忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

ふと頭をよぎる映画「ただいま」

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Tag:中国 イタリア 

ただいま
製作:中国・イタリア’99
原題:過年回家
監督:チャン・ユアン
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】16歳の時、些細な事をきっかけに義理の姉を殺してしまったタウ・ラン。17年後、出所を控えた彼女は旧正月に一時帰宅を許されるが、すでに家は取り壊されていた。女性教育主任シャオジェは両親の家を一緒に探し始める。

気が付くとこの作品について考えている事が多いのに、最近になって「あれ、タイトルなんだっけ?」となって焦りました。とりあえず、観た映画のあらすじ等をまとめてある記録を調べたがみつからず(記録漏れ…)、結局googleさんのお世話になることに。大筋を覚えていたのでなんとか見つかりました。よかった~。
そんなわけで、ネタバレありの感想いってみたいと思います。

家に置いてあった5元をくすね、ばれそうになってタウ・ランの枕の下に隠した父親の連れ子シャオチン。母親にも義父にも信じてもらえなかったタウ・ランは、問い詰めても笑って白を切る義姉を怒りのあまり側にあった棒で殴ってしまうのでした。
たった5元のせいで青春時代を刑務所で過ごす事になってしまった彼女。…些細な事から起こった悲劇にやるせない思いがします。17年後、他の囚人たちが迎えに来た家族と再会を喜ぶ横で、ひとりたたずむ彼女の姿も切ない。

そんな彼女を見かねて声をかけたのが、帰郷しようとしていた教育主任シャオジエでした。
両親は自分が戻る事を望んでいないと落ち込むタウ・ランを励まし、屋台で食事を奢り、歩き疲れ辺りが真っ暗になっても家まで送り届けようとします。やっとアパートを見つけても、怖気づいて部屋に入れない彼女と一緒に訪ねてあげたり、上手く話せない両親と彼女の間で気を使ったりと、最後までつきあってくれるんですよね。自分の仕事に誇りをもち、最後まで見届けようとするプロ意識もあったでしょうが、家族との時間を削ってまで彼女に付き合うシャオジエが素敵です。

そして、17年の歳月を乗り越え、親子の絆を取り戻すラストには涙が…。
しかしその一方で、どうにも納得できないという感情もわきあがりました。タウ・ランが「あの5元は私が盗りました」と涙ながらに謝罪し、父親は「もういいんだ。たった5元のために…」というようなことを言って一言も謝らないんですよ!?
儒教では「親の言う事は絶対」というのはわかるんですけど、そのために”5元を盗んだ”と嘘を付かなければいけないのか。子供を平等に扱わなかった両親は悪くないのかと、その頃のわたしは憤慨してしまいました。
まあ、その”憤慨”があったお陰で、こんなにも記憶に残る作品になったんですけどね。

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