映画「座頭市血笑旅(ざとういちけっしょうたび)」観ました
製作:日本’64
監督:三隅研次
原作:子母沢寛
ジャンル:★時代劇
【あらすじ】座頭市を狙う殺し屋たちが甲州路で駕籠を襲う。だが、乗っていたのは赤ん坊を抱いた女おとよ。それというのも、旅で疲れた彼女に、市が駕籠を譲っていたのだ。責任を感じた市は、赤ん坊を父親に届けようと信州宮本村を目指す。
gyaoで観た、勝新太郎の座頭市シリーズ第8作。
以前「不知火檢校」を観てから、ずっと観たいと思っていたこのシリーズなんですが、気付くのが遅かったのか第6作からしか観てません。6,7も面白かったけれど、この作品ではなんと赤ん坊を連れて旅を始めます。
最初は「うわ、やっちゃった~」と思いながら観ていたんですが、思いのほか市と赤ん坊の取り合わせに違和感がありません。しつこい追手と戦い、”おしめ”や”お乳”、”睡眠不足”の問題ともたたかい(笑)いつもより、ほのぼの要素が強くなっていました。
でも、殺陣もしっかりみせてくれて (良し悪しはわからないけど)、寝ている赤ん坊を起こさないよう一瞬で刺客たちを仕留めるシーンとか、おしめを替えながら忍び寄ってきた刺客を斬るシーンとか格好いい。終盤のたいまつ(?)を持った男たちに囲まれて闘うシーンも凄かったです。
後半からついてくる、女スリのお香もいい味だしてました。財布目当てで近づいてきたのにしだいに赤ん坊が可愛くなり、ウグイス笛をくすねてきて市に怒られたり。あざといといえばあざといんだけれども、赤ん坊に恥ずかしくない人間になろうとだんだん変わっていく姿は憎めないものがあります。
ラストは思いがけずボロ泣きでした。
ネタバレですが、「おじちゃんは坊やと会ってもわからないから、坊やがおじちゃんの顔を覚えておくんだぞ…」と赤ん坊に自分の顔を触らせるとこで涙腺崩壊。口、鼻と順に触らせて、目のところで「これは、無いんだ」と言うのが切ない…。
北野さんの「座頭市」の良さがわからなかったのだけど、このシリーズを観はじめてますます分からなくなりました。
できれば最初から観たかったなぁ。