忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「ラ・ジュテ」観ました

 | SF  com(8) 
Tag:フランス 

ラ・ジュテ
製作:フランス’62
原題:LA JETEE
監督:クリス・マルケル
ジャンル:★SF/アート

【あらすじ】第三次世界大戦後のパリ。生き残った人々は地下に潜り、捕虜を使って人体実験を繰り返していた。それは、「未来」へ行き現在を救う方法を見つけてくるための実験だった。やがて、少年時代の記憶に取り憑かれる一人の男が選ばれ…。

これいいですね。大好きです。昨日観て気に入り、すぐにイラストを描きました。
29分の作品で、ほぼすべてがモノクロ写真を使った紙芝居のようなつくり。淡々と語るナレーションと静かな音楽が独特の雰囲気を漂わせています。
また、SFなのにそれらしいものがほとんど映っていないのも特徴です。余計なものを排除してあるというか、退廃したイメージと現在・過去・未来のつなぎで全体像はSFになっているという不思議。こういうのをモンタージュと言うんですね。

ストーリーのメインとなるのが、実験の第一段階として過去へ行った男がある女性と出会い、逢瀬を繰り返すというもの。
科学者たちのモルモットである彼は、自由に彼女に会いにいける訳ではないし、いつ実験が終わるかもわかりません。ただ、再び過去へ行く実験が行われれば、逢いたい女のもとに辿り付ける。時間をも越えた、切なくもロマンチックな逢瀬です。
一方彼女も、突然現れ突然消える彼の事を”わたしの幽霊”といって愛すのでした。

一番印象的だったのが、ベッドでまどろむ彼女の姿が連続で映り、不意にこちらを向いて瞬きをする(唯一の動画)シーン! 次の瞬間には現在に戻され不気味な科学者の顔が映ります。
瞬きの瞬間に命が吹き込まれるのを感じてぞくりとし、次の瞬間には絶望を前にぞくりとするという、初めての体験でした。
ラストも非常にわたし好みで、学生の頃ショートショートに夢中になったのを思い出します。
ちなみにタイトルは”送迎台”を意味するフランス語。男が取り憑かれた記憶の場所であり、出会いと別れを連想させる場所ですね。

■ Comment

おぉ~!見た見た☆

見ましたよ~!私も昨日見たから、ブログでロードショー、ですね☆

一緒一緒!電気紙芝居と思ったし、唯一の動画場面の事も!!!
ほほほ~嬉しいわ~!

イラスト描けるって素晴らしいわ~☆
私はこうして文字でしか表現できないので、見とれました。

>瞬きの瞬間に命が吹き込まれるのを感じてぞくりとし、次の瞬間には絶望を前にぞくりとするという、初めての体験でした。

しかしこんなに素敵な文章は書けず・・・凄いですね~!

ただ、途中で、最初に見た人間の事が分かってしまうのだけが、ちょっと残念でしたが、
この時期に、これだけの未来系の映画は“よく作った”と思いました。
2010/06/01 (Tue) 19:05  miri〔編集〕  

>miriさん

ほんとブログでロードショーでしたね!miriさんの5月に観た映画に入っていたのでおっ!と思ってました。
最初は紙芝居のようなつくりに「意味あるの?」とか思っていたけれど、あの動画シーンを見た瞬間に「やられたっ!」ってなりましたよ。こんな古い作品なのに、わたしの中では初めてでしたからね~。テンション上がって絵も文章もノリノリでかけました。(いつもこんなだったらいいのに・・・)
BS2様々です!

> ただ、途中で、最初に見た人間の事が分かってしまうのだけが、ちょっと残念でしたが、
> この時期に、これだけの未来系の映画は“よく作った”と思いました。

たしかに先は読めてしまいますね。先駆的作品のさだめでしょうか。
もっと早くこの作品に出会いたかった!
2010/06/02 (Wed) 19:27  宵乃  

こんばんは。

この映画は何度か見ていて、今年になって劇場で見直しました。
自分にとって最高の映画の一本なんです。
この手法なら、予算をかけずに壮大な物語を作れそうですが、
他に成功した作品を知りません。
あの感情を押し殺した演出が、
なかなか真似できないのかなと思っています。

クリス・マルケル監督はすごい人らしく、もっと作品を見たいです。
2010/06/03 (Thu) 02:42  ケン編集〕  

>ケンさん

> 自分にとって最高の映画の一本なんです。

おぉ~、ケンさん好みの作品だと思っていたけれど、やっぱり!!
わたしも先日この作品を観た時は、運命の出会いを果たしたような感覚におそわれました。
今年劇場でご覧になったとは・・・映画館苦手なわたしだけど、これはちょっと羨ましいです。

> あの感情を押し殺した演出が、
> なかなか真似できないのかなと思っています。

淡々と静かで過不足ない感じなのに、イマジネーションを掻き立てますよね。
作家でもあり写真家でもあるということで、写真一枚一枚やナレーションに惹きこまれたのも納得です。わたしも他の作品(3作だけ?)が観たくなりました。
2010/06/03 (Thu) 11:13  宵乃  

>おぉ~、ケンさん好みの作品だと思っていたけれど、やっぱり!!

な、なぜバレたんだ~!Σ(゚д゚lll)
宵乃さん恐るべし…。

マルケル監督は、ドキュメンタリーを中心にたくさん作品がある様です。
何年か前に特集上映をやってましたが、二三本しか見れなかったな~。
2010/06/04 (Fri) 02:02  ケン編集〕  

>ケンさん

> な、なぜバレたんだ~!

あはは~、なんでだろ?女の勘かな(笑)
なんとなくナレーションの語り口調や雰囲気でケンさんを連想しました。やっぱり、知らず知らずのうちに好きな作品の影響を受けているんじゃないでしょうか?

> マルケル監督は、ドキュメンタリーを中心にたくさん作品がある様です。
> 何年か前に特集上映をやってましたが、二三本しか見れなかったな~。

ドキュメンタリー作品ですか、allcinemaで調べたらちょっとしか載ってなかったので勘違いしてしまいました。映画ではないということですかね?
BS2とかで特集してくれないかなぁ・・・。
2010/06/04 (Fri) 10:57  宵乃  

イラスト素敵!

黒い背、振り上げた左手の角度といい、ばっちり決まったイラスト!
電気紙芝居めいた、送迎台を意味するフランス語のラ・ジュテを観たいと思いました。
お芝居にしても面白そう!
でも玄人受けしそうな監督のクリス・マイケルは、私には敷居が高そうな気もします。
先日、フローズン・リバーを観れず・・・
その日にあったイラン映画「桜桃の味」(だったけ?)も録画していますが、これもまとまった時間がなく未見です。シネマは誰にも邪魔されずにゆっくり観たいですよね。
どうしても読みかけの本を優先させてしまうのよね。
2010/06/04 (Fri) 11:08  bamboo編集〕  

>bambooさん

いらっしゃいませ!
イラスト褒めていただいてありがとうございます。衝動に駆られて思わず描いてしまったけれど、ネタバレだったかもとちょっと反省中です。

> 電気紙芝居めいた、送迎台を意味するフランス語のラ・ジュテを観たいと思いました。
> お芝居にしても面白そう!

お芝居にするのは面白そうですね。雰囲気を作り上げるのが難しいかもしれませんが、セットはあまり必要無さそうだし。学園祭などで若い人たちが挑戦するのもいいかもしれません。

> 先日、フローズン・リバーを観れず・・・
> その日にあったイラン映画「桜桃の味」(だったけ?)も録画していますが、これもまとまった時間がなく未見です。シネマは誰にも邪魔されずにゆっくり観たいですよね。

観れませんでしたか・・・それは残念でした。お気を落とさず、また次の機会にね!
「桜桃の味」はなかなか味わい深い作品ですよ~。時間のあるときにゆっくりご覧になって下さい。
2010/06/05 (Sat) 11:03  宵乃  
名前
タイトル
URL
本文
非公開コメント

■ Trackback

この記事のトラックバックURL
トラックバック一覧
.