読み:のーばでぃーずふーる
原題:NOBODY'S FOOL
製作:アメリカ’94
監督:ロバート・ベントン
原作:リチャード・ルッソ
ジャンル:★ドラマ
雪に閉ざされた小さな町ノース・バス。60歳の土木作業員サリーは、家族と別れて一人退屈な日々を送っていた。心を閉ざす彼に、大家であるミス・ベリルだけが温かいまなざしを向けている。そんなある日、疎遠になっていた息子や孫のウィルと再会し…。
何か大きな盛り上がりがあるという訳ではないんだけど、人間というものが丁寧に描かれていて、とても味わい深い作品でした。
主人公とそれぞれの関係がなんともいえなくて、ケンカして除雪機を盗み合いしても、三角関係?になっても、過去に許せない事があっても、根底では繋がっているというか…。
とくに、ミス・ベリルの「あなたはわたしの万馬券なの」というセリフや、「いつか気が変わるかもしれないから」と毎日お茶を飲むか訪ねるシーンが良かったです。変わらぬ愛って感じで。
劇的な変化は起こらないかわりに、このままずっとゆるゆると変化を続けて、決して終わる事はない気がするんですよね。ハッピーエンドやバッドエンドを目指してストーリーが進んでいくんじゃなくて、とある人物の人生をテキトーにちょこっと切り取って眺めている感じ。
まあ、うまく説明できないんですが、終盤に孫が勇気を出して義足を渡すシーンには、急にウルウルきてしまいました。
セリフのやり取りも洗練されているし、観る度に気付く事がありそう。いつかまた再見したい作品です。