製作:アメリカ’04
原題:CRASH
監督:ポール・ハギス
ジャンル:★ドラマ/犯罪
【あらすじ】クリスマスを間近に控えたロサンゼルス。さまざまな立場、さまざまな人種の人々がいるその街で、差別、偏見、憎悪が渦巻くなか、悲しみを抱えた人たちがぶつかりあう。
疲れる作品だと聞いていたので気合を入れて鑑賞。最初は頭がこんがらがったけど、なんとか大体のところは理解できたかも…?(汗)
冒頭から差別的な発言、行動を見せ付けて「うわぁ…」と思いました。今でもアメリカではこんな状況なんだろうかと考えてしまったけど、たまたまアメリカは様々な人種に溢れているから、怒りやストレスのはけ口が人種差別として現れているだけで、イライラして怒鳴ったり八つ当たりしたりするひとなんてどこにでも溢れてますよね…。なので、そういうトゲトゲした気持ちばかりで人間らしいふれあいを忘れ、他人を信じられなくなってしまった現代人を描いた作品として観ることができました。
印象に残ったのが、透明マントと事故車から救出のエピソード。透明マントは先が読めるものの、二人の天使の思いやりにホロリ。事故車からの救出は、人間の多面性というものを痛感しつつ感動で涙が。ちょっと話しただけで相手の本質を知ったような気になってはいけませんね。
それらと逆の意味で別の一面に気付いてしまう、聖母像と兄弟と母親のエピソードはきついものがありました。本人が気付いていないような人間の弱くて残酷な一面も、やはり”真実”だということでしょうか。
残念だったのが、サンドラ・ブロックのエピソード。階段から落ちてメイドに助けられるまでの心細さと不安をもっと見せてくれてもよかったと思います。ただでさえ出番少なかったのに…。
車の衝突と、人と人との衝突をかけた「クラッシュ」というタイトルが冴えてました。