忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「狐の呉れた赤ん坊」観ました

 | 時代劇  com(9) 
Tag:日本 

狐の呉れた赤ん坊
製作:日本’45
監督:丸根賛太郎
原作:谷口善太郎、丸根賛太郎
ジャンル:★ドラマ/コメディ/時代劇

【あらすじ】気が荒く、暴れ者で酒飲みの”張子の寅”は、化け狐の退治に行き赤ん坊を見つける。化けの皮を剥いでやろうと連れ帰るが、その子は本当の捨て子だった。仕方なしに育て始めた寅だったが、やがて善太と名付けた子供の良き父親となり…。

ひょんなことから赤ん坊を育てる事になった男が父性に目覚めるというよくあるお話で、ベタなくらいの人情喜劇なんだけども、ストレートに心に響きました。いきなりいくけど、終盤の感動が半端なかったです。終盤の質屋の主人の一喝がすさまじく痺れる。
それまでの、寅が父性に目覚めていく過程や、それを温かく見守る子分たちの微笑ましい気遣い、居酒屋の看板娘の愛情、成長した善太の参勤交代ごっこのエピソードも、笑いと感動がちりばめられて本当に素晴らしいんですよ。
だからこそ「ならもう一度死んで来い!」という一喝できっぱり吹っ切れた寅の気持ちが手に取るようにわかるし、ラストの肩車をしながらの善太との約束や、看板娘の父親が「寅の刺青は消えた!」という粋な(結婚を認める)セリフで、思いっきり笑顔で泣けてしまうんですよね。
…つまり全てが良いと(笑)
にしても、まさかあの子が津川雅彦だったとは…。あんなに可愛らしい子供時代があったのかと驚いてしまいました(失礼)

■ Comment

コメントとTBありがとうございます。

>終盤の質屋の主人の一喝がすさまじく痺れる。

 同感!
 前に一度(死んだ)のが生きたなぁ!と、その時思いました。

>寅が父性に目覚めていく過程や、それを温かく見守る子分たちの微笑ましい気遣い、居酒屋の看板娘の愛情、

 恥ずかしながら、丸根賛太郎監督の名は初めて知りました。 山中貞雄監督の影響を受けて居られたとも伝え聞きました。
 そういえば作風が似ている気がして来るから不思議です。(笑)
「狐が呉れた赤ん坊」の居酒屋の看板娘に重なってきました。
 山中作品「河内山宗俊」で甘酒店の看板娘に扮した原節子さんが、、。

>にしても、まさかあの子が津川雅彦だったとは…。

同感です。
奇遇にも1月初旬に当地で、津川雅彦さんの講演会がありました。聴きに行く予定が急用で駄目になり残念でした。
2013/01/14 16:48  ascapapa〔編集

>ascapapaさん

いらっしゃいませ、コメントありがとうございます。

>  前に一度(死んだ)のが生きたなぁ!と、その時思いました。

上手い!
ホントよくできた映画でしたよね。物語としての感動と、作りの上手さに対しての感動を同時に味わえました。

> 「狐が呉れた赤ん坊」の居酒屋の看板娘に重なってきました。
>  山中作品「河内山宗俊」で甘酒店の看板娘に扮した原節子さんが、、。

わたしもこの監督は初でした。映画前後の解説で、山中監督の作品を思い出しながら観てしまいました。
甘酒店の看板娘!そう言われれば似てるかも。どちらも、少女のような可憐さと母性をもちあわせたような女性らしさあふれる役でしたね。

> 奇遇にも1月初旬に当地で、津川雅彦さんの講演会がありました。聴きに行く予定が急用で駄目になり残念でした。

それは残念でした…。この可愛らしい頃と現在、役者人生の深みを感じられそうです。
2013/01/15 07:42  宵乃〔編集

No title

宵乃さん、おはようございます
今晩BS3で放映される「神様のくれた赤ん坊」は「狐の~」をヒントにした作品とか。(弟が言うには)
残念ながら「狐の~」は未見で、宵乃さんの記事を読む限り余り似てないようですが、「神様~」の方は1980年頃観て、そこそこ面白かった記憶があります。
ご参考まで。

2013/01/29 09:23  鉦鼓亭〔編集

No title

すいません、追記です

1957年の「集金旅行」のリメークとも言われてるようです。(汗)
ロードムービーで、桃井かおりが初めていいと思った
作品。
渡瀬恒彦も、この頃が一番良かったかも。
2013/01/29 10:10  鉦鼓亭〔編集

>鉦鼓亭さん

情報ありがとうございます!
「神様のくれた赤ん坊」はタイトルが似てるなぁと録画しようか迷ってたんですよ。これをヒントに作られた作品だったんですね。

>ロードムービーで、桃井かおりが初めていいと思った作品。

迷ってた理由が、桃井さんがちょっと苦手だからなので参考になります。わたしも良いと思えるかな?
家族にドラマの録画は諦めてもらって(笑)、今夜録画してみます!
2013/01/29 12:53  宵乃〔編集

BSで見ました。

田村三兄弟の中では、田村高廣が一番阪東妻三郎似てますね。顔も声も。
そして

>まさかあの子が津川雅彦だったとは…。

そうなんですよ。どちらかと言えば長門裕之に似てますね。

>ラストの肩車をしながらの善太との約束や、看板娘の父親が「寅の刺青は消えた!」という粋な(結婚を認める)セリフで、思いっきり笑顔で泣けてしまうんですよね。

全く同感です!
喧嘩仲間とのふれあいもすごくいいです。

その後、テレビで田村高廣が阪妻と同じ役を演じたんですよね。
見れば良かった・・・・。
当時予告編だけ見ました。
2013/05/10 22:37  間諜X72〔編集

>間諜X72さん

> 田村三兄弟の中では、田村高廣が一番阪東妻三郎似てますね。顔も声も。

田村高廣の顔がわからなくて調べてしまいました。あ、このひとか~(笑)
っていうか、田村正和さんと兄弟だったんですね。そして、寅を演じた方の息子さんでしたか。ぜんぜん知らなかったので勉強になりました!

> そうなんですよ。どちらかと言えば長門裕之に似てますね。

あはは、おじいちゃんになってからの姿しか知らないので、どちらにしろビックリ仰天という感じです。

> 全く同感です!
> 喧嘩仲間とのふれあいもすごくいいです。

大団円で終わってすがすがしい感動がありました。寅の取り巻きの気遣いも面白かったですね~。

> その後、テレビで田村高廣が阪妻と同じ役を演じたんですよね。

お~、それは見てみたい!
予告編だけでも雰囲気がわかってよかったじゃないですか。TV映画ならともかく、ドラマだと見る機会はなかなかなさそうです。気になりますね!
2013/05/11 09:56  宵乃〔編集

ひちや?しちや?看板を思い出します。

>終盤の質屋の主人の一喝がすさまじく痺れる。

あの主人の存在もいいですよね。
この映画に厚みが出来ました。

それと関取。
寅が人形を割ってしまう。反省する。あの話もいいです。
関取を演じた阿部九州男。
顔・体格・声・喋り方がたけし軍団のガダルカナルタカに似ていてちょっと笑ってしまいました。

>田村高廣の顔がわからなくて調べてしまいました。あ、このひとか~(笑)
>っていうか、田村正和さんと兄弟だったんですね。そして、寅を演じた方の息子さんでしたか。ぜんぜん知らなかったので勉強になりました!

あの三兄弟を知らないと言うのは、宵乃さんが若い証拠ですよ。
逆に羨ましいです・・・・(苦笑)。

さて明日からまた仕事。お互いに頑張りましょうね!

イラストの寅。
この白黒映画の雰囲気が良く出ています。
2013/05/12 21:14  間諜X72〔編集

>間諜X72さん

> あの主人の存在もいいですよね。
> この映画に厚みが出来ました。

厳しくも温かく見守っている感じがホントステキでした。

> 関取を演じた阿部九州男。
> 顔・体格・声・喋り方がたけし軍団のガダルカナルタカに似ていてちょっと笑ってしまいました。

そうそう、人形のエピソードも良かったですね~。
タカさんに似てましたか(笑)
ちょっと顔は思い出せませんが、そういうのに気付いてしまうと内容に関係なく笑えてきたりする気持ち、わかります。

> あの三兄弟を知らないと言うのは、宵乃さんが若い証拠ですよ。
> 逆に羨ましいです・・・・(苦笑)。

あはは、わたしの場合、芸能人全般をあまり知らないんです。最近はとくにTV番組を観なくなってしまって。

> イラストの寅。
> この白黒映画の雰囲気が良く出ています。

ありがとうございます。記憶の中では、”張り子の寅”一人と一個、カラーで思い浮かぶのが不思議です。
それでは、今日も一日頑張りましょう♪
2013/05/13 07:33  宵乃〔編集
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狐の呉れた赤ん坊
     これは終戦の年に撮られた映画というのが強印象。どうしても思いは終戦前後に翔ぶ。  ♪~エンジンの音~轟々と~隼は行く~雲の果て~(以下略)♪。今も忘れ得ぬ「加藤
八十路STUDIO|2013-01-14 16:40
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