映画「ひばりの森の石松」観ました
製作:日本’60
監督:沢島忠
ジャンル:★時代劇/コメディ/ミュージカル
【あらすじ】晴れて憧れの清水次郎長の子分となったやくざ者・森の石松。やがて一目置かれるようになった彼は、次郎長の代参で金毘羅参りに旅立つ。だがその途中、命を狙われる丸亀藩の幼い盲目のお姫様を助け、石松は彼女を無事送り届けようと決意するが…。
美空ひばりが出てるのはわかってたけど、まさか彼女が森の石松を演じてるとは思いませんでした。冒頭では茶摘み娘に扮しており、仕事の合間に茶摘み娘たちに話して聞かせるという設定なんですね。女だと忘れてしまいそうな見事な石松っぷりに、一気に引き込まれました。
やや低い声での”べらんめぇ口調”が心地よくて、ミュージカルではない部分ですらリズミカル。全部聞くのは(たぶん)初めての、有名な”三十石船道中”「江戸っ子だってね~」「神田の生まれよ!」の部分もホント楽しめます。
他にも、次郎長親分が反省しない石松に「斬るぞ!」と言ってしまって、石松はそれも本望という感じで避けようともしないから、誰か止めてくれるひとが来てくれるように『斬るぞー、本当に斬るぞー!!』と大声で言うくだりなど、くすくす笑わせてくれました。
また、悪い家臣に命を狙われる盲目のお姫様(11歳くらい?)との交流はホロりとさせます。姫様を不安にさせないようにいつも明るく振舞って、笑わせようとする石松の姿が健気!
荷物を盗まれ路銀も尽き、仲間もいなくなって途方にくれた時も、「こんな時は唄って踊るに限る」と精一杯です。今まで誰も踊ってくれなかったと喜ぶ姫様と、夕焼けの下で踊る場面ではジーンとしてしまいました。
何故か龍宮城の夢をよくみる石松が、夢の中の龍宮城でミュージカルを繰り広げるのも楽しい。夢の中では姫様の目も見えるように!
笑いあり涙あり、歌にアクションありの盛り沢山な時代劇でした。