忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「チャイナ・シンドローム」再見

チャイナ・シンドローム再見
『神様、どうか…!』
製作:アメリカ’79
原題:THE CHINA SYNDROME
監督:ジェームズ・ブリッジス
ジャンル:★サスペンス/ドラマ

そういえば前回は93分番組で観たんだったということで、やっと完全なものを再見。
時期的なものもあって、以前より緊張と恐ろしさ倍増でした。
昔、チェルノブイリ原子力発電所事故の再現ドラマのようなものも見たんだけど、ごく普通の人たちの”恐れ”というものが怖いんですよね。働くのは原子力について詳しく知らない者が大多数で、起こるかわからない事故よりも、職を失う方が怖いし、事故になったらどうなるかより想像しやすい。それに、まさか事故が起こる危険があるのに会社が”続けろ”というわけがない、という思いもあります。そんな、自分の中にもある”本当の危険から目を逸らしてしまう、身近なことへの恐れ”を恐ろしく思いました。
一方、原発のすぐ側に住んでるわけではない会社のお偉いさんは、おそらく専門家でもなく、投資が無駄になるとか、運転が遅れたらどれだけ損をするかの金勘定しか頭にありません。
そういう部分が全く同じで、これが事故の前に描かれていたという事に改めて驚かされました。
あと、事故の原因が経費削減(検査しないで結果捏造)のせいだったというのは、「タワーリング・インフェルノ」を思い出します。危険度は天と地ほどの差がありますが…。
また、真実味があるという点だけではなく、もちろん映画としても見ごたえがありました。なんといってもジャック・レモンの演技が素晴らしいですし、カーチェイスや篭城などサスペンス・アクションだけで見ても楽しめます。証拠となる資料を受け渡すため建物に入ると、閉まったドアガラスに追跡者(車)の姿が…!というシーンにはドキッとしました。
やるせないラストと、最後に映るカラーバーが印象的です。

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■ Comment

疲れました・・・。

こんにちは☆
やっと再見しました。
初見時感想にちょっとたしましたので、お時間あればお願いします(URL)。

“今まさに福井県でおこなわれようとしている事”が、頭から離れなくて、
冷静にはとても見られなかった感じで、ものすごく疲れました。

初見時感想も、もう一度読ませて頂きましたが、
今回のオンエアは、バッドエンドなのですよね???
初見時の終わり方は違ったのでしょうか?

私は初見時の事は全然思い出せませんが、その時もチェルノブイリの事故のあった年で、
この映画の公開直後の事故と言い、

やはり(自分の初見時感想で恥ずかしいですが)原子力は、人間が扱えるモノではなかったと、
あれは神の手のモノ(核融合反応は、もともとは恒星の内部等でおこなわれるモノですので)
だと、そんな事をつらつらと思いました。

長々とすみません。
今日の記事、ウキウキして待ちたかったけど、いまちょっと「どよーんモード」です。
では、お花ちゃんに会えるのを期待して・・・この辺で失礼します。
2012/06/17 14:24  miri編集

>miriさん

いらっしゃいませ、再見なさったんですね!
やはり時期的なものもあって、重いものがさらに重苦しく感じます。
今すぐ日本のすべての原発を止めろとは言えませんが、本気で別のエネルギーへの移行を考えなきゃいけないですよね。アメリカでも原発を新規建設を進めているというし、教訓をいかさないといけないのに…。

> 初見時感想も、もう一度読ませて頂きましたが、
> 今回のオンエアは、バッドエンドなのですよね???

いえ、たぶんハッピーエンドの方だと思います。わたしが得た情報では、本当に爆発しちゃうみたいな事を言ってたので…。もう一度、調べてみたんですが、ちょっと自信ないです。アメリカのwikipedhiaにも載ってないみたいだし。

> やはり(自分の初見時感想で恥ずかしいですが)原子力は、人間が扱えるモノではなかったと、あれは神の手のモノ(核融合反応は、もともとは恒星の内部等でおこなわれるモノですので)だと、そんな事をつらつらと思いました。

何でも探求するのは人間のすごいところだけど、わかった事をすべてコントロールできると思ってしまうのは思いあがりですよね~。原発に関する先進国の捉え方をドキュメンタリー番組で見ましたが、”失敗から学ぶ”という意味をきちんと考え直してほしいです。学んだから”これからは大丈夫”じゃダメなんだよ!

> 今日の記事、ウキウキして待ちたかったけど、いまちょっと「どよーんモード」です。
> では、お花ちゃんに会えるのを期待して・・・この辺で失礼します。

あはは…、スミマセン、予定外の用事が入って、ちょっと遅れてます。今日中にアップできるかな~?
2012/06/17 15:18  宵乃〔編集

こんにちは。

コメントとTBありがとうございました。

私はこの映画に対する事前知識は皆無でした。
政治と芸術は別ものとはいえ、最近は中国と韓国の映画は観なくなりました。この映画の題名に、チャイナという語句があるので敬遠していたのかもしれません。

思い切って観て吃驚!。
それにしても、極めて適切な時期に鑑賞したものです。
僭越ながら、私は多少電力の知識があるのですが、その眼からもこの映画は秀作と思います。

>なんといってもジャック・レモンの演技が素晴らしいですし、

 同感です。レビューで触れようと思っていて書き忘れました。
 ジャック・レモンは名優の一人だと思います。思い出すままに、「アパートの鍵貸します」「あなただけ今晩は」「ショート・カッツ」「恋人よ帰れ!わが胸に」「お熱いのがお好き」「フロント・ページ」「ミスタア・ロバーツ」など、どれをとっても名演と思います。
2012/10/26 11:51  ascapapa〔編集

>ascapapaさん

いらっしゃいませ!
そうですね~、タイトルからはどんな内容か想像つきません。わたしもたまたまTVのオンエアを見なければ、自分から観ることはなかったかもしれません。

> それにしても、極めて適切な時期に鑑賞したものです。
> 僭越ながら、私は多少電力の知識があるのですが、その眼からもこの映画は秀作と思います。

BSプレミアムでタイミングを計ったのか、それともリクエストが多かったのか、この時期に観ると真剣度が違いました。アスカパパさんも認める作品という事ですし、もっと多くの人に観てもらいたいですね!

>  ジャック・レモンは名優の一人だと思います。
どれをとっても名演と思います。

たくさんご覧になられてるんですね~。「ショート・カッツ」「恋人よ帰れ!わが胸に」「ミスタア・ロバーツ」は未見なので、いつかチェックしたいです。
彼の鬼気迫る表情は今でも目に浮かびます!
2012/10/27 11:39  宵乃〔編集

ジャック・レモン

ジェームズ・ブリッジスの演出も手堅かったですが、宵乃さんもご指摘のように、ジャック・レモンの演技がこの映画のシリアスさを表してますね。
若い頃は喜劇俳優の色が濃かったですけど、ハーバード出身の秀才ですからね。
アスカパパさんも挙げてらっしゃる「ミスタア・ロバーツ」も巧かったです。
2016/04/18 19:45  十瑠

>十瑠さん

いらっしゃいませ。
そうそう、ジャック・レモンといえばコメディというイメージだったので、言われるまで彼がジャック・レモンだと気付けませんでした(汗)
「ミスタア・ロバーツ」は未だに観てません…。ジョン・フォード監督の作品は何気に未見が多いかも。
コメントありがとうございました♪
2016/04/19 07:34  宵乃〔編集
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