映画「華麗なる恋の舞台で」観た

製作:アメリカ’04
原題:BEING JULIA
監督:イシュトヴァン・サボー
原作:サマセット・モーム
ジャンル:★ドラマ/コメディ/ロマンス
1938年、ロンドン。女優として演劇界の頂点に立つジュリアは、疲れ果てて興行主兼舞台監督の夫マイケルに休みを頼む。そんな時、親子ほども年の離れたアメリカ人青年トムが現れ、瞬く間に恋に落ちるのだった。
不倫ものと見せかけて、女優であるジュリアが自分を見つめなおす過程を描いたドラマでした。
不倫のエピソードがあるのに、まったく不快感を覚えなかったというのが驚き。別に彼女に感情移入できるわけでもないし、愚かとしかいいようがないありきたりな不倫なんですけど、何故か彼女をみてると憎めないんですよね。
自分なりにその理由を探ってみたところ、たぶん、イラストにも描いた亡き師ラングトンの存在でしょうか。常に彼女の耳に届く彼の”だめ出し”。彼が生きていた頃、耳がタコになるほど聞かされた言葉達が、呪縛となって彼女を縛り付けています(”幽霊”ではないと思う)。舞台に立つ時も、夫とかけひきする時も、恋に溺れている時も、母親である時も、何よりも意識しているのは師匠であり、女優としての自分自身なんですよ。
女優とはこういうものなのかと、ただ感動に近い驚きが全編通してあって、不快感を覚える暇もありませんでした。
まあ、ラストの復讐は子供じみていてわたし的には微妙でしたが。具体的には思いつかないけど、もっと後味爽やかで”粋”なやり方が良かったです。
原題の意味は「ジュリアであること」。キャッチコピーの”女であること、恋をすること、私であること。”はここからきてるんですね。適当な邦題つけるよりは、原題のままのほうがよかったです。
■ Comment
ウチに、この主演女優を好きな人間がいて、この映画を映画館で見た上に、
生活費でDVDを買って、一緒に見たのが2年前です。
>自分なりにその理由を探ってみたところ、たぶん、イラストにも描いた亡き師ラングトンの存在でしょうか。
私の感想文にも、このヒト(?)が実は主人公ではないか?と書いていありました。
>女優とはこういうものなのかと、ただ感動に近い驚きが全編通してあって、不快感を覚える暇もありませんでした。
結局、それが言いたかったのだと思います。
映画館で見た人間は、原作も読んでいて、ほぼ主張的には間違いない作品だとの事でした。
>まあ、ラストの復讐は子供じみていてわたし的には微妙でしたが。
>具体的には思いつかないけど、もっと後味爽やかで”粋”なやり方が良かったです。
宵乃さんはお優しいような気が・・・。
私は「もっとやれ~!」的な? 彼女は可哀想だったけど、人生勉強で。
粋なやり方・・・う~ん思い付きませんね~。
ロジャー役の青年が、当時映画館で見たばかりの「パイレーツロック」の主人公でして、
キャーキャー言って見ました☆
そんなわけで・・・この映画には色々な想い出があります♪
2011/12/02 11:12 miri〔
編集〕
いらっしゃいませ!
わたしはこの作品でこの女優を気に入りました。(復讐の時以外は)どんなにみっともなくても可愛く見えたり。
> 結局、それが言いたかったのだと思います。
> 映画館で見た人間は、原作も読んでいて、ほぼ主張的には間違いない作品だとの事でした。
原作を読んだ方でも楽しめる、忠実な作品なんですかね。
ラングレンさんは原作ではほとんど出てないと見かけましたが、映画はこの表現で良かったと思います。
> 宵乃さんはお優しいような気が・・・。
> 私は「もっとやれ~!」的な? 彼女は可哀想だったけど、人生勉強で。
彼女はまあ自業自得なのでそんなに同情とかはしなかったんですけど、いくら悪い人間でも、じわじわなぶって相手を泣かせるようなのは好きになれないんですよね。「アメリ」の時と同じで。
ちょっと違うけど「スティング」のように、相手が打撃を受ける瞬間と、”してやった!”という爽快感が同時にあって、準備に時間がかかっても決着は一瞬でつくようなタイプの復讐なら好きです。
> ロジャー役の青年が、当時映画館で見たばかりの「パイレーツロック」の主人公でして、
> キャーキャー言って見ました☆
そうでしたか。その作品はいつか見たいと思っていたけど、彼が出てるんですね~。
楽しみに待ちたいと思います♪
2011/12/03 09:25 宵乃
女優の反撃はやはり舞台の上でってことなんでしょうが
新人女優を大女優がやりこめるのは、
ちょっと大人気なかったかなあとは思います
…とはいえ、彼女の晴れ晴れしいラストのビール一気飲みなんかや
若い男性との恋、チャールズ卿との関係など、
なんだか憎めなくって、とっても素敵な女優さんだと思いました
人生のすべてが女優という職業にプラスされるような、そんな感じ
クルクルと変わる表情がとても魅力的でした♪
わたしが復讐モノが若干苦手なせいもあるんですけど、あのくだりはいじめっこを見てるようでした。
> 人生のすべてが女優という職業にプラスされるような、そんな感じ
> クルクルと変わる表情がとても魅力的でした♪
ほんとうにそうでしたね~。「劇場こそが唯一の現実だ」「バカげてる」のやり取りで、ついにラングドンの呪縛から解き放たれるところも素晴らしかったです。ジュリアもジュリアを演じた彼女も、魅力的な女優でしたね!
2011/12/03 16:06 宵乃
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