映画「インサイド・マン(いんさいどまん)」観た

原題:INSIDE MAN
製作:アメリカ’06
監督:スパイク・リー
ジャンル:★サスペンス/犯罪
【あらすじ】白昼のマンハッタン信託銀行、4人組の銀行強盗が人質をとり立てこもった。NY市警のフレイジャーらは出方をみるが、彼らの態度には余裕すら感じられる。一方、銀行の会長アーサーは、やり手弁護士マデリーンにある事を頼むのだった。
観始めたら最後まで一気に観れました。
なんとなく全体の流れは読めるのだけど、演説や逆盗聴にはなかなか驚かされたし、子供に説教とか大量の違反切符とか笑えるシーンもあります。
ただ、わたしの記憶力が悪いせいか、観終わってすべてスッキリとはいかず、痛快とはいえませんでした。その代わり、推理や想像する面白さがあります。
→以下ネタバレ
以下、一生懸命思い出してみた犯人の動きなど。間違ってたら教えてください。
塗装業に化けて襲撃した犯人グループは4人組。少なくとも、リーダーと巨乳ちゃんはこの中にいました。
彼らは人質を集め、携帯電話を回収します。この時、反抗して殴られた(フリに見えた)支店長が会長の秘密を犯人に教えた張本人かなぁ…と思って観ていたんですが、ちゃんと怪我してましたね。少なくとも内通者だとは思いますが、犯人たちが車で顔を合わせた時にはいませんでした。
その後、人質たちに犯人と同じ服装をさせ、数人ずつ部屋に閉じ込めます。トイレ掘りをしていた巨乳ちゃんは、人質移動の際に紛れ込みました。覆面を嫌がって連れて行かれた人質の男もたぶん共犯で、トイレ掘りに回されていたと思います。この二人は車に乗っていました。…たぶん。
車の運転席にいたもう一人の男も、最終的に人質解放時に紛れたんだと思われます。カメラを壊し映像記録を削除し、回収した携帯電話や衣類の数合わせくらいはしてあった筈なので、警察はだれが犯人かわかりません。
リーダーは倉庫の二重壁の向こうに潜み、一週間後に悪事の証拠書類(処分できなかったのは会長の罪の意識の表れ?)と証拠の指輪(指輪は金庫に残していった)、たくさんのダイヤモンドを持って正面玄関から悠々と出て行きました。その時、偶然すれ違ったフレイジャーのポケットにこっそりダイヤの指輪を忍ばせます。これを辿っていけば会長の悪事を暴けるらしいんですが、指輪が彼の金庫にあったと証明できるんでしょうか? 難しくてわかりません。
そして、最後に顔を合わせるのはリーダー含め5人。その中にいる謎の老人は、取調べ中に甥がダイヤモンド商だと言っているユダヤ教聖職者のラビ。支店長ではなく、この老人が会長の秘密を嗅ぎつけた首謀者だったようですね。
復讐の切り札である証拠書類を手に、これからフレイジャーが悪事を暴けるか見守るのでしょうか…?
2018/11/09 再見
字幕版を再見しました。一度見たし記事を書く時に色々調べたはずなのに、気を抜くと犯人の動きがわからなりそうでスリリングでした(笑)
でも、そういうところも含めて引き込まれるんですよね。警察の裏をかいて出し抜く痛快さと、謎解きの楽しさがあります。
前回は自信がなかったんですが、犯人のメンバーはリーダーのダルトン、巨乳ちゃん(序盤の声がうるさくて注意されてた巨乳とは別人)、覆面を被るのを嫌がって引きずられて行った痩せ型の男、最初に穴を掘り始めた筋肉質な男(取り調べでアルメニアでもアルバニアでもないとか言ってた)、最初から銀行に来ていたユダヤ系のおじいさん。
ハッキリ描かれていないけど、殴られた支店長もやっぱり怪しく見えました。わざわざ磨りガラスの向こうに行って殴っているのは、顔に痕が残る程度には殴るけど本気で痛めつけるほどには殴っていないのを、他の人質に知られないためじゃないかなぁ。それに内部情報は必要だし、金庫の管理は彼がやってるっぽいので記録がない392番金庫にも気付けたはず。
盗聴器発見に繋がるセリフを言う警官も怪しい。でも、その「盗み聞きする連中にも気をつけないとね」のセリフは、別の訳だと「人種差別発言を控えろ」に対し「誰が聞いてるかわからないから気をつけないとね」という流れらしいです。なので犯人一味ではないみたい。
強盗の首謀者は初見時にも書いた通りラビのおじいさんでしょう。かつて銀行設立前に会長が売り飛ばした一部のダイヤをずっと追い続けていたのかな?
あと、ラストで彼らが乗っている車が、ヒトラーが設立したフォルクスワーゲン社の車だという情報を見かけました。戦時中は車生産のため収容所のユダヤ人も駆り出され、過酷な労働で死ぬ人もいたとか。あえてこの車にしたとしたら、どんな意図があるのか気になるところです。
気になったのが、会長が例の書類を処分せず残していたこと。ノベライズ版によると、392番の金庫が欠番になっているのは会長にとっても不測の事態で、彼でも自由に取り出せなかったということになってるらしいです。そんなもんなの?
他にも、物置の部屋の奥行が短くなってるのに、元通り棚を納められたのも不思議。じっくり見比べてみたところ、最初はドア側の壁と側面の棚の間に置いてあった脚立が部屋の奥の棚の目の前に移動していました。全体的に棚がドア側に移動しているから、ぱっと見ではわからなかったんですね。
意外と笑えるシーンもあって、子どもと金庫で話す時に二人とも札束に腰かけてるところが大物!
処刑ショーの後にフレイジャーが移動するシーンも笑えます。まるで動く歩道に立ってるみたいにスーッと移動するんですよ。どういう意図があったのか本気で気になる…。
最後に、盗聴した内容をスピーカーで外に流していいんかい!!
■ Comment
宵乃さん、すっごい!
私ってば、もしかしてリーダー以外の人の事、全然分かっていないような気がして来ました・・・ハハハハハと、笑ってごまかそう~!
うんうん、きっとそうだよね~!とうなずく文章ばかりです。
刑事側から見た文章が少ないですけど、犯人側から見たら、おつりが来そうなくらいシッカリとご覧になっていますよ~!
私、削除していないので、時間ができたら再見してみます。
ホント、お若い!う~ん、自分はトシだなぁ!と思いました。
それと、今日はこのページを開けて、一番に思ったのは、「うん、イイ絵」って事です。
自分が絵を描けないのに偉そうに言ってごゴメンネ!
バックも意味ありで、ホント良いイラストです☆
2010/03/30 13:26 miri〔
編集〕
こんにちは。
今回はmiriさんのレビューを読んで”気は抜けないな”と思いながら目を皿のようにして観ました。これ程の集中力を発揮したのはいつ以来でしょう・・・(笑)
でも、そんなに気合入れてみたのに疲れませんでした。面白かったですしね!
> 刑事側から見た文章が少ないですけど、犯人側から見たら、おつりが来そうなくらいシッカリとご覧になっていますよ~!
いやいや、心構えがあったのにあやふやな部分ばかりで、どうも他にも共犯者がいたような気がしてなりません。再見して他にあやしい人とかいたら教えてくださいね♪
> それと、今日はこのページを開けて、一番に思ったのは、「うん、イイ絵」って事です。
ありがと~!最近手を抜いていたので、ささやかながら背景も描いてみました。というか、顔が隠れてるので、すっごい楽だったんですけどね(笑)
これからも頑張りまっす!
2010/03/31 13:00 宵乃
何故か急に再見したくなり、見てしまいました☆
ホントは別の初見作を見る予定が・・・笑・・・最後の1本、なので そっちは来月回しです・笑。
それで、再見したい とか します とか 書いていたくせに、今まで一度も見なくてすみませんでした。
当時は宵乃さんの記事がすごいのでビックリしました。 今回はかなり冷静に、ネタばれ知って安心しながら見て、少しはコメント書かせて頂けそうな気が・・・。
でも5年以上経っているので、ココから下に書く事は、宵乃さんの再見後に読んで頂いてもけっこうですよ~、ハイ☆
>反抗して殴られた(フリに見えた)支店長が会長の秘密を犯人に教えた張本人かなぁ…と思って観ていたんですが、ちゃんと怪我してましたね。少なくとも内通者だとは思いますが、犯人たちが車で顔を合わせた時にはいませんでした。
内通者ではないと思います。 その後銀行に勤められないような気が・・・。 あの人支店長だったのですか? もっと下の人だったような気が・・・。
>覆面を嫌がって連れて行かれた人質の男もたぶん共犯で、トイレ掘りに回されていたと思います。
これは違うような気が? 掘るには遅すぎるし??? でもそうなのかも? 確認したくなります・笑。
>一週間後に悪事の証拠書類(処分できなかったのは会長の罪の意識の表れ?)と証拠の指輪、たくさんのダイヤモンドを持って正面玄関から悠々と出て行きました。
「証拠の指輪」は、貸金庫に残して、信頼できる人間(フレイジャー)に調べさせるように仕向けたんですよね~。 二人はあの短い時間で本当に(うまく書けませんが)分かり合えたんですよね~。 なのであの時は持っていなかったのです☆
>その時、偶然すれ違ったフレイジャーのポケットにこっそりダイヤの指輪を忍ばせます。
ダイヤの指輪ではなく、小さなダイヤモンドを1つ、です☆ これはフレイジャーが結婚したい彼女がいるが指輪も買えないと言っていたので、くれたんですよね・・・まぁあの証拠の指輪の事を調べるお駄賃というわけではないと思うけど・・・。 素直に貰うかどうかまでは描かれていませんでしたので、初見時は貰うと思ったけど、今回は警察に提出するような気がしました。
>取調べ中に甥がダイヤモンド商だと言っているユダヤ教聖職者のラビ。
>支店長ではなく、この老人が会長の秘密を嗅ぎつけた首謀者だったようですね。
>復讐の切り札である証拠書類を手に、これからフレイジャーが悪事を暴けるか見守るのでしょうか…?
ユダヤ人つながりで、当時は幼かったと思えるあの老人がその事(あの指輪をしていた人の一族を皆殺しにする事に会長が手を貸した事)を知り、長年かけて計画し、実行犯を選びに選んで行ったのでしょうね~? 犯人たちが良いヒトのように見えてしまうのは、やっぱりナチスの犯罪の規模が「民族絶滅」という他に類を見ないモノだったからでしょうね・・・。
今後、フレイジャーが、会長と弁護士の妨害に屈せずに、戦争犯罪を公開できるかどうかは、会長の年齢もあって時間との勝負なのでしょうね~。
実行犯たちは、二度と悪い事をせずに、国外で一生涯おとなしく過ごしてほしいですネ!
長々失礼いたしました。 自分的には5年半前にあやふやだったことがスッキリして嬉しかったです。 多分ネットで調べれば分かるんでしょうけど、自分の目で見るのが映画の醍醐味ですよね♪
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2015/08/27 21:03 miri〔
編集〕
いらっしゃいませ!
唐突に予定外の作品を見たくなることってありますよね~。
「再見したい」「観たい」と書いておいてなかなかしないのは私も同じなので、気にしなくて良いですよ。
私もmiriさんにコメントを頂いて、「インサイド・マン」を再見したくなりました!
> 「証拠の指輪」は、貸金庫に残して、信頼できる人間(フレイジャー)に調べさせるように仕向けた
> 二人はあの短い時間で本当に(うまく書けませんが)分かり合えたんですよね~。
そうだったんですか!
やっぱり、これだけ登場人物と謎が多い作品だと、一度観ただけじゃわからないですね。
> 素直に貰うかどうかまでは描かれていませんでしたので、初見時は貰うと思ったけど、今回は警察に提出するような気がしました。
真面目さが滲み出る役柄だったのかな。大手柄で出世して、自分のお金でプレゼントするという流れもいいかも。
> 犯人たちが良いヒトのように見えてしまうのは、やっぱりナチスの犯罪の規模が「民族絶滅」という他に類を見ないモノだったからでしょうね・・・。
この老人の存在が、この作品に深みを与えてました。
ナチスに比べたら、この犯人たちが正義の味方に見えますよね。
警察は頑張って最後までやり遂げて欲しいです!
> 自分の目で見るのが映画の醍醐味ですよね♪
ホント、その通りですよね。
情報が溢れてる現代だからこそ、実際に自分の目で確かめた情報の価値を大切にしたいです。
コメントありがとうございました♪