忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「シシリアン」観た

シシリアン
製作:フランス’69
原題:LE CLAN DES SICILIENS
監督:アンリ・ヴェルヌイユ
原作:オーギュスト・ル・ブルトン
ジャンル:★サスペンス/犯罪

【あらすじ】マフィアの顔役ヴィットリオとの取引により、脱走に成功した”五月の蝿”こと殺し屋サルテ。久しぶりに自由を得た彼は、逃走の手助けをしたアルドの妻ジャンヌと人知れず愛し合う。やがて彼は、宝石強奪話をヴィットリオにもちかけ…。

ヴィットリオとサルテ、そしてル・ゴフ警部との攻防が楽しかったです。わたし的には警部ありきの作品ですが(…というか、原作は警部のシリーズものなんですね。さすが!)
警察は後手に回っているものの、しつこく食いつくとこが素敵です。でも、サルテの妹には「見張っている」とわざわざ忠告し、何故と問われば「俺の主義だからだ。…共犯者になるなよ。」って、超カッコいいぃー!!
ずっと追っていたサルテの犯行を止められず、ショックのあまり禁煙をやめてしまうところも人間味があって可愛いかったです。

主役サルテもいいですね。護送車の床に小さな電ノコで穴を開け、脱走する冒頭から目を引きました。窓から飛び降りるシーンもさすがドロンという感じで格好いい。
冷徹な殺し屋で女たらしだけど、妹思いでもあり、見張りの目をかいくぐり妹に別れを言いに行くのも印象的でした。

ラスト、ピンボールをして待っていた警部と、復讐を終えたヴィットリオの簡潔な会話。そして、静かな幕引きが余韻を残します。
ちなみに、シシリアンとは直訳すると”シチリア島の~”で、タイトルはシシリアンマフィアのことを指すようです。

関連記事
「地下室のメロディ」観た

■ Comment

こんにちは☆

リノ・ヴァンチェラ、すごく素敵なイラストです☆
この映画では3人が主演だと思うんですけど、この人は「影の軍隊」が辛い感じだったので(良い作品でしたけど・・・)この映画で取り返した感じで、本当に良かったです♪

でもやっぱり私はギャバンが好きだから、ずーっと昔から好きだから、マーロン・ブランドとは比べられないから(何百倍も違う)「ゴッドファーザー」を見た次の日に見てしまって、ますますあの映画が遠ざかってしまいました。

こちらのギャバンは小型ですけど、ファミリーを大切にしていたのが本当に伝わってきました。奥さんはやっぱりチョイ役でしたけどね。

ドロンはまぁまぁでした。ところでドロンが化けた人って殺されたんでしょうか?最後まで分からなくて残念でした。

>ラスト、ピンボールをして待っていた警部と、復讐を終えたヴィットリオの簡潔な会話。そして、静かな幕引きが余韻を残します。

本当に、あのシーンだけでも、値千金、マフィアものにしては珍しく、良い作品でした☆
2010/08/23 14:51  miri〔編集

こんにちは。

またまたお邪魔いたします。

この映画、内容も渋くてよかったのですが、それ以上にエンニオ・モリコーネの「ビヨーン、ビヨーン♪」てな感じのテーマ曲が妙に耳から離れません。

>>静かな幕引き
昔の映画って、敢えてみなまで言わずにサッと終わるところがしゃれてますよね(勿論今の映画にも面白いのはいっぱいありますが)。
これも久しぶりに見たくなってきました。
2010/08/23 17:01  ベガ編集

>miriさん

いらっしゃいませ~。
わたしは「ゴッドファーザー」の前日に観てしまいました。
警部のことばっかり書いてしまいましたが、ヴィットリオも渋かったですね!
おもちゃ屋で強奪方法を話し合ったり、お札を半分にして知らない相手と待ち合わせたり、”仕事”ができる男って感じでした。

> こちらのギャバンは小型ですけど、ファミリーを大切にしていたのが本当に伝わってきました。奥さんはやっぱりチョイ役でしたけどね。

マフィアのボスというより、仲良し泥棒チームのリーダーというイメージでした。
家族と義理の息子娘と部外者のドロン以外に、一緒にご飯食べたりする部下はいましたっけ?

> ところでドロンが化けた人って殺されたんでしょうか?

空港で奥さんが探してた人ですよね?
殺さなくても騙して別の場所に向かわせれば時間稼げると思うので、たぶん大丈夫じゃないでしょうか。携帯もない時代ですしね。何より、ヴィットリオは堅気に手を出させるような人じゃないですよ♪

> 本当に、あのシーンだけでも、値千金、マフィアものにしては珍しく、良い作品でした☆

わたしもこれは大丈夫でした。今夜は「暗黒街のふたり」を観る予定で~す!
2010/08/24 10:28  宵乃

>ベガさん

いらっしゃいませ、コメントありがとうございます!

> この映画、内容も渋くてよかったのですが、それ以上にエンニオ・モリコーネの「ビヨーン、ビヨーン♪」てな感じのテーマ曲が妙に耳から離れません。

あれは印象に残りますよね(笑)
たぶん口琴という楽器の音だと思います。効果音などでもたまに使われているかな。シリアスなシーンで気が抜けるような音が鳴り、わたしはちょっと笑ってしまいました。

> 昔の映画って、敢えてみなまで言わずにサッと終わるところがしゃれてますよね(勿論今の映画にも面白いのはいっぱいありますが)。

そうですね、何となくですがフランス映画に多い気がします。
たまにわからなくて「えぇ~~」ってなるんですけど、後から冷静に考えてみたらはっと気付いてじわじわ感動が広がる・・・そんな体験をすると「やっぱ映画っていいなぁ」と思います。
2010/08/24 10:41  宵乃

どちらかといえば・・・

イラストが雰囲気出ていてとても素敵です。頂きたいのですが・・・・?

「ゴッドファーザー」のプレとして「シシリアン」を観たのに、私としてはこちらに軍配をあげたい(*^_^*)。続けて「暗黒街のふたり」も観ました。とても怖い怖い映画でした。ドロンが死刑される直前にギャバンに向けたすがるような目と、開襟シャツの首周りをはさみでじょきじょき切るシーンが忘れられません。彼には幸せな役は向かないのではと思わせるほど翳りを帯びた捨て犬のような目・・・やるせない映画でした。(部屋の調度品で掛けてあった絵をごっちゃにして「和的な不思議な絵」と返信していました)

サルテぐらいにしてもらえば安心して観れるかも(笑)

>敢えてみなまで言わずにサッと終わるところがしゃれてますよね
ベガさんのおっしゃるのにまったく同感です。

> ところでドロンが化けた人って殺されたんでしょうか?
私は消されたと思い込んでいましたが、宵乃さんの返信に 『何より、ヴィットリオは堅気に手を出させるような人じゃない』 
そうですよね♪~。
妻を登場させるなんて憎い演出!ちょっと間の抜けた個性的な妻さんでどきどきはらはらしましたね。

口琴の音色を聴いてもらえばとTBしています。

※御心配かけましたが、今日は我が家のPC、おりこうさんでした。このままだったらたぶん大丈夫でしょう!
2010/08/24 14:26  bamboo編集

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
2010/08/24 17:16  

>bambooさん

いらっしゃいませ。
babooさんも「シシリアン」派ですね。どうぞイラスト貰ってやって下さい!
TBもありがとうございました。しょっちゅう忘れてしまうので、bambooさんから送っていただいて助かりました。

> 続けて「暗黒街のふたり」も観ました。
彼には幸せな役は向かないのではと思わせるほど翳りを帯びた捨て犬のような目・・・やるせない映画でした。

わたしも昨晩観たところです。彼のあの表情をみたら涙で視界がぼやけてしまいました。
不幸にも負けず前向きに生きようとしていた彼が、どうしてこんな目に遭わなければいけないのか・・・ほんとうにやるせないです。

> 『何より、ヴィットリオは堅気に手を出させるような人じゃない』 
> そうですよね♪~。

ヴィットリオのようなドンなら見ていて安心ですよね♪
夫を探す妻も、登場シーンは少ないけれどしっかり印象に残る良い役でした。

> ※御心配かけましたが、今日は我が家のPC、おりこうさんでした。このままだったらたぶん大丈夫でしょう!

そうですか、よかった~!
わたしのpcも古めなので、たまに調子が悪くなってリカバリしたりメンテナンスが大変です。しかし、落雷とはね・・・。いちおう我が家では、落雷被害防止コンセントなるものをいくつか使用してます。pc用にもう一つ買おうかな?
2010/08/25 10:22  宵乃

建設中の高速道路には驚きました。そして機長がプロ意識を発揮して着陸に努力する姿、これ多分高校生の時にテレビの洋画劇場で初めて見たと思うんですけど、パイロットになりたかったボクとしては感動した記憶がうっすらあります。リノ・ヴァンテューラ、アラン・ドロンといえば「冒険者たち」もいいですね。
2010/08/29 22:29  BBJJC

>BBJJCさん

初めまして、コメントありがとうございます。
あのシーンはなかなかの迫力でした。度胸のよさにテンションが上がってしまいます。

> パイロットになりたかったボクとしては感動した記憶がうっすらあります。

何気ないシーンやほんの少ししか出番のない脇役でも、心に残ることってありますよね~。
いい仕事をした機長のことを、これからも覚えていてあげてください。

> リノ・ヴァンテューラ、アラン・ドロンといえば「冒険者たち」もいいですね。

あれも大好きです!
3人の青春の日々は色褪せる事がありません。

BBJJCさん、今日はご訪問ありがとうございました。よかったら、またいらしてくださいね~♪
2010/08/30 11:46  宵乃

先程見ました!

恥ずかしながら、あの有名なジャン・ギャバン出演の映画を初めて見ました。
すごい貫禄ですねー!
これまた恥ずかしながら、リノ・ヴァンチェラと言う役者の存在を初めて知りました。
この二人とアラン・ドロンの共演。すごいです!
この映画はテンポが良くて退屈させませんね。ホテルにいるアラン・ドロンが警察から逃げる場面。ドロンが海岸で人妻と戯れる場面。飛行機ハイジャックの場面。そしてドロンとギャバンの対決。エンディング。
素晴らしかったです。
チョイ役では、写真屋の居場所を教える男、違法行為(?)の撮影をする写真屋が良かったです。

イラスト。思わず禁煙を破ってしまう警部の雰囲気がよく出ていますよ!
2010/10/30 18:18  間諜X72〔編集

>間諜X72さん

いらっしゃいませ~。
わたしもあまり役者さんのことは知らなかったんですが、ギャバンとヴァンチェラとドロンの共演は見ごたえありましたね~!

> この映画はテンポが良くて退屈させませんね。ホテルにいるアラン・ドロンが警察から逃げる場面。ドロンが海岸で人妻と戯れる場面。飛行機ハイジャックの場面。そしてドロンとギャバンの対決。エンディング。

ほんとに格好良くて手に汗握る展開の目白押しで、最後まで一気に観れました。三人のどの俳優さんが好きでも、ちゃんとそれぞれ見せ場がありましたしね~。

> チョイ役では、写真屋の居場所を教える男、違法行為(?)の撮影をする写真屋が良かったです。

あの警部にぶん殴られたんでしたっけ?
警部ばかりに目が行って、あまり覚えてないです(笑)

> イラスト。思わず禁煙を破ってしまう警部の雰囲気がよく出ていますよ!

ありがとうございます!
渋い大人の魅力にめろめろです。
2010/10/31 10:38  宵乃

ル・ゴフ警部

TB&コメント、ありがとうございました。

リノ・ヴァンチュラは極悪人の妹に優しくできる(実は巧妙な策略とも取れるのですが)刑事役も出来れば、「モンパルナスの灯」の悪徳画商のような根っからの悪人も出来るという貴重な俳優でしたネ。

ル・ゴフは粘り強いけれど、何かと後手後手に回るので、観ながらルパンの銭形を思い出しちゃったんですが・・(^^)
2013/12/15 21:09  十瑠

>十瑠さん

> リノ・ヴァンチュラは極悪人の妹に優しくできる(実は巧妙な策略とも取れるのですが)刑事役も出来れば、「モンパルナスの灯」の悪徳画商のような根っからの悪人も出来るという貴重な俳優でしたネ。

「モンパルナスの灯」は未見なんですが、根っからの悪人なヴァンチュラもいいですね~。やはり作品ごとにまったく違った顔を見せてくれる俳優さんって見ごたえあります!
妹への忠告はプレッシャーをかけて行動を起こさせるような意味もあったんでしょうか?
細かいところは忘れてしまったので、再見する時はそこに注目して観たいと思います。

> ル・ゴフは粘り強いけれど、何かと後手後手に回るので、観ながらルパンの銭形を思い出しちゃったんですが・・(^^)

わかります!
常時シリアスモードの銭形みたいな(笑)
じゃあルパンは…サルテにヴィットリオの頭脳をあわせた感じかな?
三人のバランスがよかったですよね~。
2013/12/16 07:15  宵乃〔編集
名前
タイトル
URL
本文
非公開コメント

■ Trackback

シシリアン
(1969/アンリ・ヴェルヌイユ監督・共同脚本/ジャン・ギャバン、アラン・ドロン、リノ・ヴァンチュラ、イリナ・デミック、シドニー・チャップリン、アメデオ・ナザーリ、マルク・ポレル/124分)
テアトル十瑠|2013-12-15 20:54
リビングで懐かしの涼映画祭 BS放送「シシリアン」
(画像は尾瀬沼) ボヨ~ン、ボヨ~ンと壊れたギターのような間の抜けた響きの音楽。 このボヨーンは確か「寅さん」の映画の何作目かでも使われていた記憶があります。もしかするとこの音なの? 当時では珍しかった電子音楽をエンニオ・モリコーネが使っ...
晴山雨読ときどき映画 bamboo part2|2010-08-24 13:53
.