忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「地下室のメロディー」観た

地下室のメロディ
製作:フランス’63
原題:LA MELODIE EN SOUS-SOL
監督:アンリ・ヴェルヌイユ
ジャンル:★犯罪

【あらすじ】5年の刑期を終え、妻の待つ我が家へと帰ってきたシャルル。しかし、妻の心配をよそに再び盗みに手を染めようとしていた。カジノの図面を手に入れ、相棒フランシスらと綿密な計画を立てる。それは、10億フランが掛かった大仕事だった。

これも再見。ラストだけはしっかり覚えていたんだけど、冒頭がなぜかロバート・デ・ニーロの「スコア」とごっちゃになってました。
で、見直してみて思ったのだけど、わたしにとってこれは冒頭の奥さんとのやり取りまでと、ラストがすべての作品っぽいです。べつに他の部分が余計というわけではなく、これだけで大満足という意味。

電車で乗客がローンを組んでバカンスに行くと話しているのを聞いて、心の中で「安月給の自由なんて…!」と毒づくシャルル。この男は一体なんだと見ていると、今度は自分の家がどこかと尋ねて回っている。そんなジャズを挟みながらのオープニングがカッコイイ。
やっと妻と対面し、彼が出所したばかりだと判明。そっけない態度だけれど、ずっと彼を待っていた健気な奥さん…もうここまで観たら、シャルルという人間のすべてがわかったようなものですよね!
だって、彼の頭の中は次のヤマのことでいっぱいなんですから。地道な生き方なんて考えられず、刑務所で過ぎた時間や自分の年なんて意にも介さない。奥さんの言葉も届かずに行ってしまいます。
そして、あのプールサイドのラストですよ。
途中全部すっとばしても納得のラスト。というか、奥さんのもとを去った時点でおのずと思い浮かぶのは(全く同じとは言わないまでも)こういうラストなんじゃないでしょうか?
完全にアラン・ドロンを無視した感想ですけど、わたしにはもうこれだけで十分の作品です。

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■ Comment

こんばんは☆

>完全にアラン・ドロンを無視した感想ですけど、わたしにはもうこれだけで十分の作品です。

それで良いのだ~!
でもきっと宵乃ちゃんには「シャルル」の映画なんだよね~。
私には「ギャバン」の映画、今年初見したいくつかの中で2番目に好き(1番はシシリアン)。

>そして、あのプールサイドのラストですよ。
>途中全部すっとばしても納得のラスト。

しかし、なんでイラストがドロン???・・・雰囲気は出てるよ~☆
(あぁ何故か今日はタメ口に・・・)
2010/12/23 19:10  miri〔編集

>miriさん

> きっと宵乃ちゃんには「シャルル」の映画なんだよね~。
> 私には「ギャバン」の映画、今年初見したいくつかの中で2番目に好き(1番はシシリアン)。

そうですね、あのどうしようもないけれど目が離せないシャルルの魅力にやられてしまいました!
でも、ちゃんとギャバンは顔と名前が一致してるので、他の作品の演技を思い浮かべながらさすがだなぁ~と思ってみてましたよ♪(ドロンは半分くらい観てからわかりました・・・)

> しかし、なんでイラストがドロン???・・・雰囲気は出てるよ~☆
> (あぁ何故か今日はタメ口に・・・)

あはは、最後の表情がよかったというのと、もろもろのお詫びです。最初はプールサイドで新聞を広げたシャルルにしようかとも思ったんですけどね。
ギャバン大好きなmiriさんの素のトークという感じでタメ口も合ってますよ~。
2010/12/24 10:54  宵乃

TBしました

6年前の、備忘録記事TBしました。

イラストは最後のプールサイドで、浮かんでくる札束を観ているフランシスですね。
こうして絵になると、ドロンが漫画に出てくるような二枚目であることが分かりますね。
でも、映画はギャバンのもの。

ベルヌイユの傑作ですね。
2010/12/24 17:02  十瑠

>十瑠さん

TBありがとうございます、後で読ませていただきますね。

> イラストは最後のプールサイドで、浮かんでくる札束を観ているフランシスですね。
> こうして絵になると、ドロンが漫画に出てくるような二枚目であることが分かりますね。

お~、大正解です!
あのシーンの彼はいい表情してました。「暗黒街のふたり」の時より若々しくて、まさしく美青年ってやつなんだろうなぁと思いながら描きました。

> でも、映画はギャバンのもの。

ですね!もう冒頭だけで、彼がどんな人生を送ってきたのか目に浮かぶようでした。
「シシリアン」もよかったけれど、ギャバンの魅力にくらっときたのはこっちかな♪
2010/12/25 11:03  宵乃

ラスト

あのラストからヒントを貰ったと思われるクイズがあありました。
僕らが小学生の頃の雑誌の推理もののクイズです。

僕が気になったのはアラン・ドロン演じる青年の義理の兄さん。
せっかく今まで堅実な仕事を続けて来たのに・・・・・・。
ラストのジャン・ギャバンの無表情で静かな演技が印象に残りました。
2011/08/21 17:08  間諜X72〔編集

>間諜X72さん

いらっしゃいませ、コメントありがとうございます。
小学生が読む雑誌とこの映画、一体どんなクイズだったのか気になります。間諜X72さんなら小学生の頃から映画関係の雑誌を読んでたり?

> 僕が気になったのはアラン・ドロン演じる青年の義理の兄さん。
> せっかく今まで堅実な仕事を続けて来たのに・・・・・・。

あ~、なんか強引に手伝わされたひとがいたんでしたっけ?
あまり覚えてませんが、夢見がちなおじさんに巻き込まれて大変だなぁと思った気がします。

> ラストのジャン・ギャバンの無表情で静かな演技が印象に残りました。

ラストはホント印象的ですよね~。無表情でも頭の中ではものすごい後悔(あそこでああしていれば的な)が渦巻いているのか、それとももう諦めて真っ白なのか、いろいろ想像してしまいます。
奥さんが知れば、「ほれ見たことか」と思いながらも優しくしてしまうのかなぁ。
2011/08/22 10:31  宵乃

クイズ

Q「二人の泥棒が大金を盗んだ。ケースに入れてプールに沈めた。
  しかし、隠す事は出来なかった。なぜだろう?」
A「札束が水を吸ってプールに浮かんでしまったから。」

こんな内容でした。

ラスト。ジャン・ギャバンが演じる男は諦めたんでしょうね。
奥さんも「ほれ見たことか。」だと思いますよ。

あの後、彼らは逮捕されるのかな?
2011/08/29 10:47  間諜X72〔編集

Re: クイズ

> Q「二人の泥棒が大金を盗んだ。ケースに入れてプールに沈めた。
>   しかし、隠す事は出来なかった。なぜだろう?」
> A「札束が水を吸ってプールに浮かんでしまったから。」

わぁ~、わざわざ教えていただきありがとうございます!
確かにこのクイズを作った人は、この作品を観ているとしか思えませんね。映画好きだと思うと、知らない人でも親しみが湧いてきます(笑)

> ラスト。ジャン・ギャバンが演じる男は諦めたんでしょうね。

諦めの表情ですか。あんな大金を目の前にして、手を伸ばすことも出来ないですしね。

> あの後、彼らは逮捕されるのかな?

どうなんでしょう、警察は札が浮いてくるまで気付きもしない様子でしたから・・・。あの奥さんのためにも、無事に帰って心をいれかえてほしいです。
2011/08/29 11:40  宵乃

ラストシーンの画

名シーンですけど、カバンが耐水性なのかよ、とか、カバン浮かぶんじゃないかなあとか思いました!
ギャバンの見せ場は序盤の、家でのシーンが中心でしたね。犯罪実行はほとんど何もしないんだもん。
2019/02/17 09:59  ボー編集

>ボーさん

鞄、浮きそうですよね~。まあ耐水性じゃなくてもお札は乾かせばいいと思ったのかな?

> 犯罪実行はほとんど何もしないんだもん。

忘れてました。実行は若者に任せてたんですね(笑)
絶対に信用できる相棒がいるわけじゃないのに実行しようとするところが、このシャルルさんのダメなところかなぁ。
2019/02/18 08:19  宵乃〔編集
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地下室のメロディー
(1963/アンリ・ヴェルヌイユ監督/ジャン・ギャバン、アラン・ドロン)
テアトル十瑠|2010-12-24 16:53
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