忘却エンドロール

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映画「三人の名付親」観た

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Tag:ジョン・フォード 

三人の名付親
原題:THREE GODFATHERS
製作:アメリカ’48
監督:ジョン・フォード
原作:ピーター・B・カイン
ジャンル:★西部劇/ドラマ

【あらすじ】西部のならず者三人組、ボブ、ピート、キッドは、銀行襲撃に失敗し灼熱の砂漠に逃亡した。保安官スイートの追撃を受け、三人は水を求めて砂漠をさすらう。そこで、身重の女を乗せた幌馬車を発見した彼らは、水がほとんどない状況で赤ん坊を託され…。

タイトルとはかけ離れた展開からはじまって、どうなるのかと思ったけど、なかなかの異色西部劇でした。
冒頭で、姪夫婦と出会わなかったか保安官の妻にたずねられるんですが、その姪夫婦が起こした不幸な事故がきっかけで、三人は赤ん坊を世話することになるんですね~。見事な展開です!
ここにたどり着くまでの間に、この三人が根っからの悪人ではないことがしっかり描かれているので(超がつくほど仲間想い)、生き残った赤ん坊を守ろうという流れにも違和感ありませんでした。…まあ、なんでそんな奴らが強盗なんて、と考えると変ですが(笑)
赤ん坊の世話なんてしたことがない彼らが、水がほとんどない状況の中、育児指南書や聖書を片手に、赤ん坊にグリースを塗ったり、サボテンを搾ったり、子守唄を歌ったりする姿がほほえましい。
後半は宗教色が強いものの、すっかり父親の顔になってしまった彼らの魅力と、赤ん坊の将来を考えるにつれ自分の生き方を見直す心理描写、砂漠でのサバイバルの緊張感で、ぐいぐい引き込まれました。
ただ、ラストは時代的なものなのか、ジョン・ウェインだけいいとこ持ってきすぎなのが気になっちゃいましたね~。別にロマンスの予感とかいらなくない?
三人の友情を胸に、この子を立派に育てるぞと空に誓うような感じで良かったような。母親に誓った時みたいに。

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■ Comment

こんにちは。

コメントとTBありがとうございました。

 宗教色の強い映画でしたね。同感です。
 特にラスト…。
 ジョン・ウェインだけが美味しい役なのは、ハリウッド・スター・システムの時代でしたから、なるべくして、なった展開ではないでしょうか?。
 そうだとすれば、その分だけ作品レベルが稍下がるのはやむを得ない気もします。
2012/11/03 17:37  ascapapa〔編集

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2012/11/03 20:07  

>アスカパパさん

いらっしゃいませ、コメントありがとうございます。

>  ジョン・ウェインだけが美味しい役なのは、ハリウッド・スター・システムの時代でしたから、なるべくして、なった展開ではないでしょうか?。
>  そうだとすれば、その分だけ作品レベルが稍下がるのはやむを得ない気もします。

そうなんですよね~。スターがいいとこ取りは当然って感じでした。最後に仲間二人を思い返すシーンくらいほしかったものです…。
2012/11/04 11:30  宵乃〔編集

こんにちは☆

この映画を見ました☆
何回もスルーしたけど(ジョン・フォードとジョン・ウエインなので)
やっと見る気になって、初見です。

それにしても、胸を打つイラストですね!
右の白い月もちゃんと描かれていて、素晴らしいです!

>なかなかの異色西部劇でした。
>その姪夫婦が起こした不幸な事故がきっかけで、三人は赤ん坊を世話することになるんですね~。見事な展開です!
>ここにたどり着くまでの間に、~生き残った赤ん坊を守ろうという流れにも違和感ありませんでした。

はい、仰る通りでした、ジョン・フォードも(ヒッチは、と思うように)
本当に映画の作り方が分かっていて、お上手な監督さんです☆

>…まあ、なんでそんな奴らが強盗なんて、と考えると変ですが(笑)

ここですよね~引っかかるんだけど、そこを強く感じさせないうまさです。

>赤ん坊の世話なんてしたことがない彼らが、~りする姿がほほえましい。
>後半は宗教色が強いものの、~赤ん坊の将来を考えるにつれ自分の生き方を見直す心理描写、砂漠でのサバイバルの緊張感で、ぐいぐい引き込まれました。

この映画は2回場面転換があって、あの馬車を見つけてから酒場でひっくり返るまでは悪く言えば「宗教映画」になってしまっていました。

でも、それが、押しつけがましくなく、一番若い彼が身体がもうダメと分っていても、赤ん坊を離さなかったのは、それが自分の唯一の生きる道と分かっていたからでしょうし、

2人目のインデイオの彼との別れのシーンも、お互いに分かっていても口には出さない・・・そうすべきと。

そして酒場まで頑張れたのは、目に見えない彼らが身体を押したことは間違いなく、あそこでウエインを殺していれば、また違った評価になったかもしれませんね?

>ただ、ラストは時代的なものなのか、ジョン・ウェインだけいいとこ持ってきすぎなのが気になっちゃいましたね~。別にロマンスの予感とかいらなくない?

もう、サイテーのハリウッド痛快娯楽西部劇になってしまいました(笑)。

>三人の友情を胸に、この子を立派に育てるぞと空に誓うような感じで良かったような。母親に誓った時みたいに。

でもまあ、ここまでいくと、公開当時のお客からは辛気臭いと思われたのではないでしょうか?(戦争に勝ったばっかりで浮かれていたアメリカ人)

今現在に作られるなら、宵乃さんの書かれたとおりになると思います。
マジ、ロマンスの予感、町中で刑務所へ見送る・・・ないない(笑)。


.
2020/06/19 09:04  miri〔編集

>miriさん

いらっしゃいませ、いつもコメントありがとうございます。
最近は映画を見たい時にテレビが空いてないという状況が続いていて、なかなか見られてません。今は「心の旅路」をちょこちょこ見てるところです。

> それにしても、胸を打つイラストですね!
> 右の白い月もちゃんと描かれていて、素晴らしいです!

ありがとうございます。自分でも驚きますね。今じゃここまで細かく描く気力はないかも(汗)

> ここですよね~引っかかるんだけど、そこを強く感じさせないうまさです。

仲間想いな彼らのことだから仲間の一人が金銭的にのっぴきならない状況だった可能性もあるかも?

> でも、それが、押しつけがましくなく、一番若い彼が身体がもうダメと分っていても、赤ん坊を離さなかったのは、それが自分の唯一の生きる道と分かっていたから

そうそう、押しつけがましくなかったですよね。内容が同じでも監督の腕によっては鑑賞者の受ける印象は大きく変わっていたと思います。

> そして酒場まで頑張れたのは、目に見えない彼らが身体を押したことは間違いなく、あそこでウエインを殺していれば、また違った評価になったかもしれませんね?

そこら辺はよく覚えてませんが、感想を読む限りここまでは納得できる展開だったみたいですね。ラストは…ジョン・ウェインの出演作だなぁという感じで(笑)
正直、なんでこのおっさんがいつもモテモテなんだろうと不思議です…。

> でもまあ、ここまでいくと、公開当時のお客からは辛気臭いと思われたのではないでしょうか?(戦争に勝ったばっかりで浮かれていたアメリカ人)

それはありそうです。映画を見てると、時代や場所によって求められるものが違うというのがよくわかりますね。
2020/06/20 08:15  宵乃〔編集
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