映画「グローリー・ロード」観ました
原題:GLORY ROAD
製作:アメリカ’06
監督:ジェームズ・ガートナー
原作:ドン・ハスキンズ
ジャンル:★ドラマ/スポーツ/伝記
1966年。テキサス・ウェスタン大学のコーチに就任した白人のハスキンズは、チームを立て直すために人種に関係なく有能な選手をスカウトする。彼の熱心な指導もありチームは成長していくが、南部にはいまだ人種差別がはびこり…。
アメリカで大学バスケット史上もっとも重要な試合と呼ばれる試合を描いた作品。スポ根ものとしても人種差別を扱ったものとしても素晴らしかったのですが、ちょっと地味だったのか日本未公開。もったいない!
”黒人はのろまでバスケなんてできない”と言いながら、内心では黒人の身体能力を恐れる白人たちがバスケットボール界を動かしていた時代に、純粋に強さを求めて迷いなくバスケ好きな黒人青年たちをスカウトするハスキンズは格好良かったです。彼自身バスケを愛しているから、同じ気持ちを持っている相手はすぐにわかるんでしょうね。”強いチームを作ることは、彼らの未来を切りひらくことにも繋がる”そう信じて突き進む姿に、彼のコーチとしての真剣さが伝わってきました。いろいろな理由で夢をあきらめていた黒人青年たちが、彼の熱心な指導に心を開いていくのも納得です。
また、スカウトされて南部にやってきた彼らが、初めて向けられた悪意にショックを受ける様子には考えさせられました。いつの時代もここで描かれているような差別はどこかで行われていて、それを知らない私のような人間は”過去のこと”だとぼんやり思っているんじゃないか…。根深い人種差別にぞっとします。
しかしながら、そんな差別への憤りをすべて試合への情熱に変えて望んだ決勝戦は痛快でした。観終わって、爽やかな感動を味わえる作品です。