忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「ディープエンド・オブ・オーシャン」観た

 | 社会派  com(12) 

ディープエンド・オブ・オーシャン
製作:アメリカ’99
原題:THE DEEP END OF THE OCEAN
監督:ウール・グロスバード
原作:ジャクリン・ミチャード
ジャンル:★ドラマ

1988年、ウィスコシンシン州。写真家ベスは幼い息子ヴィンセントとベンを連れ、高校の同窓会に出席する。だが、目を離した隙に三歳のベンがいなくなってしまった。必死の捜索もむなしく、手がかりも掴めぬまま9年が経ち…。

子供を誘拐された母親の苦悩が全面に出ているけれど、この作品の中心は兄弟の絆。ラストまで本心を表に出さず、黙って静かに主張し続ける兄ヴィンセントに泣かされました。
彼の出ているシーンは少ない方だし、出ていてもあまり話しません。ただ、両親をみる時の寂しそうな目、自分が手を離したせいだと誰にも言えず独りで苦しむ彼の表情。その寂しさの裏返しである反抗的な態度が、雄弁に彼の心情を語っているんですよね。
そして、もうひとり末の妹がいるんですが、彼女にいたってはただ画面の隅に存在するだけ。末っ子の方が観たら、彼女の扱われ方にも涙してしまうかもしれません。
この二人の描かれ方は、そのまま両親の関心の薄さを表しているようでした。

後半、ある偶然から思いもよらなかった事実が判明します。
誰かが幸せになろうとすれば誰かが辛い思いをする。彼らの気持が痛いほどわかるから切ない…!
強引に幸せな家族を取り戻そうとする夫を見て、やっと冷静さを取り戻したベスの決断。わずかな記憶から絆を実感し、受け入れてみようとするサム(ベン)の決断。そして、不安な表情なヴィンセントの告白。終盤は涙なしには観られません。
「ずっといるのか?」というヴィンセントの問いに、サム(ベン)が「わからない」と正直に答えたことに、これからの両家族の関係に希望が持てました。

序盤から感情を揺さぶられるシーンが幾つもあり涙をこらえるのが大変でしたが、ところどころ感動が途切れる感じがあって、心の機微を丁寧に描いているとは言い難いかも?(15分カット版ですが)
タイトルは「深い海の底」。原作の邦題「青く深く沈んで」のほうがぐっと来ます。
ちなみに、終盤に「アイ・アム・サム」でわたしが引っかかってしまった一人夜歩きと同じシーンがあったりしますが、年齢や場所や見守るひとの立場とかわたし的にはぎりぎり納得できる範囲でした。

■ Comment

職場で患者さんがテレビで観てるのをちらりと観てました!
私もこれは、レンタルが開始になったころ観た事があるのですが、
どんな風なラストだったっけなあ?と思い出せず、終わる頃にまたテレビを観に来よう、と思っていたら、チャンネルが変わってました;;
私は長女なので、お兄ちゃんにすごく感情移入していました。手を離したという罪の意識と、ぽっと現れ、両親の視線をかっさらっていく弟への思いとか、涙です。
宵乃さんのレビューを読んだら、「妹もそういえばいたか・・!!」と思い出し、ますます映画を再見したくなりました。今度借りてこようかな~v

リンガーとチアーズ、メールしたの私です、名前入れ忘れててすみません(汗
2011/02/08 (Tue) 20:27  み  

>みっさん

いらっしゃいませ~、コメントありがとうございます!

> どんな風なラストだったっけなあ?と思い出せず、終わる頃にまたテレビを観に来よう、と思っていたら、チャンネルが変わってました;;

あはは、わたしも仕事中にこの作品が目に入ったら気になっちゃうと思います。ラストが観られなかったのは残念でしたね。でも、いつかゆっくり再見できる日がくるかも!

> 私は長女なので、お兄ちゃんにすごく感情移入していました。手を離したという罪の意識と、ぽっと現れ、両親の視線をかっさらっていく弟への思いとか、涙です。

あのお兄ちゃんは本当に切なかったです。母親が苦しむ気持もわかるんだけど、ちょっとだけでいいから見てあげて!って言いたくなってしまいました。父親も鈍いんですよね・・・。

> リンガーとチアーズ、メールしたの私です、名前入れ忘れててすみません(汗

あ、やはりそうでしたか。リクエストありがとうございました!
匿名希望かと思い名前は出しませんでしたが、次の”投票開始の記事”のときに載せましょうか? 載せるとしたら、お名前は”みっさん”でよろしいでしょうか?
お手数ですが、お返事お待ちしております。
2011/02/09 (Wed) 10:25  宵乃  

趣違いすぎてちょっとこそばゆいので、匿名のままでよいです(笑)お気遣いありがとうございます、投票結果楽しみにしてます^o^/
2011/02/09 (Wed) 20:01    

>了解しました

投票はしばらく先ですが、みっさんもバシバシ投票しちゃってくださいね~♪

では、今日も寒いですが、風邪など引かないようお気をつけて!
2011/02/10 (Thu) 07:32  宵乃  

未見ですが、イラストはヴィンセントでしょうか?
ぞくっとするほど悲しみを湛えた眼が“深く沈んで”いますね。このイラストを一見しただけで、観ない者にも映画が予想されます。宵乃さんさすがですねe-70

>目を離した隙に三歳のベンがいなくなってしまった。必死の捜索もむなしく、手がかりも掴めぬまま9年が経ち・・・。

日本でも増えてきましたが、アメリカでは日常良くあることなのでしょうね。似たような設定を見かけます(近い所で小説ラスト・チャイルドと映画ではチェンジリング)。

>両親をみる時の寂しそうな目、自分が手を離したせいだと誰にも言えず独りで苦しむ彼の表情。その寂しさの裏返しである反抗的な態度が、雄弁に彼の心情を語っているんですよね

両親はもとより兄弟姉妹が葛藤する姿は痛ましいです。ラスト・チャイルドでは母親が息子に頼りっきりで孤軍奮闘していたから尚更のこと。

>終盤に「アイ・アム・サム」でわたしが引っかかってしまった一人夜歩きと同じシーンがあったりしますが、年齢や場所や見守るひとの立場とかわたし的にはぎりぎり納得できる範囲でした。
良かったです。
宵乃さんが『引っかかる部分があると台無しになってしまう』といつかコメントを下さっていたので、ほっとしました(ゴメンナサイ)

史実でもベートーベンの甥は息子として養子縁組した後、追い込まれ精神的に不安定になっていくのですね。あれから検索して知ったのです。コメントで機会を与えてもらって良かったです。ありがとう!
2011/02/10 (Thu) 10:52  bamboo編集〕  

>bambooさん

いらっしゃいませ、コメントありがとうございます!

> ぞくっとするほど悲しみを湛えた眼が“深く沈んで”いますね。このイラストを一見しただけで、観ない者にも映画が予想されます。

ありがと~。ヴィンセントが弟に打ち明けるシーンをモノクロで描いてみました。
結構いい映画だと思うので、これで観たいと思っていただければ嬉しいです!

> 日本でも増えてきましたが、アメリカでは日常良くあることなのでしょうね。似たような設定を見かけます(近い所で小説ラスト・チャイルドと映画ではチェンジリング)。

アメリカでは牛乳パックに行方不明の子供たちの顔写真が印刷されたりしていて、まさに日常生活の当たり前の出来事なのかもしれませんね(恐ろしい!)
「チェンジリング」のおかげでこの作品を知り(話題に上るらしい)、鑑賞するという方も多いようです。わたしもこちらの内容を忘れないうちに「チェンジ~」を観たい!

> 両親はもとより兄弟姉妹が葛藤する姿は痛ましいです。ラスト・チャイルドでは母親が息子に頼りっきりで孤軍奮闘していたから尚更のこと。

あ~、それは辛い・・・。やはり長男は大変ですよね。

> 宵乃さんが『引っかかる部分があると台無しになってしまう』といつかコメントを下さっていたので、ほっとしました(ゴメンナサイ)

我ながら、この性格で楽しめない映画があるのはもったいないとは思うんですが、なかなか直そうと思っても直せないんですよね。今回は、12歳の男の子で、住み慣れた町、それを知っていたのが母親ではない、ということでぎりぎりセーフでした。

> 史実でもベートーベンの甥は息子として養子縁組した後、追い込まれ精神的に不安定になっていくのですね。あれから検索して知ったのです。コメントで機会を与えてもらって良かったです。ありがとう!

そうだったんですか~、教えてくれてどうもありがとう!
あの作品で恋愛関係にならなかったのはよかったけれど、彼にはちゃんとした妻(母親)が必要だったかもしれませんね。甥っ子も可哀想に・・・。
2011/02/10 (Thu) 13:47  宵乃  

悲しかったですね・・・。

誘拐された次男が戻ったけど、やはりうまく行かない。
彼を誘拐した人が悪いんだけど、時間は戻らない。
ハッピーエンド(?)で良かったのかな?
僕も結論は出せないです。

>ヴィンセント

宵乃さん。素晴らしい絵です。
彼のやるせない気持ちが伝わって来る表情です。
2013/02/14 (Thu) 23:03  間諜X72〔編集〕  

>間諜X72さん

いらっしゃいませ、コメントありがとうございます。
この作品は切ないですよね~。時間が経ってもはっきり思い出せます。

> 彼を誘拐した人が悪いんだけど、時間は戻らない。
> ハッピーエンド(?)で良かったのかな?
> 僕も結論は出せないです。

失ったものの重みを考えると胸が痛みます。でも、これから過ごすだろうかけがえのない時間は、きっとその心の穴を埋めてくれるんじゃないかと思えました。
明暗分かれた二つの未来ではなく、両家族ひとつの未来を見つけてほしいです!

> 宵乃さん。素晴らしい絵です。
> 彼のやるせない気持ちが伝わって来る表情です。

ありがとうございます。
彼の演技は素晴らしかったですよね~。あの表情は今でも目に浮かびます。イラストにして残したい!と思えるシーンでした。
2013/02/15 (Fri) 10:31  宵乃〔編集〕  

ミシェル・ファイファー

「スカーフェイス」ではアル・パチーノの妻(元他人の情婦)役。
この映画とは随分イメージが違います。
女優さんって凄いですね!

彼女の親友を演じたブレンダ・ストロング。
スタイルが良いなあと思ったら昔ミス・アリゾナに選ばれてたんですね。

>明暗分かれた二つの未来ではなく、両家族ひとつの未来を見つけてほしいです!

その通りです!いい事を仰いますね!
2013/02/18 (Mon) 18:09  間諜X72〔編集〕  

Re: ミシェル・ファイファー

> 「スカーフェイス」ではアル・パチーノの妻(元他人の情婦)役。
> この映画とは随分イメージが違います。
> 女優さんって凄いですね!

その作品は未見ですが、役柄的にすごいギャップがありそうですね。
まるで違う役を別人のように演じているのを観ると、役に入り込んでいるのが伝わってきて圧倒されます。ホント、俳優さんって凄いです!

> 彼女の親友を演じたブレンダ・ストロング。
> スタイルが良いなあと思ったら昔ミス・アリゾナに選ばれてたんですね。

お~、さすが。現代の写真を見てもまだまだお若いし、スタイル維持のために努力なさってるんでしょうね。カッコいいです。

> その通りです!いい事を仰いますね!

ありがとうございます。共感して下さって嬉しいです♪
2013/02/19 (Tue) 11:00  宵乃〔編集〕  

スカーフェイス

是非ご覧になって下さい。
アル・パチーノの演技も素晴らしいですが、ミシェル・ファイファーもやっぱり素晴らしいです!

>お~、さすが。現代の写真を見てもまだまだお若いし

そうですよね!
並大抵の努力ではないと思います。

>「アイ・アム・サム」

僕はまだ未見です。そのうちに。
映画も教養のうちです。
未見の映画を見る度に得をした気持ちになります。
新しい世界を知った気持ちになります。
自分が一生の間に経験できる事なんてわずかなもんです。
だから色々な映画で、色々な監督・色々な登場人物が持つ世界を知りたいです!
2013/02/23 (Sat) 19:53  間諜X72〔編集〕  

>間諜X72さん

> アル・パチーノの演技も素晴らしいですが、ミシェル・ファイファーもやっぱり素晴らしいです!

そうなんですか~。タイトルを覚えておいて、機会があったら観てみますね!

> 未見の映画を見る度に得をした気持ちになります。
> 新しい世界を知った気持ちになります。
> 自分が一生の間に経験できる事なんてわずかなもんです。
> だから色々な映画で、色々な監督・色々な登場人物が持つ世界を知りたいです!

わたしも同じ気持ちです!
たった二時間くらいなのに、別世界を味わうことができますよね。
これからも良い作品に出会えると信じて、お互い映画鑑賞を続けていきましょう♪
2013/02/24 (Sun) 09:53  宵乃〔編集〕  
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