忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「ビフォア・サンライズ/恋人までの距離(ディスタンス)」観ました

恋人までの距離(ディスタンス)
製作:アメリカ’95
原題:BEFORE SUNRISE
監督:リチャード・リンクレイター 
ジャンル:★ロマンス/ドラマ

【あらすじ】パリへ戻る列車の中で、ヨーロッパ旅行中の青年ジェシーと出会ったセリーヌ。意気投合した2人は、途中下車しウィーンの街を見て回る。時間を忘れ、とめどなくお互いの事を話しながら過ごす2人だったが、やがて別れの時間がやって来て…。

久しぶりに再見しました。ほとんど会話だけで成り立つ作品なのに最後まで観る人を惹きつける作品だというのは初見で痛感しましたが、それが再見になっても変わらず楽しめたのが嬉しいです。
好きなシーンは、ホースでつくった虹の向こうにおばあさんを見たとジェシーが話すところ、ふたりがお互いに友人の役を演じての電話ごっこ(もとい告白)、詩人との出会い、『この世に魔法があるなら、それは人が理解し合おうとする力のこと』と話すセリーヌなどなど…。ハッとしたりキュンとしたりするシーンがたくさんありました。

それにしても、初めて会った男と異国の街を一晩中歩き回るセリーヌは、「旅情(1955)」のヒロインとは大違い。ジェネレーションギャップでしょうか。ウィーンの治安もよろしいようで、トラブルも全くありません。これでチンピラに絡まれたりしてたら興ざめなんだけども、ホントにそんな治安がいいのか気になってしまいました。
あと、どうでもいいけど『芝居に行くのを忘れてた』というセリフに毎回グサっときます。というか、この作品の最終的な印象は”芝居に行くのをすっぽかしたカップル”だったり(嘘です、ゴメンナサイ)
あの気の良さそうな青年ふたりは傷ついていないだろうか…?

終盤、ふたりが別れを意識してからの切なげな表情と、別れた後の高揚感と不安が入り混じったような表情がいい。最後の最後までふたりは自然でした。余韻も素晴らしいです。
わたし的には続編の余韻がやや勝るんですが、それでも続編を観た後ではこれの「この後どうなるんだろう…!」という気持ちが失われてしまうのが惜しい。本作が大好きで続編はまだ観ていないという方は、思う存分「恋人までの距離」の余韻を楽しんでからにするのがいいと思います。

関連記事
「ビフォア・サンセット」観ました
「スクール・オブ・ロック」観ました

カテゴリ「ロマンス」の関連記事

  • 映画「ビフォア・サンライズ/恋人までの距離(ディスタンス)」観ました
    映画「ビフォア・サンライズ/恋人までの距離(ディスタンス)」観ました
    2010/12/14

■ Comment

イーサン・ホークが

かなりイイ男になってなってますね。確かに、この映画の彼はこんな感じでした。^^

TB&コメントありがとうございました。

続編が放送されたら絶対観なくちゃ。
2010/12/15 13:53  十瑠編集

こんにちは☆

イーサン・ホーク、そっくりですネ!
このような年齢の男性を描かれるのは珍しいのでは? 本人より素敵に描かれています♪

>ハッとしたりキュンとしたりするシーンがたくさんありました。

仰る通りでした・・・この作品は、去年、映画を再び見るようになった直後に見ていて、リハビリ中だったので、今見ると色々と違う感想を持つかも?です。

>あの気の良さそうな青年ふたりは傷ついていないだろうか・・・?

これは大丈夫なような気がします・・・彼ら以外の人も誘っていると思うし?違うかな? でも、私もこの点は気になった記憶があります。

ところで、コメントを有難うございました☆

ヒッチさんのこと、嬉しかったですよ~!
もう一度その番組を調べようと思ったら、DVDにして持っていたので、さーっと見直したのですが、やはり、奥さんとお嬢さんと、素晴らしい家庭をお築きになった、普通の人間だと思いました。

「映画以外に興味はない」と言い切られていらっしゃるし、女優(や他の総て)に対する執着は、良い作品を作るためだったと、私は思います。

もし再放送があたら、是非、ご覧になってほしいです☆

プレミアム8 巨匠たちの肖像 ヒッチコック ≪サスペンスの深層≫ 
2009年11月14日(土) BSハイビジョンにて放映 1時間28分番組 

追伸:「疑惑の影」数日中に再見します。少しだけ浮かぶシーンがありますが、ほぼ忘れています。
2010/12/15 14:23  miri〔編集

>十瑠さん

いらっしゃいませ。
9年後の顔も描いているので、イーサン・ホークってこんな顔だったけ~?と思いながら描きました(笑)
デルピーも可愛かったですね~。

今回は再放送でなくgyaoで観ました。
わたしも続編をまた観たい!
2010/12/16 10:41  宵乃

>miriさん

> イーサン・ホーク、そっくりですネ!
> このような年齢の男性を描かれるのは珍しいのでは? 本人より素敵に描かれています♪

ありがとうございます!
そうなんですよ、皺がない顔って描いても楽しくないのであんまり描く気が起きません。でも、東洋人ののっぺりした顔よりはよっぽど描きやすいんですけどね。今回はなんとか納得できる出来に仕上がってよかったです。

> この作品は、去年、映画を再び見るようになった直後に見ていて、リハビリ中だったので、今見ると色々と違う感想を持つかも?です。

そうでしたか、再放送があったらぜひまた挑戦してみてください♪

> これは大丈夫なような気がします・・・彼ら以外の人も誘っていると思うし?違うかな? でも、私もこの点は気になった記憶があります。

ああいうちょっとした縁って案外いい思い出になったりするから、すっぽかされたら逆にショックも大きいかなぁと考えてしまいました。いわれてみれば、確かに他の人も誘ってそうです。

> ヒッチさんのこと、嬉しかったですよ~!
> もう一度その番組を調べようと思ったら、DVDにして持っていたので、さーっと見直したのですが、やはり、奥さんとお嬢さんと、素晴らしい家庭をお築きになった、普通の人間だと思いました。

miriさんとお話しなければずっと悪いふうに思い込んでいたと思うので、miriさんにはほんとうに感謝です。ああいう噂は他には無いようだし、もしかしたらヒッチさんを妬んだひとが大げさにふれ回ったのもしれませんね。

> 「映画以外に興味はない」と言い切られていらっしゃるし、女優(や他の総て)に対する執着は、良い作品を作るためだったと、私は思います。

わたしも彼は人間がもついろいろな面を上手に作品に生かせるひとだと思えるようになりました。「巨匠たちの肖像 ヒッチコック」も再放送があったら必ず観ますね。
「疑惑の影」は感想を書く予定なので、その時にまたお話しましょう♪
2010/12/16 11:07  宵乃

No title

 宵乃さん、こんばんは

「午後の部」は、これにしました。
マミイさんの記事「ふたり」(R・ワイズ監督)にコメントした時、推薦して頂いた作品。
(「ふたり」が、この映画に似ている、との事でした。確かに似てました(設定と雰囲気))

「電話ごっこ」のシーン、最高。(笑)
いいですね、幾つになっても憧れますよ(爆)、実生活じゃ、ああいうロマンティックで痒くなるような事なかったですから。
(多分、傍からは充分、こそばゆくなる事もしてたんだろうけど~自覚がないだけで)

「旅情」>僕も中盤に、これを思い出してました。
あと、ラスト近くでは「めぐり逢い」も。

セリーヌに比べてジェシーの書き込みが、ちょっと不足というか類型的に感じたのが、若干のマイナス点かな。
(もう一つ、会話劇なのは重々承知なんですが、それでも、会話をもう少し減らして、二人の雰囲気で見せて欲しかった)

続編があるんですね・・・、出来が良いようなのでホッとしましたが、今の所、見る気になりません。
僕は、この映画、ここで完結にしたいです。
(なので、内容、教えないでね~笑)

頭の中で整理が付いた後、いつか記事に書いてみたい映画でした。
2013/07/28 23:33  鉦鼓亭編集

>鉦鼓亭さん

いらっしゃいませ、午後の部はこちらの作品でしたか!
「ふたり」は未見の作品です。この映画に似てるとは、ちょっと気になるかも。

> いいですね、幾つになっても憧れますよ(爆)、実生活じゃ、ああいうロマンティックで痒くなるような事なかったですから。
> (多分、傍からは充分、こそばゆくなる事もしてたんだろうけど~自覚がないだけで)

あのくだりはもうキュンキュンしちゃいました。
あのふたりも無自覚だったんでしょう。いつの時代も恋するふたりは最強!?(笑)

> 「旅情」>僕も中盤に、これを思い出してました。
> あと、ラスト近くでは「めぐり逢い」も。

往年のロマンスの名作を思い起こさせるのに、意外と負けてないところが凄いですよね~。

> セリーヌに比べてジェシーの書き込みが、ちょっと不足というか類型的に感じたのが、若干のマイナス点かな。

う~ん、確かにコチラの方が彼の印象が薄いかも。というか、私的にはこの作品自体の印象が続編に負けてしまっていたり(おススメしている訳ではありませんよ~)

> (もう一つ、会話劇なのは重々承知なんですが、それでも、会話をもう少し減らして、二人の雰囲気で見せて欲しかった)

あはは、観てすぐは会話の多い作品という印象ですが、時間が経つと不思議とふたりの雰囲気だけが思い出されます。単に会話を忘れてくるだけですが(笑)
1、2年は余韻を楽しめるかも!
続編は好きですが、観たら二度とその余韻は味わえませんので、どうしても観たいのでなければ観ないままでよいと思います。

> 頭の中で整理が付いた後、いつか記事に書いてみたい映画でした。

楽しみにお待ちしておりますね♪
2013/07/29 10:46  宵乃〔編集

こんにちは

これ実際にあったら、
なんてロマンスなんだろう!って思っちゃいますけど
確かにちんぴらにからまれてたりしてたら興ざめ(笑)
治安は実際のところ悪そうな気もしますが、
であった人々もいい人たちばかりで、
そこもこの映画の良さですよね
占いのお婆さん、詩の青年
とっても素敵で可愛い作品ですね!


2016/04/16 16:35  maki編集

>makiさん

そうそう、実際に体験するのと観るのじゃ大違い。見飽きたシチュエーションを安易に使わないでくれてよかったです。

> であった人々もいい人たちばかりで、
> そこもこの映画の良さですよね

ホント、二人の特別な日を、さらに彩ってくれるような出会いばかりでしたね~。
続編でこの日のことを忘れられなかった二人に、しっかりと繋がる素敵な作品でした♪
2016/04/17 10:53  宵乃〔編集
名前
タイトル
URL
本文
非公開コメント

■ Trackback

「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)」
 この歳になって、こういうタイプの映画に反応する感性が残ってるのか、 観る前は、かなり不安でしたが、まァ、何とか反応する事が出来たみたい でホッとしています。  「ビフォ
セピア色の映画手帳|2013-08-04 14:27
恋人までの距離(ディスタンス)
(1995/リチャード・リンクレイター監督・共同脚本/イーサン・ホーク(=ジェシー)、ジュリー・デルピー(=セリーヌ)/102分)
テアトル十瑠|2010-12-15 13:49
.