映画「僕のピアノコンチェルト」観ました
製作:スイス’06
原題:VITUS
監督:フレディ・M・ムーラー
ジャンル:ドラマ/音楽/コメディ
【あらすじ】人並み外れたIQと、優れたピアノの才能をもつ少年ヴィトス。父親が発明家として成功したのを機に、両親の夢であるピアニストへの道を歩み始める。だが、それを息苦しく感じていたヴィトスは、唯一の理解者である祖父に助言をもらい…。
ちょっと前にBSで観た作品。
直後はすごく面白いと思ったのに、いま思い返すと印象に残っているシーンがあまりない事に気づきました。音楽が好きな人ならラストのコンサートを覚えているんでしょうね。
内容は、邦題から連想するほどピアノをメインとした作品ではありません。天才に生まれたばかりに周囲と馴染めず、過剰な期待をかけられた少年が、試行錯誤しながら自分の道をさがす物語です。
両親は自慢の息子をピアニストに育て上げようと必死なんですが、決して悪い人たちではありません。少々”天才の親”という意識が強すぎるだけで。ヴィトスも両親が好きなので、天才だという事を証明するため皆の前で無理やり弾かされた時も、わざと簡単な曲を弾いて皆に「やっぱり」と思わせてから本領発揮してみたり。反抗はするけど、両親と自分の自尊心を傷つけたりはしないんですよね。
一番の理解者である祖父との交流も心温まります。パイロットになる夢を捨てきれず、ヴィトスと人力飛行の翼を作ったり、将来に迷う彼に「迷った時は本当に大事なものを手放すことだ」と大事な帽子を捨ててみせたり、とても素敵なお爺ちゃんでした。
後半はコメディな展開で楽しいものの、家族をピンチから救うために大金を稼ぐというのが微妙に物足りない気がします。もっと天才らしい奇抜な解決策を見せてほしかった…。それで大金を使って本格的飛行訓練シミュレーターを買っちゃうお爺ちゃんには笑いましたが。