映画「地下水道」観ました

ふたたび暗い穴の中へ…。
製作:ポーランド’56
原題:KANAL
監督:アンジェイ・ワイダ
ジャンル:★戦争ドラマ/サスペンス
【あらすじ】1944年、ポーランド。ソ連軍に呼応し、ポーランド国内軍はワルシャワ蜂起を開始した。だが、ドイツ軍の反撃にあい、壊滅的な打撃を受けてしまう。逃げ場を失ったレジスタンスたちは、決死の覚悟で地下水道へと逃げ込む。
恐ろしい映画でした。
地下水道からの脱出が大部分なんですが、暗闇と悪臭、入り組んだ道、足にまとわりつくような汚水、敵に見つかったら命はないという恐怖が、じっとり迫ってくるような感じがします。その暗闇に浮かぶ白い肌が美しいこと…。
やがて、悪臭を毒ガスだと騒ぎ散りじりになってしまう者や、耐えきれず外に出て撃ち殺される者、発狂してオカリナを吹きながらさまよう作曲家など、絶望的な状況に追い込まれてゆきます。
そんな中、負傷した恋人を支えて歩くデイジーは諦めようとしません。怪我人を支えて歩くなんて男でも辛いのに、出口を見つけても彼が登れないからと引き返してしまうほど。
彼女たちを待っているものもやはり絶望的な状況なんですが、最後まで彼のこころを支えるデイジーの強さに圧巻されました。
あの河の向こう岸に、彼らを見殺しにしたソ連軍がいたのでしょうか?
同じく諦めずに出口を探していた隊長の最後の決断も胸を刺すようです。
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■ Comment
昨日のコメントのお返事を有難うございました☆
宵乃さんのお返事と、アスカパパさんとのやり取りと、
全然知らない人のあるページのおかげで、
チブルスキーさんはこの映画には出ていないけど、
マチェクはこの場所に居たことになった状態で、
灰とダイヤモンドが作られた・・・という感じの結論に達して、
とっても嬉しいです。有難うございました。
最近、国会中継が多いですね・・・仕方ないです。
百万両がオンエアしただけでも良しとせねば・・・。
私はこの映画を見ていて、段々自分自身が
“汚水に浸かっている”ような気分になって来て、気持ち悪くなってきて、
普通に呼吸が出来る、平和の幸せをしみじみと有難く感じました。
>あの河の向こう岸に、彼らを見殺しにしたソ連軍がいたのでしょうか?
戦勝国ですが、ソ連って、日本に対してもすごい事したし、
アウシュビッツでも解放後に良くない事をたくさんしたらしいですね・・・
本当に戦争ってダメですね、イヤですね!
一日も早く、世界中から戦争がなくなり、平和になりますように・・・。
2010/03/03 13:28 miri〔
編集〕
とりあえず、アスカパパさんの「地下水道」の記事だけ読んできました~。
「灰とダイヤモンド」とのつながり・・・勉強になります。教えてくれてありがとうございます!
> 最近、国会中継が多いですね・・・仕方ないです。
> 百万両がオンエアしただけでも良しとせねば・・・。
それは心底ほっとしてます。よかったぁ~。
> 私はこの映画を見ていて、段々自分自身が
> “汚水に浸かっている”ような気分になって来て、気持ち悪くなってきて、
> 普通に呼吸が出来る、平和の幸せをしみじみと有難く感じました。
そうですね、画面からじめっとした空気が伝わってきそうでした。
戦争の恐ろしさも身にしみたというか、絶対駄目なんだということを強く思います。高校の授業でこの作品をみせてもいいかもしれませんね。
2010/03/04 07:36 宵乃
こんにちは。
悲しい話でした。
あれだけの苦難。
仲間の為、恋人の為、家族の為、同胞の為、かろうじて折れずに辿り着いた先が、ナチスの銃口や鉄格子。
イラストのシーンは、本当に印象的なシーンでした。
明るい地上(自由な世界)を前にしながら出ることが出来ず、再び、陽の当たらない世界(ナチス→ソ連)へ戻らねばならない絶望感。
ポーランドの人達の過去と未来を示すシーンが、気持ちを地下水道よりも暗澹とさせてくれます。
「めぐり逢えたら」
婚約者が哀れですよね、何も悪い事してないのに。(笑)
10年若かったら、絶対、メグ・ライアンのファンだったと思うので、彼女の作品を3本続けて観たのですが・・・。
ご都合主義と予定調和は彼女の為にある(笑)、そんな、映画ばかりでした。
悪くはないんだけど、突き抜けるものが全然無い。
「ユー・ガット・メール」なんて、この作品の男女逆転版でしかなかった(作品的には「ユー・ガット・メール」の方が幾らか良い気がします)。
両作とも、片方が相手を知ってるのに、もう片方は相手を知らない、というのはアン・フェアで厭ですね。
いらっしゃいませ、コメントありがとうございます!
そうなんですよね、必死で戦って生き抜こうとした挙句に、あの絶望…。怖い映画という印象が残ってしまっていたけれど、本当に悲しい話でした。マンホールのシーンも一生忘れられないと思います。暗所恐怖症ぎみな鉦鼓亭さんならなおさらですよね…!
> ポーランドの人達の過去と未来を示すシーンが、気持ちを地下水道よりも暗澹とさせてくれます。
わたしは勉強不足で、そこら辺がぼんやりしちゃって…。いつか、ポーランドの歴史を勉強し直してから再見したい作品です。
「めぐり逢えたら」にもコメントありがとうございました♪
「めぐり逢い」へのオマージュでありながら、あのヒロインの行動はそれをぶち壊してますよね~。婚約者が「逢びき」の夫と同じセリフを言ってた気がするけど(リスニング出来ないから自信ないけど)、それを言わせたかったから?
にしても、彼の扱いが悪くて後味悪かったです。
> ご都合主義と予定調和は彼女の為にある(笑)、そんな、映画ばかりでした。
そうなんですよ~、「ユー・ガット・メール」もなんだか再見する気が起きなくて。わたしが覚えてる彼女の作品の中では「戦火の勇気」が一番かな。
> 両作とも、片方が相手を知ってるのに、もう片方は相手を知らない、というのはアン・フェアで厭ですね。
一歩間違うとストーカーですよね(笑)
せめてコメディ要素として使ってほしいところです。