忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「ダントン」観た

ダントン
製作:フランス・ポーランド’82
原題:DANTON
監督:アンジェイ・ワイダ
原作:スタニスワヴァ・プシビシェフスカ
ジャンル:ドラマ/伝記

【あらすじ】1794年、パリ。恐怖政治を終わらせようと戻ったダントンに熱狂する民衆。恐怖政治によって革命を成功させようとしていたロベスピエールら公安委員会は、障害となるダントンを反逆罪で告発。2人は会談に臨むが、話し合いは決裂し...。

わたしみたいな歴史に疎い人間だと、ロベスピエールは恐怖政治の人だとわかっても、ダントンは「そんな人、授業で習ったっけか?」というくらいで、この映画の中だけではどういう人かいまいち掴めませんでした。高い服の似合わないガタイがいい人だったんで見分けはついたんですが(主演以外はさっぱりだったけど)、最初にどんな人物かハッキリわかりやすく描いてほしかった。最後まで、彼にも裏があるんじゃないだろうか?と疑って観てしまったし。
まあ、そんなのは私だけなのかもしれませんが、ロベスピエールに比べてダントンは印象に残りませんでした。友人としての気持と革命家としての気持の間で苦悩とか、どんな人かわからないまま観ても伝わってこないんですよね。
その点、ロベスピエールはわかりやすかったし演技も印象的。冷徹な男というイメージだった彼が、恐怖に脅えるただの弱い人間であったというのがよく伝わってきます。
あと、映像や空気の重みというか、威圧感や迫力が伝わってきて見ごたえはありました。処刑のくだりは生々しすぎて嫌だけど、ロベスピエールの前で子供が「人権宣言」を暗誦するラストは圧巻。
歴史好きなら楽しめると思います。

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■ Comment

こんにちは。

コメントとTBありがとうございました。

ダントンの名は、この映画で初めて知りました。
後で少しばかり調べました。
なかなか頭脳明晰な弁護士だったようで、ロベスピエールとは好敵手の宿命を背負っていたのですね。それにしても両者共に断頭台の露と消えるとは。
生前のダントンにも叩けば多少の埃も出た模様。道理で、両者歩み寄りの姿勢が一時観られたことに、納得らしきものも得られました。
確かに予備知識を持って居れば、観る眼は変わっていたかも知れないと思います。
2011/11/23 14:18  ascapapa〔編集

>ascapapa さん

やはり”ダントン”の名前は一般的ではないんでしょうね。タイトルで吊ろうという気がないのは好感が持てるけど、内容のイメージがつかめないのは・・・。日本だからでしょうか。

わたしもWikipediaを少しばかり読んでみました。弁護士だったとは、体格がいいからもっと肉体労働をする人だったのかと。お顔も、ロベスピエール役の人は似てたけど、ダントンは格好良くなってますよね(笑)

> 生前のダントンにも叩けば多少の埃も出た模様。道理で、両者歩み寄りの姿勢が一時観られたことに、納得らしきものも得られました。
> 確かに予備知識を持って居れば、観る眼は変わっていたかも知れないと思います。

日本ではDVDも出てないのに、フランスではBlu-Rayも出てるところを考えると、やはりそれくらいは知ってて当然なフランス人向けの作品なのかもしれません。処刑シーンがなければ、いつかじっくり見直したいところなんですが・・・。
2011/11/24 10:34  宵乃

こんばんは☆

見ました!
宵乃さんの有難いご忠告を受けとめながらも、本日「麦の穂をゆらす風」との2本立てでした(爆)。
日中あの「つ〇〇〇し」の拷問を見てしまったので、今日なら「ダントン」も大丈夫さ~!と。
(万一未見だといけないので、伏せ字にさせてもらいます)

・・・実は先日見た「赤と黒」というジェラールさまの映画の中で
「ダントンがあーだこーだ」「ダントンはどうのこうの」と言っていたので、超・気になったのです。
スタンダールも気にするダントンさん。

>ロベスピエールは恐怖政治の人だとわかっても、ダントンは「そんな人、授業で習ったっけか?」というくらいで、
>最初にどんな人物かハッキリわかりやすく描いてほしかった。
>ロベスピエールに比べてダントンは印象に残りませんでした。
>その点、ロベスピエールはわかりやすかったし演技も印象的。冷徹な男というイメージだった彼が、恐怖に脅えるただの弱い人間であったというのがよく伝わってきます。

たしかに、ロベスピエールの事は深く描かれていましたね~。
私は、フランス人はダントンの事をよく知ってるから、反対にロベスピエールがその時どう思っていたのかを描きたかったのかな~?と、思いました。

ダントンは日本人には なじみもないし、歴史好きな一部の人を除けば、知らない人の方が多いと思います。
もちろん私も全然知らなかったです!

>最後まで、彼にも裏があるんじゃないだろうか?と疑って観てしまったし。

私はそれは思いませんでした。
最初の方は全然彼の「人となり」が、伝わってこなかったけど、やはり裁判中から終盤にかけて
このヒトがどういうヒトか、私なりに分かったような気がします。

そしてそれは、ワイダ監督の演出力の賜物に、他ならなかったのだと、思っています。
もちろん俳優さんも頑張っていましたしね~。
声枯れまくりで~!!!

>あと、映像や空気の重みというか、威圧感や迫力が伝わってきて見ごたえはありました。

これは音楽が凄いと思いました。
音楽が恐怖を増幅させたのは、間違いないと思いました。

>処刑のくだりは生々しすぎて嫌だけど、

これはね~覚悟して見たけど、ちょっとね~ワイダさん、やりすぎっしょ!って感じで。
あのスローな刃の動きと、流れる○が、今まで見たどんなギロチンよりもリアル感ありありでした☆
(残酷なので伏字にさせてもらいました)

>ロベスピエールの前で子供が「人権宣言」を暗誦するラストは圧巻。

イラストはその直前の彼ですよね?
間違っていたらゴメンナサイ。
・・・その場面だとして、すっごく感じ出ています!

最初のシーンと最後のシーンと、帳尻合わせて、監督凄すぎ~!って感じで。
脚本は数人が担当していて、監督も入っていましたよね。
すっごい本物の映画を見たって感じでした。
私は保存します。(地震のニュース入っていたけど)
多分2度と見ないけど(爆)。
2011/12/04 22:56  miri〔編集

>miriさん

> 宵乃さんの有難いご忠告を受けとめながらも、本日「麦の穂をゆらす風」との2本立てでした(爆)。

うわぁ、あれと二本立てですか・・・すごい一日でしたね。お疲れ様!
「麦の穂をゆらす風」は見ごたえのある作品でしたが、感想は書けそうにないです。抵抗三部作を思い出しました。いつか機会があれば「マイケル・コリンズ」も観たいです。

> スタンダールも気にするダントンさん。

フランスの文豪さんですか。やはりフランスではダントンは英雄で多くの人が知ってるみたいですね。
ダントンを知っていて当然のような描かれ方だと感じたので、日本人がこの作品を観るならやはり勉強してからじゃないと。

> 最初の方は全然彼の「人となり」が、伝わってこなかったけど、やはり裁判中から終盤にかけて
> このヒトがどういうヒトか、私なりに分かったような気がします。

どうも熱弁してる人には身構えてしまうんですよね。わたしの身近にいるひとって、議論になると無意識のうちに相手の知らなそうな事実を自分の都合のいいように捻じ曲げるところがあって。だから、最初の方に彼の人となりが分からなかったからこそ、彼の熱意が何に向かっているのか?と疑ってしまうんです・・・。

> もちろん俳優さんも頑張っていましたしね~。
> 声枯れまくりで~!!!

ここはわたしも驚いてしまいました。本気で声枯れてましたよね!
この後の仕事の事もなりふり構わず、全力で演じたんだなぁと感動です。
音楽も相乗効果を生み出してましたね。

> これはね~覚悟して見たけど、ちょっとね~ワイダさん、やりすぎっしょ!って感じで。
> あのスローな刃の動きと、流れる○が、今まで見たどんなギロチンよりもリアル感ありありでした☆

このシーンがあると、学校の教材には使えないかな。もったいない。
処刑は音だけ、首を掲げるところは完全にシルエットにして欲しかったです。

> イラストはその直前の彼ですよね?
> ・・・その場面だとして、すっごく感じ出ています!

そうですそうです。シーツに汗びっしょりで、一人の男が恐怖する様子がまざまざと描かれてましたね。
本当に見ごたえのある作品でした。
わたしも一応DVDに残してあるんだけど、もう観そうにないです(笑)
2011/12/05 11:20  宵乃
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