映画「博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」観た

読み:はかせのいじょうなあいじょうまたはわたしはいかにしてしんぱいするのをやめてすいばくをあいするようになったか
原題:DR. STRANGELOVE: OR HOW I LEARNED TO STOP WORRYING AND LOVE THE BOMB
製作:イギリス/アメリカ’64
監督:スタンリー・キューブリック
原作:ピーター・ジョージ
ジャンル:★サスペンス/コメディ
【あらすじ】米軍基地の司令官が、突然ソ連の核基地の爆撃命令を出す。米大統領とソ連首相は電話で協議し、爆撃機に引き返すよう命じる。しかし、迎撃により無線を破壊された一機が目標に向かって直進し…。
久し振りに観たら、前に観た時はぜんぜんわからず★をつけてたんだなぁと呆れてしまいました。まあ、再見したい、してもいい作品に★つけてるから、これは”再見したい”方だったのかな。
まず驚いたのが、主人公をマンドレイク大佐だと思い込んでた上に、最終的に彼がイカレてリッパー将軍の遺志を継いだと思い込んでたという。何の映画を観たんだ、あんなにまともな人を!(笑)
超カッコイイけどイカレた将軍に対して、刺激しないように言葉を選んで健気に説得してましたよね~。電話が繋がらなかったり、コインが足りなかったり、この世が終わるかどうかの瀬戸際なのに笑えてしまう。脂汗を浮かべて頑張る姿が愛おしいです。
一方、邦題の博士についても忘れてたんだけど、観てたらすぐさま記憶が蘇ってきました。登場している時間は少なくても、確かにタイトルになるだけの存在感です。
でも、今度は邦題の意図がわからなくて、もやもや。今調べたら、監督が原題か直訳しか許さん!と言ったけど、「Dr.ストレンジラブ」じゃ観てもらえないからと、直訳という制約を逆手にとってこのタイトルにしたという事でした。さすがだね!
また、ゆるすぎる米政府首脳に対し、命がけで祖国を守り責任を全うしようと頑張る爆撃機パイロットが切ない。核爆弾にカウボーイのようにまたがりはしゃぎながら落ちていくシーンも泣けました。
映画を観終わって、最後に大佐と博士と大統領をピーター・セラーズが演じていたとわかってビックリ。全く気付かなかったよ!
- 関連記事
- 「シャイニング」観た
- 「現金(げんなま)に体を張れ」観ました
■ Comment
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2012/05/31 17:00
スターリング・ヘイドンがカッコよく描けてます!
『ゴッドファーザー』では、レストランでパチーノに撃たれる悪徳警官を演じてますね。
別にファンじゃないけど、気になる人です。
キューブリックがセッティングした舞台でP・セラーズが独演会やっちゃっいました映画。(笑)
でも、大統領のセラーズは、何度見ても十朱幸代さんの父親、十朱久雄さんとダブってしまって・・・。
大統領が喋ると、十朱久雄さんの甲高い声が聞こえてきちゃうんですよ。
P・セラーズの陰に隠れちゃってますけど、J・C・スコットも忘れがたいです。
落ちていくシーンも泣けました>え、泣けましたか?
僕、このシーンは、いつも大笑いなんですけど・・・。
ロデオのように核爆弾に跨り、テンガロンハットを振り回し喊声をあげながら落ちていく。
実に、他所の国が冷笑するアメリカ人そのもので、オマケに名前がキングコング少佐。
「男はつらいよ」の初代おいちゃんじゃないけど、
「馬っ鹿だね~~~」(笑)
いつ頃、タイトルの真相が広まったのかなぁ。
40年前の「ロードショー誌」には、公開が近づいてもフィルムは来ない、タイトルだけで内容を知らせて来ない、困った宣伝部が当てずっぽうで訳したら固有名詞だった、という笑い話になってたんですよ。
ホントがどうか解らないけど、アメリカ公開時、記録的にコケた作品だったとも。
3~4年前まで信じていました。(笑)
映画ではシェルターに入れる男女比率が、男>女になってたけど、
実際だったら逆でしょうね。
男はイケメンかマッチョじゃないと生き残れない。(笑)
いらっしゃいませ、イラストにコメントありがとうございます!
もう彼の渋さにクラっときちゃって、見惚れながら描いちゃいました(笑)
眼福眼福!
> 『ゴッドファーザー』では、レストランでパチーノに撃たれる悪徳警官を演じてますね。
> 別にファンじゃないけど、気になる人です。
お~、あの役を演じてたのが彼だったんですか!
他の出演作も調べてみようかな♪
いらっしゃいませ、コメントありがとうございます。
そうですね~、なかなかこういう思いきった作品は撮れないかも知れません。
十朱久雄さんは知りませんが、画像検索したら大統領を演じるセラーズに似てるかも(笑)
他のイメージが浮かんでしまうと困りますよね。
> 落ちていくシーンも泣けました>え、泣けましたか?
いやぁ、笑うシーンなんだろうという事はわかるんですが、彼にとっては「祖国の家族をこれで守れるんだ!」という笑顔なんだと思うと、切なくて。
> 40年前の「ロードショー誌」には、公開が近づいてもフィルムは来ない、タイトルだけで内容を知らせて来ない、困った宣伝部が当てずっぽうで訳したら固有名詞だった、という笑い話になってたんですよ。
今はネットで色々な情報が入りますからね~。それだけ間違った情報も飛び交ってるんだろうけど、昔と比べるといい時代になったものです。
そんな勘違いも、今となっては笑い話ですね。
> 映画ではシェルターに入れる男女比率が、男>女になってたけど、
> 実際だったら逆でしょうね。
> 男はイケメンかマッチョじゃないと生き残れない。(笑)
アハハ。会議室にも女性キャラが何人かいて、男があんな事を言い出したらケンカになってただろうな。逆転するかはわからないけど、地下にこもるのを手放しには喜べないでしょうね~。
宵乃さんが仰るように、これはブラック・コメディの傑作ですね。まともな登場人物が居たかな?といった感じです。(爆)
ブラック・コメディといえば、群衆劇や、誘拐ものに傑作が多いですね。
因みに私が選んだブラック・コメディNO.1作品は、フランク・キャプラ監督の「毒薬と老嬢」です。
2012/06/01 09:07 ascapapa〔
編集〕
いらっしゃいませ。
再見できて良かったですよ~、こんな有名な作品を勘違いしたままにならなくてよかった!
あんな状況になったら誰しもまともではいられなくなりますよね。反核映画としても素晴らしかったと思います。
> ブラック・コメディといえば、群衆劇や、誘拐ものに傑作が多いですね。
> 因みに私が選んだブラック・コメディNO.1作品は、フランク・キャプラ監督の「毒薬と老嬢」です。
その作品は知りませんが、キャプラ監督もブラック・コメディを撮ってたんですね~。なんだか意外です。機会があったら観たいと思います。
>命がけで祖国を守り責任を全うしようと頑張る爆撃機パイロットが切ない。
最初はそんな感じでしたけど、最終的な部分では日本の特攻隊以上の悲惨な結果をもたらすのが分かっていながらのあのロデオ気取りには虚しさしか残りませんでしたね。
鉦鼓亭さんと同じです。
それと鉦鼓亭さんとのやりとりで、映画ではシェルターに入れる男女比率が、男>女になってたと書かれていますが、ちょっと気になったので確認しました。
男1対女10でしたよ。
子孫を残さないといけないのでこうなりますよね。
でも100年も地下生活なんて生まれ変わっても僕には出来ましぇん。
2017/02/21 14:20 十瑠
> 日本の特攻隊以上の悲惨な結果をもたらすのが分かっていながらのあのロデオ気取りには虚しさしか残りませんでしたね。
そこら辺はもう忘れてしまいましたが、彼も犠牲者だと捉えたのかもしれません。決めたのは彼じゃないと思いますし、逆らえないのと、これから奪う命の重さで気が狂ったと思ったのかも?
再見したら、もしかしたら印象も変わるかもしれません。
> 男1対女10でしたよ。子孫を残さないといけないのでこうなりますよね。
> でも100年も地下生活なんて生まれ変わっても僕には出来ましぇん。
そうでしたか。ご確認ありがとうございます!
いくら子孫を残しても、地下で100年は精神的にも物理的にも無理そうですよね~。