映画「潜水服は蝶の夢を見る」観ました

製作:フランス・アメリカ’07
原題:LE SCAPHANDRE ET LE PAPILLON(仏)、THE DIVING BELL AND THE BUTTERFLY(米)
監督:ジュリアン・シュナーベル
原作:ジャン=ドミニク・ボビー
ジャンル:★ドラマ/伝記
【あらすじ】42歳の働き盛りに突然脳梗塞で倒れた雑誌編集長ジャン=ドー。身体の自由を失う”ロックト・イン・シンドローム”のため、彼に残されたコミュニケーション手段は左目の瞬きのみ。周囲の支えもあり、やがて彼は自伝を書こうと決意する。
いきなり病室で目覚めるシーンから始まり、主人公視点でベッドから動けない”もどかしさ”が体験できます。
動かない身体の代わりにきょろきょろと目を動かし、優しく語り掛ける医者との間に絶対的な距離を感じ、外から差し込む光や聞こえてくる音に病室の閉塞感は増し…。
押し寄せてくるネガティブな感情から逃れるように始まる回想シーン。その開放感に観ている側の気持ちもすっと軽くなりますが、いずれは現実に呼び戻されてしまいます。
しかし彼は、家族や友人、療法士たちの支えと、自らの努力により、瞬きでのコミュニケーション方法を会得していきます。また、自分には想像力と記憶も残されているということに気付き、以前のようにただ昔の自分を懐かしむのではなく、ほんとうの自由を手に入れるんですよね。
それに従い、彼の目は自然と美しいものを捉え、それに負けないくらいのイマジネーションの世界が広がっていきます。
彼の心が開放的になっていくのが視覚的に伝わり、その美しさに素直に感動しました。ところどころにユーモアを交えつつ、湿っぽくならず淡々と描かれていたのも好感が持てます。
■ Comment
イラストがイメチェンな感じです。
新しい道具ですか?それともソフトの変更?
映画は未見なので、コメントできません^^
イラストへのコメントありがとうございます♪
いつも描画ソフトはwindows付属のペイントを使っているんですが、グラデーションやぼかしが使いたいときだけAzPainter2を使ってました。
今回はたまたま上手くいったみたいです(笑)
これからも一進一退しつつ頑張りま~す
2010/04/10 10:07 宵乃
この作品良かったですね~。
素晴らしいイマジネーションの世界でした。
閉塞的な状況からどんどん開放感が伝わっていきて・・・ラストまでユーモアを交えつつ湿っぽくならず淡々と描かれていたのも良かったです。
私の中で今年観た映画ではかなり上位に来そうな出来でした。
2010/12/08 12:35 たそがれピエロ
いらっしゃいませ、コメントありがとうございます。
安易に難病モノとは言いたくない、素晴らしい作品でしたね。
描くのが難しい題材だと思うのに映画としてきちんとみせてくれるし、彼の生き方に学ぶ事も多かったです。ラストまで湿っぽくならなかったのは、ひとえに彼の強さのおかげでしょうね。
ユーモアや想像力が与える力というものは偉大だと思い知りました。
今でもいろいろなシーンが目に浮かびます。
2010/12/09 10:18 宵乃
>ほんとうの自由を手に入れるんですよね
素晴らしい映画でしたね。
明日虹の方にアップする予定です。
イラスト、素晴らしいですよ!
あのシーンに来た時、あぁ宵乃さんの描かれたところだと、ハッキリと、宵乃さんのお気持ちと共に、理解できたと思いました。
なかなかそういうお気持ちには、ならないかもしれませんが、宵乃さんのイラストで心が温かくなったり、明るくなりますので、お気持ちが落ち着かれたら、是非・・・お待ちしていますね♪
2011/03/16 10:50 miri〔
編集〕
> 素晴らしい映画でしたね。
> 明日虹の方にアップする予定です。
ほんとよかったですよね~。人間の可能性というか、生きる力というか、希望っていうのはやっぱりひとの心からうまれるものなんだと改めて思いました。
> イラスト、素晴らしいですよ!
> あのシーンに来た時、あぁ宵乃さんの描かれたところだと、ハッキリと、宵乃さんのお気持ちと共に、理解できたと思いました。
ありがとうございます。印象深いシーンですよね。あの作品を観た方すべてが心を揺さぶられたんじゃないかなぁ、と思います。
> なかなかそういうお気持ちには、ならないかもしれませんが、宵乃さんのイラストで心が温かくなったり、明るくなりますので、お気持ちが落ち着かれたら、是非・・・お待ちしていますね♪
そうですね~、一枚だけ描き終えたものがあったので、近々UPしますね。今は節電でTVもレコーダーもコンセントを抜いてしまいましたし(一度観はじめたら歯止めが利かない気がするので・・・)、絵を描くとなるとだいぶ時間がかかるので、どうしようか思案中です。なるべく更新できるようにがんばりますね!
2011/03/17 09:24 宵乃
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2011/03/17 18:34
こんばんは!
(今回は、事前情報を一切見ずに観ました)
難病モノは「泣かせてナンボ」が見え見えで、なるべく避けたいジャンルなのですが、
これは違いますね、中々の作品だと思います。(まだ、未消化ですが)
湿っぽくならず淡々と描かれていた>これに尽きます。
凡百の難病モノだと、患者がポジティブな気持ちになった時、明るい音楽が流れ出し、それをバックに患者が懸命にリハビリや病気に立ち向かうシーンがコラージュされていく。
この映画には、そういう安直な所がないですね。
フランス映画らしく、無理に作劇的にならず、淡々と時の流れを描いてる所がいいです。
この作品、実話がベースのようですが、実話という事に気を掛けなくても充分通用すると思います。
むしろ、ELLEなんてリアルを作品中に持ち込まなかった方が良かったんじゃないかと思えるくらいです。
「コーチ・カーター」を持ち出して悪いのですが、あの時、一つだけ書かなかった事があります。
それは「コーチ・カーター」の感動の殆んどは、実話という事が担保になってる。
(もし、あれが創作話だったら「都合が良すぎる」と一蹴されてしまう危うさがあります)
でも、この作品は実話を担保にしなくても感動できるんです、そこが凄いと思いました。
ただ一つ難点は、「三つ数えろ」のH・ホークスと同じで監督の趣味が出すぎたのか、言語療養士のアンリエットと口述筆記者クロードが似ていて、時折(しょっちゅう~笑)、区別が付かなくなってしまう所でしょうか。
三人の子供達に「たくさんの蝶が見れるように」と言い残すシーンはグッときました。(涙もろいですから)
いらっしゃいませ!
わたしもあざとい難病モノは苦手なんですが、これは本当に良かったです。感動させるんじゃなくて、伝える事を目的としている感じがよかった!
> フランス映画らしく、無理に作劇的にならず、淡々と時の流れを描いてる所がいいです。
今の日本じゃこうは撮れないだろうなぁと思ってしまいました。まず収益を考えてそうですし、分かりやすい感動という安全牌を選ばないのは勇気がいりますしね。
> 「コーチ・カーター」を持ち出して悪いのですが~実話という事が担保になってる。
> でも、この作品は実話を担保にしなくても感動できるんです、そこが凄いと思いました。
それは私もちょっと思いました。
実話かどうかで作品の重みが変わらないのは、考えてみると凄い事かも…。
> 言語療養士のアンリエットと口述筆記者クロードが似ていて、時折(しょっちゅう~笑)、区別が付かなくなってしまう所でしょうか。
あはは、やはりタイプの似ている人が複数登場すると混乱しますよね~。とくに女性はファッションや化粧で印象がころころ変わるし!
> 三人の子供達に「たくさんの蝶が見れるように」と言い残すシーンはグッときました。(涙もろいですから)
そのシーンは忘れてました…。録画とってあったかな~。また観たくなってきました。