忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「ディア・ハンター」感想

 | 戦争ドラマ  com(10) 

ディア・ハンター
製作:アメリカ’78
原題:THE DEER HUNTER
監督:マイケル・チミノ
ジャンル:戦争/ドラマ

【あらすじ】1968年ペンシルベニア州クレアトン。マイケル、ニック、スティーブンらは、平和な日々から離れベトナムに出征した。一度はベトコンの捕虜になるが、命からがら脱出する。だが、帰国したマイケルは、ニックがベトナムに残ったことを知り…。

はじめの日常パートから誰が誰だか把握できませんでした。
でも、出征の不安を内包した、どこか緊張感のある”幸せな日常”に緊張感が高まります。はやくこの作品に入り込みたくて、それはもう一生懸命に顔を見たんですが、戦場パートになっても見分けられず…。
ロシアンルーレットが怖かったのもあるけれど、なんだか悔しくて泣きそうになりました。

帰国後にマイケルを把握し、やっと落ち着いて鑑賞。
この時の彼には、酒場で「クソったれ」と言っていた軍人の気持ちがわかるんでしょうね。戦場を知らない者との間にある、深い深い溝が哀しいです。
終盤、マイケルが約束を果たしにサイゴンへ赴いてからは、ほんとうに胸が詰まる思いがしました。
「愛してる」の一言、ほんの一瞬みせるニックの表情。そして、マイケルの悲痛な叫びに涙が…。
ニックへの乾杯で終わる印象的なラストが余韻を残します。

■ Comment

こんばんは~!

最近、戦争映画を連続で見ているのですが
次はこれをと思っていました!
ベトナム戦争物では群をぬいて酷だそうなんで覚悟して観ます。

>はじめの日常パートから誰が誰だか把握できませんでした。
ブラックホーク・ダウンなんかも、展開が速い上に顔が汚れていくので見分けにくいです。
戦争映画特有でしょうか?
2010/07/02 23:02  hiro

>hiroさん

戦争もの連続とはタフですね~。しかも次はこの作品ですか!
ワンクッションおいて、なんて生ぬるいことはしてくれないんで頑張ってください。

> ブラックホーク・ダウンなんかも、展開が速い上に顔が汚れていくので見分けにくいです。
> 戦争映画特有でしょうか?

そうなんですよ、軍服着てるだけでもわたし的には困るのに、顔が汚れていたり、うじゃうじゃいたり見分けにくいのが多いですね。
でもこの作品は、普通のひとなら戦場シーンでちゃんと把握できると思います。わたしが顔覚えられないだけなので(汗)
2010/07/03 09:58  宵乃

お久しぶりです。

ご無沙汰しております。
残暑が厳しいですね。ちょっとHN変更しました。
この映画は内容が重く、3時間以上あると聞いていました。BS2から録画して、1時間ずつ区切って見ました。

5人の仲間の中にちょっと異様な感じがする男がいる。髪の毛が後退して額が広い。眉毛が濃くて目つきが鋭い男。
「何だ?この男は。」1時間見終わったところでwikipediaで彼の事を調べる。彼の名前はジョン・カザール。
この映画がクランクインする前に骨肉腫に蝕まれていた。映画製作者が彼に役を降りるように言う。それを聞いた監督やロバート・デ・ニーロが猛反対する。「彼を降ろすのなら俺達も降りる!」
彼は撮影中素晴らしい演技を見せる。そしてクランクアップ。しかし、映画公開前に彼は亡くなった・・・・・・。

その事を知ってから残りの2時間を見ました。仲間と楽しそうに車に乗ったり、酒場で騒いだりする彼。自分の最後の姿をスクリーンに焼き付けようとしていたのでしょうね。名演です。
この映画のマドンナ、メリル・ストリープと婚約していたそうです。しかし、結婚しないまま彼はこの世を去ってしまいました・・・・・・。
2010/08/22 16:50  間諜X72〔編集

>間諜X72さん

お久しぶりです!
ほんとうにまだまだ暑いですね。間諜X72さんも体調にお気をつけ下さい。

> この映画は内容が重く、3時間以上あると聞いていました。BS2から録画して、1時間ずつ区切って見ました。

確かに長かったですね。わたしは一気に観たのですが、疲れて話の流れが分からなくなる事がありました(そして戻して観なおしたり)。やはり、無理するより自分のペースでゆっくり観た方が良かったかもしれません。

> この映画がクランクインする前に骨肉腫に蝕まれていた。映画製作者が彼に役を降りるように言う。それを聞いた監督やロバート・デ・ニーロが猛反対する。「彼を降ろすのなら俺達も降りる!」
> その事を知ってから残りの2時間を見ました。仲間と楽しそうに車に乗ったり、酒場で騒いだりする彼。自分の最後の姿をスクリーンに焼き付けようとしていたのでしょうね。名演です。

そんなことがあったんですか、全く知りませんでした・・・。
彼や映画製作に関わった人々の映画にかける熱意が伝わってきます。時間があるときに、今度は一瞬たりとも見逃さないように、彼の演技をみてみたいと思います。
また、1時間みたところでフレドに注目して、きちんと調べて役者さんのことを知って、その上で残り2時間を堪能する・・・素晴らしい鑑賞方法ですね。彼の渾身の演技に気付いた間諜X72さんの観察眼に感服いたしました。
2010/08/23 07:31  宵乃

イラストいいですねえ!

半年以上も前のブログにコメントしていいのでしょうか?

この映画今日久しぶりに再見しました。3時間一気にみました。究極の賭けともいえるロシアンルーレット、なんでこんなアホなことするんですかね。これってどちらかが死ぬまで続けるんでしょうか?それならニックが生き残っていたって奇跡ですよね。戦争というものがもたらした狂気なんでしょうか。「戦争の犬たち」でも感じたんですが、クリストファー・ウォーケンはこういう役にはまっていますね。

イラストとてもすてきです。鹿の出てくるシーンは他と対照的にとてもきれいな映像でした。考えてみれば鹿にしてみると絶対勝てないロシアンルーレットに無理やりまきこまれているということになるんですね。

ボクはくわしくないのでわからないけど、冒頭の教会、結婚式はロシア正教会なのかしらん。昔、小学校でよくやったロシア民謡のフォークダンスがとても懐かしかったです。
2011/01/16 22:51  BBJJC

>BBJJCさん

いらっしゃいませ!
半年前の記事でも大歓迎です。たまに(いや、しょっちゅう?)内容をはっきり思い出せず、たいしたお返事ができないかもしれませんが、これははっきりと覚えているので大丈夫です。

> 究極の賭けともいえるロシアンルーレット、なんでこんなアホなことするんですかね。

おそらくニックを誘った男が胴元で、戦争廃人や金の必要な者を集めて儲けていたんでしょう。戦争で儲ける悪い奴らですが、彼らが儲けられるあの状況もやはり狂ってました。
ニックが生き残っていたのもホント奇跡ですよね。

> 戦争というものがもたらした狂気なんでしょうか。「戦争の犬たち」でも感じたんですが、クリストファー・ウォーケンはこういう役にはまっていますね。

「戦争の犬たち」は未見ですが、きっと彼なら真に迫った演技をしていたんでしょうね。ふつうの人が狂人を演じる事ができて、本当に狂った人も常人を演じる事ができて・・・なんだか変な感じです。

> イラストとてもすてきです。鹿の出てくるシーンは他と対照的にとてもきれいな映像でした。考えてみれば鹿にしてみると絶対勝てないロシアンルーレットに無理やりまきこまれているということになるんですね。

ありがとうございます。あのシーンはどこか神聖な雰囲気がありました。狩りが身近な欧米人のほうが共感できるシーンかもしれません。

> ボクはくわしくないのでわからないけど、冒頭の教会、結婚式はロシア正教会なのかしらん。昔、小学校でよくやったロシア民謡のフォークダンスがとても懐かしかったです。

おぉ、ロシア民謡とわかるところも、ロシア正教会がでてくるところもすごいです。わたしからみると十分詳しい・・・。
ちょっと検索してみたら、あの結婚式はBBJJCさんが仰るようにロシア正教式で、彼らは東欧スラブ系のアメリカ人だそうです。すごい、大正解~!
あと、フォークダンスはわたしも小中でやりました。なんかこう照れるんですよね~(笑)
2011/01/17 11:32  宵乃

ありがとうございます。それではまたいつか気がむいたら、昔のエントリーにコメントさせていただきますね。

ところで、やはりロシアでしたか。あまり自信がなかったので書かなかったのですけど、そういうことなら、マイケル・チミノはこの映画の主題ともいえるロシアンルーレットのメタファーとしたかったのかもしれませんね。

「命を奪う」ということでは本質的に同じといえるんだけど、神々しいまでのペンシルバニア山中での鹿狩りと、熱帯ジャングルの鼠の出る水上小屋でのロシアンルーレット、そして荘厳ななかにもどこか偽善を感じる教会と、何を隠すこともなく本能を満たすためだけの歓楽街の喧騒という対照性が見事です。
2011/01/17 20:17  BBJJC

>BBJJCさん

こんにちは。いつもコメントありがとうございます!
前半はどちらかというとぼや~っと観てましたが、こうやってBBJJCさんのお話を聞いていると(当然の事ながら)意味があって描いていたんだなぁと痛感です。これは、いつか時間のあるときに再見しなければ!

ひとりで観ているだけではわからない事、気づけない事ってたくさんあるので、これからもいろいろ教えてくださいね~♪


2011/01/18 09:21  宵乃

こんにちは☆

素敵なイラストです☆
あの鹿さんは、マイケルに大きなモノを伝えていたように思いますね~!

今回、恥ずかしながら初見で、今までも何回も見るチャンスはあったけど ずっと避けて来た作品でして、封切り公開時の大騒ぎも覚えています。

でも今年は同じように避けて来た「プラトーン」と「シンドラーのリスト」も見られたので、エイヤー!と、やっと見ました(笑)。

>出征の不安を内包した、どこか緊張感のある”幸せな日常”に緊張感が高まります。

日常なのですが、ちょっとイビツ感のある、不協和音の聞こえてきそうな描写でしたね。

>この時の彼には、酒場で「クソったれ」と言っていた軍人の気持ちがわかるんでしょうね。戦場を知らない者との間にある、深い深い溝が哀しいです。

ハイ、それは世界中で同じだったと思います。 日本人も帰国した夫さんやお父さんや息子さんが「人が変わってしまった」という悲劇、銃後の守りをしていた人には分からないあれこれ・・・いろんなドラマがありますよね・・・

ましてベトナム戦争は、銃後はなく、アメリカでは自由を謳歌・満喫していた時代ですものね・・・。

>終盤、マイケルが約束を果たしにサイゴンへ赴いてからは、ほんとうに胸が詰まる思いがしました。
>「愛してる」の一言、ほんの一瞬みせるニックの表情。そして、マイケルの悲痛な叫びに涙が…。

全体的にマイケルだけが丈夫で精神的にもご立派で、デ・ニーロさんらしい役柄で「チッ!」とか思いますが(笑) ニック役のウォーケンさんのこの役柄の似合う事・似合う事・・・(足を失くしたサヴェージさんの役柄もやはり似合いますよね~)

「愛してる」そのひと言を聞いた時はきっと、昔のニックに戻っていたと、私は
信じたいです!

>ニックへの乾杯で終わる印象的なラストが余韻を残します。

この監督らしく(「天国の門」しか知りませんが、あの作品の後日談のようにさえ思えました)東欧からの移民の子孫と分かるロシア正教会でのお葬式や、最初の方のダンスもロシア風で、それは良いのですが、作風もこの人らしくて長いし・怖いし・突然変わるし・・・

「プラトーン」や「シンドラーのリスト」のようには 良い作品だとは思えなかったけど、深い余韻を残して終わって、この後の日々がまさに主人公となっていくのだろうな~と思わせましたね!

今月もこの1本から、スタートです!!!
宜しくお願いしま~す☆


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2015/09/01 13:53  miri〔編集

>miriさん

> あの鹿さんは、マイケルに大きなモノを伝えていたように思いますね~!

いらっしゃいませ、いつもイラストにコメントありがとうございます。
このイラストは自分でも「いいシーンを選んだなぁ」と思っていて(笑)、仰るとおり何かを伝えている感じでした。天からの使いみたいな。

> 今回、恥ずかしながら初見で、今までも何回も見るチャンスはあったけど ずっと避けて来た作品でして、封切り公開時の大騒ぎも覚えています。

重い作品ですし、タイミングが合わないとなかなか観られない作品だと思います。
「プラトーン」と「シンドラーのリスト」、そしてこちらと波に乗ってますね!

> ましてベトナム戦争は、銃後はなく、アメリカでは自由を謳歌・満喫していた時代ですものね・・・。

どうしてこうなってしまったのか、と誰もが思ったことでしょう…。

> 全体的にマイケルだけが丈夫で精神的にもご立派で、デ・ニーロさんらしい役柄で「チッ!」とか思いますが(笑) ニック役のウォーケンさんのこの役柄の似合う事・似合う事・・・(足を失くしたサヴェージさんの役柄もやはり似合いますよね~)

あはは、確かに。
でも、印象に残るのはウォーケンさんで、デ・ニーロさんは引き立て役に徹したとも言えるかも。
デ・ニーロ出てたっけ?とか思いましたし(笑)

> 「プラトーン」や「シンドラーのリスト」のようには 良い作品だとは思えなかったけど、深い余韻を残して終わって、この後の日々がまさに主人公となっていくのだろうな~と思わせましたね!

そうですね~、少なくとも再見したいとは思わないですが、他の戦争映画で描かれない部分を補ってくれる作品として一見の価値はありそうです。
コメントありがとうございました!
2015/09/02 07:48  宵乃〔編集
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