映画「ブラジルから来た少年」観た

原題:THE BOYS FROM BRAZIL
製作:イギリス’78
監督:フランクリン・J・シャフナー
原作:アイラ・レヴィン
ジャンル:★サスペンス/ミステリー
【あらすじ】アウシュビッツ収容所で死の天使と言われたメンゲレ博士が、ナチスの残党と共にある計画を発動した。それは、アメリカとヨーロッパにいる、94人もの人物を殺害する、というものだった。彼らの動きを追っていた青年は、危険を冒してナチハンター、リーバーマンのもとに情報を送るが…。
ブラジルから来た少年のハートフルな物語を想像して観たらぜんぜん違って、ひやっとする良質サスペンスでした。最初はほんのりコミカルなんだけども、主人公と一緒になってミステリアスな事件を追っていくうちに、次第に怖い展開になっていってぐいぐい引き込まれます。
途中で先は読めてくるものの、その陰謀は製作当時より現実的になっている現代の方が恐ろしく感じるんじゃないでしょうか。
その上、「アラバマ物語」のグレゴリー・ペック演じる、冷酷なメンゲレ博士(公開当時まだ生きていた実在の人物)が地味に怖くって…。自分の命が危険になると恐怖に怯えるくらいなので映画的にはイカレてるという程ではないものの、計画のためなら人の命など省みない冷酷さ、ナチスが復活した未来を嬉々として語る姿は、やはり怖いです。「アラバマ物語」の面影はいづこに?
あと、イラストにも描いたシーンが素晴らしいですね。真相に気付いた時、「あぁ!」と思わず納得のシーンでした。どこか不安を煽る彼の微笑みが印象的。
劇場未公開なんてもったいないです。
<2019/07/24再見>
字幕フルバージョンで再見。初見時感想では「序盤はほんのりコミカル」と書いてましたがそうでもなかったですね…。初見は吹き替えだった気がするし水漏れのシーンが印象に残ってたのかな?
ナチス残党を嗅ぎまわる青年、恐ろしい計画を実行に移そうとしている死の天使、そして電話の向こうで起こった殺人と序盤から引き込まれる展開でした。
手がかりは「アメリカやヨーロッパにいる約65歳の公務員94人が暗殺のターゲット」だということだけ。昔の知人の力を借りつつ一人ひとりそれらしき人物を訪ねていくと、ある共通点が浮かび上がってきて…。
鑑賞者は主人公とほぼ同じ情報しか与えられないので、この共通点がわかった時にやっと計画の怖さがわかるんですよね。少年役の子がはまり役だったのもあって、ラストの”どう転ぶかわからないハラハラ感”もなかなかでした。
老人同士の取っ組み合いは映画としては地味だったので、ドーベルマンや危うげな少年を上手く使って盛り上げていたと思います。
しかしあの写真を見て笑うラスト、どちらかというとシリアルキラーとかになりそう(汗)
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■ Comment
『ブラジルから来た少年』
いいですねぇ。
グレゴリー・ペックの演技も含め
後半の不安を残させる展開が好きでした。
原作もおもしろいので
機会があったら、読まれてみてください。
2012/09/13 19:36 きみやす
お~、きみやすさんの知ってる作品でしたか!
浦沢直樹の作品を思い出したりしました。実際にありそうなところが怖いですよね。
グレゴリー・ペックの悪役っぷりも、「アラバマ物語」の彼しか知らない人にはとても見せられない感じです(笑)
> 原作もおもしろいので
> 機会があったら、読まれてみてください。
原作者さんは「ローズマリーの赤ちゃん」も書いたひとですね。
いつか読んでみたいです!
12月にオンエアがあって、やっと見られました。
タイトルは昔から知っていたので・・・。
良い映画でしたね!
>イラストのシーンが素晴らしいですね。真相に気付いた時、「あぁ!」と思わず納得のシーンでした。
仰るとおりですが、イラストそのものが、素晴らしい!
>どこか不安を煽る彼の微笑みが印象的。
宵乃さんの鑑賞されたのは、ラストシーンが彼のシーンでしたか?
一部セルソフトは違うらしいので・・・。
>主人公と一緒になってミステリアスな事件を追っていくうちに、次第に怖い展開になっていってぐいぐい引き込まれます。
オリヴィエさんの役柄が正反対のを数ヶ月前に再見したので
最初は信じられなかったけど、やっぱり名俳優は凄いですね、
やがて、全然気にならなくなりました。
明日、記事をアップしますので良かったらお願いします☆
今年は三日に一度を基本線にしようかな~?って思っています。
11日は「再見 飢餓海峡」の予定です♪
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2014/01/07 11:50 miri〔
編集〕
いらっしゃいませ!
この作品、結構有名な作品なのかな?
たまたまオンエアで観るまで全く知らなかったので、ネタバレもなく楽しく観られました。
> 仰るとおりですが、イラストそのものが、素晴らしい!
ありがとうございます!
鏡に映る奥の方はコピー・縮小・修正してはめ込んでますが、けっこう試行錯誤したので嬉しいです。
> 宵乃さんの鑑賞されたのは、ラストシーンが彼のシーンでしたか?
> 一部セルソフトは違うらしいので・・・。
ん~、どうだったかな?
ちょっと覚えてないですが、民放だったので一般的な方だと思います。
> オリヴィエさんの役柄が正反対のを数ヶ月前に再見したので
> 最初は信じられなかったけど、やっぱり名俳優は凄いですね、
> やがて、全然気にならなくなりました。
そちらでは元ナチ党員の役をやってらしたんでしょうか?
逆の立場をしっかり演じ分ける事ができるなんて、さすが名優さんですね。
刑事が犯罪者の心理をわかってしまうように、もしかしたら正反対だと逆につかみやすかったりして。
> 今年は三日に一度を基本線にしようかな~?って思っています。
のんびり自分に合ったペースでやっていくのが一番ですよね。
では、これから伺います♪
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