映画「トゥルー・クライム」観ました
製作:アメリカ’99
原題:TRUE CRIME
監督:クリント・イーストウッド
原作:アンドリュー・クラバン
ジャンル:★サスペンス/ドラマ
【あらすじ】北カリフォルニアのオークランド。地元新聞記者エベレットは、明朝死刑になる囚人フランクを取材する事に。ささいな事から疑問を抱いた彼は、事件を調査しフランクの無実を確信する。だが、残された時間はあとわずかで…。
ちょこちょこ気になる点はあるし(凶器は発見されなかったの?)、決定打が見つかる過程はあっけなくもあるんだけど、フランクと家族の深い愛情をみると主人公を応援せずにはいられませんでした。
まさか半日でどうにかなるとは思ってなかったので、刻々と過ぎる時間にハラハラしっぱなしです。動物園でかっ飛ばして娘に怪我させたシーンでも、いつもよりかは責める気持ちが湧きませんでした。…というか、あんな目に遭ってもパパを許しちゃう娘に驚きです。こりゃ母親似だ(長年、彼の浮気を許してきた忍耐のひと)
また、こういう題材を扱いながら、主人公と上司の会話が楽しかったり意外と重くないんですよね。
悪人もあまり出てきません。所長や看守もいいひとで、フランクの娘のためにクレヨンを探すくだりや、エゴイストな牧師を批難するシーン、フランクの最後の面会を見守るシーンなど、良心的な存在として描かれていたと思います。
正直ラストは上手くいきすぎでしょと思ってしまうのだけど、クリスマスの夜に軽く挨拶だけして去っていくラストシーンに「これも悪くないか」と思いました。
<追記感想:2017/09/28>
再見でもぐいぐい引き込まれる作品でした。今回はVカット版だったけどこれはこれでよかったです。スピーディで。
年甲斐もなく浮気ばっかりしてた主人公が、鈍りつつあった記者の勘を信じて突っ走ります。ついでに動物園も突っ走って妻子に愛想を尽かされます(笑)
動物園の件がパトカーを撒く伏線になっていたり、主人公の家族と死刑囚フランクの家族が対比になってたり、初見時では気付かなかった点にも気付けました。
それにフランクと家族のエピソードは再見でも泣けます。父親にもう会えないかもしれないと気付いていて、それを信じたくないからいつも通りに明るく振舞おうとする少女の姿に涙。
そんな彼らの救世主となるのが、真実を嗅ぎとる鼻がなければただのクソ野郎だという主人公なのがいいです。ただのクソ野郎じゃないってことを証明するために頑張ってるんですよね~。こんな人が正義のためなんて言い出したら嘘くさすぎるし、普通の正義の味方が頑張ってこういう結末になっていたらそれこそご都合主義でしかないので、こういうバランス感覚が素晴らしいと思います(原作がそうなんだろうけど)。
ラストは寂しいながらも誇りを胸に…という感じがまた良かったです。改めて好きな作品になりました。