映画「サーカス(1928)」観ました

原題:THE CIRCUS
製作:アメリカ’28
監督:チャールズ・チャップリン
ジャンル:★コメディ
【あらすじ】知らぬ間にスリの片棒を担がされ、警察に追われているうちにサーカスのテントに迷い込んだ放浪者チャーリー。期せずして退屈していた観客たちを楽しませ、大道具係として入団する事に。彼は団長の娘に恋をするが、彼女は新しく入団した綱渡り師に夢中で…。
どうも、新年早々あけおめイラストを描こうとして挫折し、なかったことにして普通に感想記事をアップした宵乃です。だめだめですが、今年もよろしくお願いいたします。
というわけで、今年の第一弾はまたしてもサイレント映画で「サーカス」。期待通り、すっごい面白かった~!
最初っからチャップリンの世界全開です。赤ん坊の食べ物をこっそり食べてたら、いつの間にか赤ん坊に食べさせてもらっていたり、警官と追いかけっこする中で、仕掛け時計の人形に紛れて華麗なパントマイム。ミラーハウスでの追いかけっこは定番なものの、やっぱり彼がやってると一味違います。見てると自然と笑顔になれるんですよね~。
サーカスに紛れ込んでからは本領発揮。天然でお客さんのハートをバッチリ掴むという演技が、本当に天然に見えてしまいます。独特の動きはまさにピエロなんだけど、”チャップリンは普段からこういうもの”と刷り込まれているみたい(笑)
何故か馬に嫌われていたり、本物の(!)ライオンの檻に閉じ込められたり、後半のおっかなびっくり綱渡りシーンでは、笑いつつもハラハラドキドキしてしまいました。
サーカス娘への恋心も、見ていて応援したくなっちゃうんですよ。まさしく恋をしてますって感じに舞い上がる心、ときめきを、動きや表情で伝えてくれます。ポールに登って「ほらほら!」とおどけて見せたり、両腕を羽のように動かしてすべり降りてくるのが可愛かった!
そこへ、ハンサムな綱渡り師が登場して一変。落ち込んだり嫉妬もするんだけど、想像の中で綱渡り士をこてんぱんにやっつけたり、自分も綱渡りの練習をしたりするところがまた健気で…。
最後の最後まで彼女を笑顔にしようと努力する姿にホロリとしました。
彼のサーカスが終わって、ぽつんとひとりたたずむラストが切ない余韻を残します。
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■ Comment
>今年もよろしくお願いいたします。
こちらこそ今年も相変わらず、どうぞよろしくお願いいたします(ペコリ)。
>というわけで、今年の第一弾はまたしてもサイレント映画で「サーカス」。
おぉ~! 鑑賞されましたか~!!!
>期待通り、すっごい面白かった~!
>最初っからチャップリンの世界全開です。以下・・・
>見てると自然と笑顔になれるんですよね~。
ハイ、もう仰る通りで、理屈抜きです「見て」「楽しめます」よね~♪
>サーカスに紛れ込んでからは本領発揮。以下・・・
>本当に天然に見えてしまいます。
>”チャップリンは普段からこういうもの”と刷り込まれているみたい(笑)
見抜いていらっしゃるって感じです☆
>何故か馬に嫌われていたり、本物の(!)ライオンの檻に閉じ込められたり、後半のおっかなびっくり綱渡りシーンでは、笑いつつもハラハラドキドキしてしまいました。
あのライオンのシーンはもうマジ・ドッキドキですね~♪
>サーカス娘への恋心も、見ていて応援したくなっちゃうんですよ。
どうなるのか分かりそうなのに、応援したくなります!
>・・・可愛かった!
>また健気で…。
>最後の最後まで彼女を笑顔にしようと努力する姿にホロリとしました。
こういう感覚が、なんとも言えない味を出しているのですよね~。
今の時代では「からかい」や「苛め」の対象になりかねない全てが、
可愛くて、健気で、温かいのですよね~☆
>彼のサーカスが終わって、ぽつんとひとりたたずむラストが切ない余韻を残します。
あのラストシーンは、多分、映画史上に残るいくつかのラストシーンのうちの
ひとつに数えられると思います。
それはいくら時間が経っても変わらない、
人間の感情の普遍性を現わしているからではないでしょうか???
***********************
ところで「月世界旅行」のイラストの色の件ですが、
私の目と脳には、あの白色のイラストが焼き付いているのです。
もちろん今の薄い黄色の方が良いけれども、
私的には、どなた様にも見えなかった(作者にも?)その色合いが
いつまでも見えるから、きっと映画の神様がそうして下さったのだと思い、
素直に自然に、有難く受け止めさせて頂こうと思っています。。。
2013/01/02 20:42 miri〔
編集〕
あけまして おめでとうございます
「サーカス」>回転台?でチャップリンと警官の追いかけっこ。
チャップリンの走る姿が陸上選手のように美しかった。
そこへ「可笑しみ」を加えてるんですから、流石です。
最後はチャップリン独特の「ペーソス」溢れるエンドで、
今観ても、充分、印象に残る作品だと思います。
いらっしゃいませ、今年も思いっきり映画の話をしましょう♪
今年初めの作品にふさわしい面白さでした。チャップリンはいつまでも人々を楽しませてくれる真のエンターテイナーですよね!
> 見抜いていらっしゃるって感じです☆
わたしなんかまだまだですよ~。これからもっと彼の作品を観ていきたいです!
> こういう感覚が、なんとも言えない味を出しているのですよね~。
> 今の時代では「からかい」や「苛め」の対象になりかねない全てが、
> 可愛くて、健気で、温かいのですよね~☆
ホントそうなんですよね~。チャップリンの親しみやすさはこういうところにあるんだとわかりました。人間の愛すべき面を凝縮したような感じでした。
> それはいくら時間が経っても変わらない、
> 人間の感情の普遍性を現わしているからではないでしょうか???
観る前はそんな有名なラストシーンだとは知らなかったんですが、観終わってそれを知って納得しました。本当にいつの時代のどこの国でも伝わると思います。
> ***********************
>
> 私的には、どなた様にも見えなかった(作者にも?)その色合いが
> いつまでも見えるから、きっと映画の神様がそうして下さったのだと思い、
> 素直に自然に、有難く受け止めさせて頂こうと思っています。。。
心の目で見たのかもしれませんね~。色は観る人があってこそですし、それぞれの色があっていいと思います。
あのイラストを目と脳に焼き付けて下さってありがとうございます!
あけましておめでとうございます!
追いかけっこの楽しさは堪能したけど、走る姿にまで注目してませんでした。パントマイムや綱渡りまでやってしまうくらいだから、何気に運動神経がいいんでしょうね。今までそんなイメージ持ってませんでした!
> そこへ「可笑しみ」を加えてるんですから、流石です。
ホント計算しつくされてますよね。
> 最後はチャップリン独特の「ペーソス」溢れるエンドで、
> 今観ても、充分、印象に残る作品だと思います。
あのラストは目に焼き付いちゃいました。今ぱっと思いつくラストシーンは「シェーン」「パピヨン」「地下水道」「十二人の怒れる男」くらいなんだけど、新しくこちらが加わりそう。
多くの人に見てほしい作品です!
棒を持って綱渡りをするチャップリンを猿が妨害する。
映画評論家の水野晴郎さんが絶賛していました。
「撮影当時のチャップリンが、そうでした。
苦しい時に限って借金取りやら何やらが彼を苦しめたんです。」
それが今でも脳裏に残っています・・・・。
2013/01/24 21:37 間諜X72〔
編集〕
いらっしゃいませ、コメントありがとうございます!
綱渡りの時のお猿さんは可愛かったですよね~。動物いっぱい登場する中でも馬と猿は印象に残ってます。
> 映画評論家の水野晴郎さんが絶賛していました。
> 「撮影当時のチャップリンが、そうでした。
> 苦しい時に限って借金取りやら何やらが彼を苦しめたんです。」
そうだったんですか~。そんな状況でたくさんの素晴らしい作品が生まれていったんですね。ピンチをチャンスに変える才能でしょうか?
映画を撮る事を本当に楽しんでいたんだろうな~。
宵乃さんのイラスト。いいですね。チャップリンの軽やかなアクションが目に浮かぶようです。
>ポールに登って「ほらほら!」とおどけて見せたり、両腕を羽のように動かしてすべり降りてくるのが可愛かった!
本当に応援したくなりますよね!
>ぽつんとひとりたたずむラスト
彼もサーカスの一座と一緒に行くのかと思ったら行かない。一人だけ残る。ポスターをクシャクシャと丸めて蹴ってヒョコヒョコ歩いて去って行く。悲しくて切ないラストでした・・・。
2014/02/27 07:01 間諜X72〔
編集〕
間諜X72さん、コメントありがとうございました。
体調を崩してしまい、返信遅れてごめんなさい!
> 宵乃さんのイラスト。いいですね。チャップリンの軽やかなアクションが目に浮かぶようです。
いつもイラストにもコメントありがとうございます♪
なんといってもチャップリンの技の数々と、ラストが見どころの作品ですからね。
楽しそうに演じる彼の曲芸の軽やかさが伝わったようで嬉しいです。
> 彼もサーカスの一座と一緒に行くのかと思ったら行かない。一人だけ残る。ポスターをクシャクシャと丸めて蹴ってヒョコヒョコ歩いて去って行く。悲しくて切ないラストでした・・・。
本当に印象的なラストでした。
こんな切ない終わり方をするとは思ってもみなかったです。
さすが名優であり名脚本家であり名監督でもあるチャップリンです!