情をしていた子供たちが、彼と勉強するようになってから見せる笑顔に感動がこみ上げます。子供が骨折し、黒板を割って当て木にするレブアルの姿にも心打たれました。

また、老人たちと出会ったサイードは、とにかく食糧確保のため一団に溶け込み、時間のある時に勉強を教える作戦に。くるみ数個のために黒板で病気の老人を運び、その娘と結婚もします。
結婚の儀式は黒板を挟んで誓いの言葉をかわす簡単なもの。最初に彼女に教えたのが「あなたを愛しています」という言葉なのが少し微笑ましい。
彼の父親が、何日か振りにやっとおしっこが出て幸せを感じるシーンも生き生き描かれていました。

戦争の爪痕と、そこにあるわずかな歓びの輝きを伝える作品だったと思います。

映画「地下水道」観ました

地下水道
ふたたび暗い穴の中へ…。
製作:ポーランド’56
原題:KANAL
監督:アンジェイ・ワイダ
ジャンル:★戦争ドラマ/サスペンス

【あらすじ】1944年、ポーランド。ソ連軍に呼応し、ポーランド国内軍はワルシャワ蜂起を開始した。だが、ドイツ軍の反撃にあい、壊滅的な打撃を受けてしまう。逃げ場を失ったレジスタンスたちは、決死の覚悟で地下水道へと逃げ込む。

恐ろしい映画でした。
地下水道からの脱出が大部分なんですが、暗闇と悪臭、入り組んだ道、足にまとわりつくような汚水、敵に見つかったら命はないという恐怖が、じっとり迫ってくるような感じがします。その暗闇に浮かぶ白い肌が美しいこと…。
やがて、悪臭を毒ガスだと騒ぎ散りじりになってしまう者や、耐えきれず外に出て撃ち殺される者、発狂してオカリナを吹きながらさまよう作曲家など、絶望的な状況に追い込まれてゆきます。

そんな中、負傷した恋人を支えて歩くデイジーは諦めようとしません。怪我人を支えて歩くなんて男でも辛いのに、出口を見つけても彼が登れないからと引き返してしまうほど。
彼女たちを待っているものもやはり絶望的な状況なんですが、最後まで彼のこころを支えるデイジーの強さに圧巻されました。
あの河の向こう岸に、彼らを見殺しにしたソ連軍がいたのでしょうか?
同じく諦めずに出口を探していた隊長の最後の決断も胸を刺すようです。

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映画「鏡の女たち」感想

 | 戦争ドラマ  com(0) 
Tag:日本 

鏡の女たち
製作:日本’02
監督:吉田善重
ジャンル:ドラマ/戦争

【あらすじ】夏来を生んですぐに失踪した娘・美和を、24年間探し続けていた川瀬愛。ある日、美和の母子手帳を持った女性がみつかったと連絡が入る。それは隣町に住む尾上正子という記憶喪失者だった。実の娘か確信を持てない愛だったが…。

すごいホラーな作品でした。
マイクで”きぃぃ~ん”となった時のような不安感を煽る音楽と、黒い服を着て重々しい喋り方をする不気味な女たち、そして薄暗い部屋と割れた鏡…。どうみてもホラーです。でもこの監督さんには何度も騙されているので、ホラーではないと自分に言い聞かせながら観賞しました。
失踪した娘がみつかったとかどうとかいう流れで始まり、じゃあどろどろの人間ドラマかと思いきや、突然”広島で米兵が被爆したことを取材したい”という女が現れます。まさかの反核映画でした。
たぶん、原爆によって何かを失ったのは当時の人たちだけじゃない、ということを言いたかったんじゃないかと思います。
しかし、どこをとってもホラー(もしくはサスペンス)映画にしかみえない演出で、反核について考えるより「なんでこんな演出???」とそっちに頭がいってしまいました。不謹慎な話ですが、愛が喋るだけで『何このひと、無駄に怖い』と笑いがこみあげてくる始末。とりあえず、教材には向かないと断言できます。
結局最後までこの調子で観てしまったんですが、この監督さんが女性を撮ると生霊みたいになってしまうので、あながちホラー映画といっても間違いではないかもしれない…と思ってしまいました。

映画「レ・ミゼラブル~輝く光の中で~」観ました

 | 戦争ドラマ  com(5) 
Tag:フランス 

レ・ミゼラブル~輝く光の中で~
読み:れみぜらぶるかがやくひかりのなかで
原題:LES MISERABLES
製作:フランス’95
監督:クロード・ルルーシュ
原作:ビクトル・ユーゴー
ジャンル:★ドラマ/文芸

【あらすじ】1939年、ドイツ占領下のフランス。父親は無実の罪で獄中で亡くなり、母親は後を追って自殺したという過去を持つアンリ。彼はユダヤ人一家の逃亡を助け、その旅の間に『レ・ミゼラブル』を読んでもらう。彼はその物語に感銘を受け…。

「レ・ミゼラブル」は原作を読んだことがなく、「ああ無情」と同じ物だと知ったのも高校生くらいで、1998年のビレ・アウグスト監督の作品でしかストーリーを知らない私が観賞しました。
「あれ、私の(かすかな)記憶とは違うなぁ」と思いながら観ていたら、レ・ミゼラブルをベースにした第二次大戦頃のお話だったんですね。まるでコゼットのように過酷な少年時代を過ごしたアンリが、ユダヤ人弁護士ジマンに「レ・ミゼラブル」を読んでもらった事で、ジャン・ヴァルジャンのように生きようと決意。そして、どんな苦難にも耐え、彼らを救おうとする…という内容です。
劇中劇が効果的に入るので原作を知らなくても観れますし、三時間という時間も気にならないテンポの良さでした。

好きなシーンは、寄宿学校に預けるよう頼まれた幼い娘サロメとの会話シーン。彼女を守ろうという親のような気持ちと、字を教えてくれて、彼からも学ぼうとする聡明で優しい彼女に、敬意を払う気持ちが見え、優しい気持ちになれます。
恐ろしかったのは、負傷したジマン氏を匿った農家の夫婦。奥さんが彼に拒まれたのをきっかけに、彼を監禁し続けようとします。終戦を知らせず、彼の財産を搾り取り、家族への手紙のせいでサロメが死んだと言い、ついには毒殺しようとし…。戦争によって生まれた影は、こんなにも簡単に人を狂わせてしまうのかと恐ろしくなりました。
他にも、戦争によって狂った人々に彼らは苦しめられ、それを観ているほうまで胸が苦しくなるんですが、ラストの皆の笑顔を見て救われる思いがしました。感動の大河ロマンです。

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映画「パリは燃えているか」観ました

パリは燃えているか
読み:ぱりはもえているか
原題:PARIS BRULE-T-IL?(仏)、IS PARIS BURNING?(米)
製作:フランス/アメリカ’66
監督:ルネ・クレマン
原作:ラリー・コリンズ ドミニク・ラピエール
ジャンル:戦争

【あらすじ】1944年8月。独軍占領下のパリではレジスタンスが一斉蜂起のタイミングを計り、連合軍の到着を首を長くして待っていた。一方、ドイツ軍司令官コルティッツ将軍は、正気を失ったヒトラーに撤収時にパリを破壊するよう命じられる。

以前感想を書いた「まぼろしの市街戦」で、”北フランス寒村から撤退するドイツ軍が、嫌がらせに時限爆弾を仕掛けていく”というのに状況が似てると思いながら観賞。あの作品では”戦争をする人間は狂っている”と訴えていたので、なんとなくそういう目でみてしまいました。
レジスタンス内での派閥争いや、市街戦に突入してからの市民の目(最終的には犠牲者約1500人出したのに、解放間近で嬉しさが隠し切れないというか、ハイになっているというか…)、そしてもちろん「パリは燃えているか!」というヒットラーの叫びなど。やっぱり、狂わなきゃやってられないんだなぁという感じ。
また、「パットン大戦車軍団」を観た時は”戦場でしか生きられない男”に見えたパットンが、レジスタンスに救いの手を差し伸べるシーンを見たとたん”戦場では頼りになる男”に感じられたり(笑) 実際にはこんな好意的じゃなかったらしいけどね。
解放後、無条件降伏したコルティッツ将軍が、民衆に囲まれリンチされそうになっていたのも恐いです。その後、彼はパリを救った英雄として名誉パリ市民号を受けたけど、ナチス協力者たちは民衆の餌食にななりました。
中盤、駅で一人の男が殺されたシーンの、悲鳴のような汽笛が耳から離れません。

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映画「攻撃(こうげき)」観ました

攻撃
原題:ATTACK!
製作:アメリカ’56
監督:ロバート・アルドリッチ
原作:ノーマン・ブルックス
ジャンル:★戦争ドラマ

【あらすじ】1944年ベルギー戦線。中隊長クーニー大尉が臆病風に吹かれ、小隊を見殺しにした。上官バートレットに訴えても、彼はクーニーの父親のコネ目当てに責任を追及しない。怒ったコスタは、今度同じことをしたら殺すと彼を脅すが…。

コスタの憎悪と執念のこもった表情が印象に残りました。
作戦とも言えないような作戦を立て、いざとなると「小隊一つのために中隊を危険に晒せるか」と見殺しにしてしまう上官。そんな上官に従わなければならない不条理。そんな無能な人間を指揮官に据えてしまう”家柄”重視の軍組織。
こういう”組織の腐敗”は戦争に限らず、あらゆるところで蔓延しているものなので、ただの戦争映画では終わらず、広く訴える作品だと思います。

クーニーやバートレットの憎たらしさ、コスタの迫力、彼らの板ばさみになっていたウッドラフの最後の決断…。
なんとも力強い作品でした。

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映画「イノセント・ボイス 12歳の戦場」観ました

 | 戦争ドラマ  com(0) 
Tag:メキシコ 

イノセント・ボイス 12歳の戦場
読み:いのせんとぼいすじゅうにさいのせんじょう
原題:VOCES INOCENTES
製作:メキシコ’04
監督:ルイス・マンドーキ
ジャンル:★ドラマ/戦争

【あらすじ】1980年代、政府軍と農民組織FMLNとの激しい内戦が続くエルサルバドル。遊び盛りの少年チャバは、学校に通い友だちと楽しい時間を過ごす一方で、銃声に怯え眠れぬ夜を送っていた。そして政府軍が徴兵にくる12歳は間近に迫り…。

脚本のオスカー・トレスの少年時代の体験がもとになった作品。
私には衝撃が強すぎたのか、観た後具合が悪くなり、しばらく動けなくなってしまいました。
本当なら、「こういう出来事があったということを決して忘れてはいけない」と言いたいところですが、思い出すのも辛くて私には無理なようです。
なので、”戦争で多くの子供たちが犠牲になっている”ということと、”この映画を観て具合が悪くなるほど辛かった”ということ以外は、記憶から消去したいと思います。
というか、すでに”思い出そうとしても、頭がそれを拒否してる”状態なんですよね。(防御反応ってすごいなぁ)

とまあ、私はこんななんですけど、広く観られるべき作品だと思うのでご紹介しました。
ただ、私のように感情移入しやすいタイプは覚悟が必要です。

映画「まぼろしの市街戦」観ました

 | 戦争ドラマ  com(9) 
Tag:イギリス フランス 

まぼろしの市街戦
読み:まぼろしのしがいせん
原題:(仏)LE ROI DU COEUR(英)KING OF HEARTS
製作:フランス/イギリス’67
監督:フィリップ・ド・ブロカ
ジャンル:★コメディ/戦争

【あらすじ】第一次世界大戦下フランス。英軍を街ごと爆破するため、独軍は街に時限爆弾を仕掛けた。フランス語が堪能な伝令兵プランピックが爆弾撤去に向かうが、街は避難した住人の代わりに逃げ出した精神病患者で溢れていて…。

爆薬の知識も持たない通信兵が決死の覚悟で任務につくが、街は病院から抜け出した患者たちが思い思いの”役”を演じて、愉快で楽しいまぼろしの日常をつくりあげていた…というお話。
敵兵の目を誤魔化すため”ハートの王”と名乗り患者を装ったことや、病棟の鍵の閉め忘れで始まったことなのに、主人公は街の人々が患者だとしばらく気付きません。彼らに”ハートの王”に祭り上げられて初めて気付くんですが、すでに間違った伝令を送ったあと。そのせいで、このファンタスティックな空間に軍人たちが入り込んできます。

サーカスの動物たちが歩き回り、患者たちは好きな自分になって遊び、ハートの王の婚約者は綱渡りで会いにくる…。そんな夢の世界の”王”であり、殺伐とした世界の”軍人”でもある主人公は、しだいに患者たちの側に溶け込み、”外の世界”がいかに狂っているかに気付きます。
主人公と街の外に逃げるのを拒むシーンや、フランス軍の到着をみて”たっぷり遊んだからもう帰ろう”と病院へ戻っていくシーンはなんとも物悲しく、楽しく優しさに包まれたカーニバルが終わってしまったのだと痛感させられました。
ラストの主人公の決断にはほっとするものの、そこにしか救いがないというのが切ないです。

映画「ミニヴァー夫人」観ました

ミニヴァー夫人
読み:ミニヴァ―ふじん
原題:MRS. MINIVER
製作:アメリカ’42
監督:ウィリアム・ワイラー
原作:ジャン・ストラッサー
ジャンル:★ドラマ/戦争

【あらすじ】1939年、ロンドン郊外に家族と暮すミニヴァー夫人。ある日、バラに「ミニヴァー夫人」とつけさせてほしいと駅長に頼まれ、こころよく了解する。だが大学から長男ヴィンが帰った日、村の名門ベルドン家のキャロルが頼みごとにやって来て…。

いわゆる戦意高揚映画だそうです。確かにラストの牧師の演説は違和感がありますが、予備知識なしで観たので素直にベルドン夫人との交流と家族ドラマに感動しました。
無駄遣いを夫婦で打ち明けあったり、花の品評会を楽しみにしていたりと幸せな日常から始まり、しだいに戦争に脅かされていく過程が丁寧に描かれています。その不安感は観ている側にも伝わってきて、まだ戦争の怖さを理解していない幼い息子が「もう戦争終わっちゃったの?」「まだよ。」「よかった~」と話しているシーンでは、母親の気持ちを考えると泣きそうになりました。

そして、深く心に残ったのはやはり日常生活の部分。
大学で社会主義に目覚めたヴィンと、祖母のため駅長のバラの出品を諦めさせてほしいと頼みに来たキャロルとの、口論から始まった恋。祖母であるベルドン夫人は相手が平民だと言って反対しますが、二人の強い想いやミニヴァー夫人の説得からついに結婚を認めます。やがて迎えた品評会の日、審査員の決定を覆して駅長のバラ「ミニヴァー夫人」に一等を贈るくだりは感動的です。
わたし的には、ここで終わっても良いと思えるくらい好きなシーンです。

再見追記<2017/06/28>
内容をほとんど忘れていたので再見。
冒頭の物欲に流される夫婦に「あれ、こんな人たちだっけ?」と思ってしまったり。そういえばブルジョア家庭の話でした。
つまり一般的なブルジョア家庭の平和な日常がコレということか。戦争が始まるかもしれないという時期に、つい現実逃避したくなったのかもしれないけど。
前半で印象に残ったのが次男とにゃんこの可愛さでした。演技なのか素なのか、子供らしい言動と無邪気な笑顔に癒されます。にゃんこが大好きで避難する時も一緒で可愛さ倍増。
この次男の可愛さと、長男と貴族の孫娘のロマンスがあるので、ミニヴァー夫人の良妻賢母っぷりが際立ってました。
長男と旦那が出動?してる時に負傷したドイツ兵と遭遇したくだりで、ミニヴァー夫人は彼を”敵”というよりは息子と同じように戦っている兵士として見ているのに対し、ドイツ兵の方は明らかに裕福な暮らしをしていたミニヴァー夫人を”憎むべき敵”として認識するところは考えさせられます。
でも、身分に関係なく町の人たちが亡くなって「一致団結して戦おう!」に繋げるあたりプロパガンダ作品だなぁとしみじみ…。
やはり、バラの品評会で実際のバラを見たら心に嘘をつけなくて、駅長のバラに一等を贈るくだりが一番映像的にも物語的にも美しいと思います。そこで終わってもいいけど、でもさすがにこれだけだと戦争の恐ろしさを伝えきれてないからなぁ…。

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映画「誰がために鐘は鳴る」観ました

 | 戦争ドラマ  com(6) 

誰がために鐘は鳴る
平和でも常に麺棒を装備してそう。
読み:たがためにかねはなる
原題:FOR WHOM THE BELL TOLLS
製作:アメリカ’43
監督:サム・ウッド
原作:アーネスト・ヘミングウェイ
ジャンル:★戦争ドラマ/ロマンス

【あらすじ】クーデターにより独裁軍事政権が開かれたスペイン。義勇軍に参加するアメリカ工作員ロベルトは、3日後の橋爆破作戦の準備を進める。そして、現地の協力者と合流した彼は、反乱軍に両親を殺された美しい少女マリアと出会うのだった。

始まりからして強烈でした。
赤黒い空を背に、負傷した相棒に殺してくれと頼まれ、追っ手が差し迫るなか苦渋の決断を下した主人公。戦争だから仕方がないと慰められても、「殺人は殺人だ」と自分の罪から目を背けることはありません。守るもののために冷酷であろうとする反面、もう戦いたくないという気持ちがあることを、彼の言動の端々から感じ取れました。
それは主人公に限ったことではなく、「戦争が終わったら誰も傷つけない」と言っていた案内係や、「今まで俺が殺した人間すべてが生き返って欲しい」と嘆いていた協力者の元リーダー・パブロなど、戦っている全てのひとに共通していたと思います。
特にパブロには思いのほか感情移入してしまい、戦いを拒んだだけで仲間たちに蔑まれ、裏切るかもしれないから殺してしまえと言われてしまう彼の孤独を考えると泣けてきました。
確かに彼は臆病風に吹かれていたかも知れませんが、だからといって仲間を売るような人間だと決め付けるのは悲しすぎます。そして、そんな風にパブロを見限った彼らも、仲間想いで戦争を憂える普通の人々なんですよね。
疑心がふくれあがり、仲間まで信じられなくなってしまう戦争を、改めて恐ろしいと思いました。
悲痛なラストに胸がつまります。

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映画「脱走大作戦」観ました

脱走大作戦
読み:だっそうだいさくせん
原題:THE SECRET WAR OF HARRY FRIGG
製作:アメリカ’68
監督:ジャック・スマイト
ジャンル:★コメディ/戦争

【あらすじ】1943年イギリス。連合軍の准将5名がイタリア軍の捕虜となるが、美しい未亡人の豪邸で破格のもてなしを受け、すっかり脱走する気をなくしてしまう。そこで、脱走常習犯の二等兵ハリーを少将に昇格し、救出のため送り込むのだが…。

最初から最後まで笑いっぱなしでした。
どいつもこいつも戦争なんて関係ないと言わんばかりの”ゆるさ”で、素敵な”収容所”で人畜無害なおじいちゃんになった准将たちが可愛らしいです。
元から軍人らしくなかったけど (ダメじゃんっ!) プライドだけは一人前で、同じ階級の奴の言うことなんて聞けるかと子どもの言い争いみたいになってしまうんですよね。そこに”少将”の肩書きを持ったハリーが現れ、びしっと変貌するところも微笑ましい…。
お前らどんだけ階級に弱いんだ(笑)
後半、脱走を決意したのに、友人(看守)が昇級するから1日延ばしてみたり。そのせいでちょっとヤバイことになってしまったりと、最後まで目が離せません。
今まで観た戦争もののコメディで、いちばん私好みの作品でした。

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