忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「丹下左膳餘話 百萬兩の壺(たんげさぜんよわ ひゃくまんりょうのつぼ)」再見しました

 | 時代劇  com(17) 
Tag:日本 

丹下左膳餘話 百萬兩の壺再見
製作:日本’35
監督:山中貞雄
原作:林不忘
ジャンル:★時代劇/コメディ/ドラマ

【あらすじ】ある小藩に伝わる”こけ猿の壷”に、百万両の在りかが示されていると判明した。だが、壷は婿入りした弟・源三郎に譲っており、彼もすでに手放してしまっていた。一方、矢場に居候する用心棒・左膳は、孤児・安吉を引き取り…。

待ちきれなくて金曜の朝に観賞しました。
…やっぱり何度みても面白い!!
というか、再見だからこそ気付くことってありますよね~。
たとえば、タイトルが「丹下左膳余話」ではなく「丹下左膳話」だったとか、あらすじで”彼もすでに手放してしまっていた”とあるけど本当は”たった一つの引き出物さえ取り戻しに来た兄に腹を立てて売払った”だけだったとか…。
って、ただの私の勘違いじゃんっ!

…まあ、それは置いといて、やっぱり楽しいのは擬似家族のやりとりです。
初見の記事にも書いた、”ぜったいに嫌だ、ぜったいやらない”と言っていたことを画面が切り替わるとちゃんとやっている可笑しさったら!
女将は”ツンケン”してたのががらっと変わるのだけど、左膳の場合はあっちへ行ったりこっちへ行ったり、大きな目がきょろきょろしちゃって、本音は違うってことがまるわかりなんですよね。顔は怖いから、余計にその様子が可愛く見えてしまいます。
金魚屋でちょび安が”なんで人間にはふたつ眼があるかわかる?”と隻眼の左膳に話し始めるとこも可愛い。どっからどう見ても仲良し親子です。

左膳と女将の口喧嘩が始まってからの、しんみりムードもいいですね。
今まで口では悪く言っていても、画面が切り替われば何の問題もなかったように上手くいっていたのに、ここでは違うというのがニクイ。
ちょび安が家を出て、お餅が膨らんでいく映像がなんとも寂しいんですよ。庭から通りをみると、壺を抱えてうなだれたちょび安がとぼとぼと歩いていて…。
それに気付いたふたりが町を走り回り、橋のところで優しく声をかける場面では何度観てもジーンとさせられます。
でもその後、左膳が六十両泥棒(?)を斬り捨てたりするので油断は禁物。左膳の纏う雰囲気の違いに息を呑みました。

そして、またまた楽しいのが道場破り。ピョンピョン跳ねまわる戦い方や、源三郎と壁際で「びた一文負けねぇぞ」と取り引きするところで大笑い。
(…でもあれか、あの戦い方は隻腕だからか? 他の丹下左膳シリーズを観たことがないからわからないけど、もしかして笑いどころじゃなかったのかも…ま、いいけど。)
ラストもほのぼの幸せ家族という感じで大好きです。ついでに山中貞雄監督の「河内山宗俊」「人情紙風船」も再見したけど、やっぱり笑って観られるこの作品が一番好きだと、つくづく思ったのでした。

今回「ブログDEロードショー」に参加してくださった皆さん、ありがとうございました。みんなと一緒に観ているんだと思うと、大好きな作品をよりいっそう楽しめるものなんですね!
「ブログDEロードショー」という企画では様々な作品との出会い、あたらしい発見があり、ほんとうに感謝です。
ですが、これ以上夕飯でデジャヴが続くと暴動が起きかねない感じなので(笑)、これからは映画を観て、みなさんのところにコメントにうかがうという参加方法でいきたいと思います。要領が悪くてごめんね~。
それでは皆さん、これからも素敵な映画ライフを…。

関連記事
第7回「丹下左膳餘話 百萬兩の壺」を観ませんか?
映画「丹下左膳餘話 百萬兩の壺」観ました

■ Comment

こんにちは。

とても面白く観させていただきました。
丹下左膳ということだったので、もっとチャンチャンバラバラがある作品かとも思っていたのですが、楽しい、そしてちょっぴり感動する作品になっていて笑いながら観賞できました。(^^)

あの絶対にやらない!といったり、道場!いいえ、寺子屋!と叫んだ後、かならず左膳の方が折れてしまっているのは、判っていてもツボに…まさしく、百万両の価値のあるツボでした。(^^;

あの左膳の特異な殺陣はやっぱり片腕のせいでしょうかね。変わってて面白かったです。

では、今回は楽しい作品のチョイス、ありがとうございました。

トラックバックさせていただきました。
2010/02/28 (Sun) 15:43  白くじら編集〕  

>白くじらさん

コメント&TBありがとうございます。
楽しんでいただけたようでほっとしました。
丹下左膳のシリーズを知っている方には、かなり特異に映るでしょうね。わたしは全く知らずにみたので、初見では左膳が隻腕だということすら最後の方まで気付きませんでした(笑)

> あの絶対にやらない!といったり、道場!いいえ、寺子屋!と叫んだ後、かならず左膳の方が折れてしまっているのは、判っていてもツボに…まさしく、百万両の価値のあるツボでした。(^^;

あれは笑えますよね~。”百万両の価値のあるツボ”とは上手い!
きっと若いひとでも楽しめると思うのですが、やっぱり白黒で古い時代劇となるとなかなか観ないというのが残念です。

> あの左膳の特異な殺陣はやっぱり片腕のせいでしょうかね。変わってて面白かったです。

お、白くじらさんもそう思われますか。やっぱりバランスが違ってくるんでしょうか。
素早い動きに驚かされつつも、ちょっと笑えますよね。
2010/03/01 (Mon) 07:30  宵乃  

見たかった作品

こちらのレヴューで拝見してから、見たいなぁって思っていた作品なので、この企画でなくても鑑賞したと思うのですが、こうして私が見たいと思ったキッカケをくれた宵乃さんの主宰の回の企画で皆さんと一緒に見られて本当に嬉しかったです。

>待ちきれなくて金曜の朝に観賞しました。

良かったですね☆
私は今回は土曜日の夜にゆっくりと鑑賞しました。

映画の内容は、思っていた感じと違ったのですが、皆さんのレヴューを読んで、また印象も変わるかもしれません。DVDに保存したので、いつか時間を開けて再見しようと思っています。

今回は本当に有難うございました。
これからもどうぞ宜しくね☆
2010/03/01 (Mon) 16:26  miri〔編集〕  

私も待ちきれなくて

今回は金曜日に観ました(ただし女子フィギュアスケートを観終わってから)。

>ちょび安が家を出て、お餅が膨らんでいく映像がなんとも寂しいんですよ。
そうそう、この映画、笑いだけじゃなくてしんみりさせるところがこれまたいいですよね~。父親が死んでしまったことを知ったちょび安が、縁側にぽつんと座ってる後姿もまたなんとも切ないです。

私も三作品の中では断然コレ、です!失われてしまった山中貞雄映画の中には、きっと同じようなコメディもあったのでしょうね...ホント残念です。
2010/03/01 (Mon) 23:50  mardigras  

こんばんは。

宵乃さんがお勧めする作品を是非みなさんと一緒に観たかったのですが、録画できず残念ながら今回は不参加です^^;

内容のほうは映画を観ていないので、よくわかりませんが、一度聞くと忘れないようなタイトルなので、いつか観れる機会があったら、その時に観たいと思います!
2010/03/02 (Tue) 00:19  たそがれピエロ  

>miriさん

コメントありがとうございます。
わたしも企画でみなさんと好きな作品を観れて楽しかったです。

> 映画の内容は、思っていた感じと違ったのですが、皆さんのレヴューを読んで、また印象も変わるかもしれません。DVDに保存したので、いつか時間を開けて再見しようと思っています。

違う見方を知って印象が変わることもありますよね。
わたしも保存してあるので、二年くらいしたらまた観ようと思っています。
今回は本当にお世話になりました。これからもよろしくお願いします♪
2010/03/02 (Tue) 07:08  宵乃  

>mardigras さん

お、mardigras さんも金曜日に観ましたか。今回は録画する前からそわそわして、ビデオデッキと地デジレコーダー両方で録画してしまいました(笑)

> この映画、笑いだけじゃなくてしんみりさせるところがこれまたいいですよね~。

まさに人情喜劇って感じですよね~。ちょび安の境遇を考えると、もっと暗い話になっても仕方がないのに、こんなにも笑顔にさせてくれる。あらためて凄い作品なんだなぁと思います。

> 私も三作品の中では断然コレ、です!失われてしまった山中貞雄映画の中には、きっと同じようなコメディもあったのでしょうね...ホント残念です。

そうなんですよね。こんな作品他にはない!と思っていたけど、彼の作品が残っていれば「これもいいけど、あれも捨てがたい」みたいな嬉しい悩み(?)もあったかもしれないんですよね・・・。奇跡的にどこかから発見されたりしないかなぁ~。
2010/03/02 (Tue) 10:52  宵乃  

>たそがれピエロさん

そうでしたか、それは残念でした。
気を取り直して、また次回のブログDEロードショーで一緒に楽しみましょうね。

> 内容のほうは映画を観ていないので、よくわかりませんが、一度聞くと忘れないようなタイトルなので、いつか観れる機会があったら、その時に観たいと思います!

ありがとうございます。
「丹下左膳 百万両の壺」というリメイク作品があるので間違えないでくださいね~。あ、カラーだから間違えようがないか(笑)
2010/03/02 (Tue) 11:02  宵乃  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
2010/03/05 (Fri) 22:21    

おはようございます☆

昨日「人情紙風船」を見ました。感激で胸がいっぱいです。素晴らしい作品です。

ちょっとした演出が、今ではありふれたモノもあるのかもしれないけど、このフィルムで見ていると、斬新な感じがして・・・浪人の妻に心情を重ね合わせ・・・ラスト間際の演出とラストシーンは、本当にいつまでも余韻の残る、私の心に残っていくと思います。

監督が戦場で書いた日記に「この作品が遺作ではチトサビシイ」と書いていらしたけど、この作品の公開日に出征なさって、本当にもっとたくさん映画が作りたかったのだと思うけど、70年以上も後の私達にこんなに感動を残してくれて、感謝でいっぱいです。

「河内山宗俊」はまだです。近日中に鑑賞します。
この監督の事を教えてくれて、宵乃さん、本当に有難う~♪
2010/03/06 (Sat) 09:31  miri〔編集〕  

>miriさん

いらっしゃいませ!
昨日は優しいお言葉を頂いて、本当に嬉しく思いました。ありがとうございます。これからも仲良くしてくださいね。

> 昨日「人情紙風船」を見ました。感激で胸がいっぱいです。素晴らしい作品です。

この作品、お気に召しましたか~。
どこか気楽な長屋の人々と、哀愁をおびた浪人の姿が対照的ですよね。哀しくて切ないラストですが、miriさんの仰るとおり、いつまでも心に残るシーンだと思います。
「河内山宗俊」にも印象的で物悲しいシーンがあるんですよ。(お楽しみに!)

> 70年以上も後の私達にこんなに感動を残してくれて、感謝でいっぱいです。

映画の良し悪しに時代なんて関係ないと改めて教えられました。監督や制作に携わった人々の思いが、モノクロの世界に永遠に息づいているようです。
私たちの感動が監督にも伝わるといいですよね。
2010/03/06 (Sat) 12:08  宵乃  

もう三月の半ばですが、ようやく記事を書けました。
遅くなってすみません。
すこし調べ物をしていたので…結局分らなかったんですけど。

>やっぱり楽しいのは擬似家族のやりとりです。

「この二人、実際はどんな関係なんだろう?」って思いもあって、
普通の家族にはない艶っぽさがほのかに感じられるのが、
個人的には面白かったです。

餅がふくらむなどの映像的魅力は、
サイレント映画を撮っていた人ならではの腕かな。
最後の変なバトルは、最高におかしいですね。
未見の名作を見れてよかったです!
2010/03/16 (Tue) 23:37  ケン編集〕  

>ケンさん

あ、記事アップしたんですね、さっそく読ませていただきます!
しかも、色々調べてから書こうとしてくださるなんて、ありがとうございました。

> 「この二人、実際はどんな関係なんだろう?」って思いもあって、
> 普通の家族にはない艶っぽさがほのかに感じられるのが、
> 個人的には面白かったです。

そうそう、実はわたしも最初はそれが気になってました。いつの間にかちょび安と親バカふたりの可愛さに忘れてましたが(笑)
あからさまじゃないところがまたいいですよね。

> 餅がふくらむなどの映像的魅力は、
> サイレント映画を撮っていた人ならではの腕かな。

おお、サイレント映画!
2、3回しか観たことがないけれど、制限されているからこその豊かな表現が好きです。
山中監督のサイレント映画、観てみたかったなぁ~。
2010/03/17 (Wed) 09:37  宵乃  

遅くなりました。

宵乃さん(^^)こんばんは!
いつもありがとうございます。

この作品、やっと届いて鑑賞する事ができました。(^^)後手になってしまいまして本当に申し訳ありませんでした。

以前から観たいなぁ とは思っていたのですがなかなか観れずにいた作品。きっかけを与えて頂いて良かったです。

いやぁ、噂に違わぬ素晴らしい作品であり、とっても面白かったです。(^^)
自分は終始、ニタニタしながら観ていました。
一方、しんみりとさせられるシ-ンなんかもありましたし、何より愛情、人情が感じられた温かい作品だと思いました。
こうした映画は今では、なかなか観られない良い作品だと思います。

本当に笑えて、堪能出来た作品です。選んで下さいまして宵乃さん、ありがとうございます。(^^)
2010/04/01 (Thu) 18:39  ユウ太  

>ユウ太さん

いらっしゃいませ。コメントありがとうございます。
こちらこそ、手に入りにくい作品を選んでしまい申し訳ありませんでした。でも、他にも借りているひとがたくさんいるのがわかって、それはちょっと嬉しかったりしてます(笑)

> いやぁ、噂に違わぬ素晴らしい作品であり、とっても面白かったです。(^^)
> 自分は終始、ニタニタしながら観ていました。

気に入っていただけてよかった~。そうですよね、ニタニタしちゃいますよね!
最近の邦画は泣かせようとか驚かせようとかばかりで、こういう幸せ感が足りないと思うんですよ。ほんと、貴重な作品だと思います。

あとでユウ太さんのブログにも伺いますね~。
2010/04/02 (Fri) 07:17  宵乃  

弘法大師だって、こうは書けめえ!

こんばんは!

例え台詞回しがダメで演技も?な人でも、この人以外には絶対出来ないハマリ役というのがあるんですよね。
この作品の喜代三姐さん、「隠し砦の三悪人」の上原美佐さん、それと失礼だけど「赤ひげ」の加山雄三さん。
(新橋)喜代三さんは日本映画史上、尤も艶っぽい姐さんだと思います。
玄人さんだからって言いますが、じゃあ本物の芸者さんを連れてくれば皆こうなるか、って言うと決してそうはならない。
当人の素質と監督の演出力の結果だったと思います。

道場破りの掛け合いの絶妙さも最高なんですが、爺やと奥方が遠眼鏡で壷と浮気を発見する一連のシーンも大好き。
それと、姐さんがちょび安に竹馬が何故駄目かと言い聞かす理由も可笑しくて好きです。
「医者の子供が竹馬に乗るのは患者を増やすためだ」(笑)

山中版「百万両の壷」は3本フィルムが残ってるそうで、フィルムセンター所蔵のモノが一番保存状態が良く、それがDVDになってるのですが、
僕が40年前「文芸地下」で初めて観たモノは、それと違うフィルム、冒頭3分くらい思いっきり何喋ってるか解りませんでした。
「これは、エライものを観に来てしまった」と焦りましたよ。(笑)
ただ、DVD版より、ラストのちょび安が柳生屋敷に並ぶシーンは、僕の観たフィルムの方がずっと長いんです。
(※DVDのセレクトで「幻の場面」付きで再生すると、僕が観た長さになります)
2012/06/24 (Sun) 22:30  鉦鼓亭編集〕  

>鉦鼓亭さん

いらっしゃいませ、コメントありがとうございます!
この作品についてお話できて嬉しいです~。姐さんはホント素敵ですよね。この作品以外の彼女はよく知りませんが、彼女じゃない姐さんは想像できません。

> 玄人さんだからって言いますが、じゃあ本物の芸者さんを連れてくれば皆こうなるか、って言うと決してそうはならない。
> 当人の素質と監督の演出力の結果だったと思います。

お~、確かに。本物より本物っぽく見せるのが映画ってことでしょうか。

> それと、姐さんがちょび安に竹馬が何故駄目かと言い聞かす理由も可笑しくて好きです。
> 「医者の子供が竹馬に乗るのは患者を増やすためだ」(笑)

あはは、そこ忘れてました。そんなお茶目な姐さんが好きです。可愛いですよね~。

> 僕が40年前「文芸地下」で初めて観たモノは、それと違うフィルム、冒頭3分くらい思いっきり何喋ってるか解りませんでした。
> 「これは、エライものを観に来てしまった」と焦りましたよ。(笑)

そんなに酷かったんですか(笑)
3本フィルムが残っていてよかったです。技術が向上すれば、もっと綺麗な音に直せるかな。

> ただ、DVD版より、ラストのちょび安が柳生屋敷に並ぶシーンは、僕の観たフィルムの方がずっと長いんです。

そんな違いがあるんですね。BSのオンエアはどうだったんだろう。どうせならまるごと綺麗にHDリマスターしてほしいです。
2012/06/25 (Mon) 11:01  宵乃〔編集〕  
名前
タイトル
URL
本文
非公開コメント

■ Trackback

この記事のトラックバックURL
トラックバック一覧
昭和十年六月の攻防 ― 『丹下左膳餘話 百萬兩の壺』
  丹下左膳餘話 百萬兩の壺   出演:大河内傳次郎 喜代三 沢村国太郎 監督:山中貞雄 制作:日本 昭和十年 [DVDで鑑賞]   ...
そのスピードで|2010-03-16 23:27
丹下左膳餘話 百萬兩の壺
江戸は広い。10年かかるか、20年かかるか…まるで仇討ちのようだ。 1935年製作国:日本監督:山中貞雄原作:林不忘製作:日活京都撮影所製作総指揮:脚本:三村伸太郎撮影:安本淳音楽:西悟朗amazon.co.jpで詳細を見る。 柳生一門に伝わる「こけ猿の壷」。その壷には百...
MOVIE-DIC|2010-02-28 15:35
.