製作:アメリカ’72
原題:COLUMBO: A STITCH IN CRIME
監督:ハイ・アヴァーバック
ジャンル:★ミステリー
新薬の功績を独り占めしようと、協同研究者ハイデマン殺害を目論む心臓外科医メイフィールド。ハイデマンの心臓外科手術を任された彼は、弁の縫合に適さない糸を使った。だが、看護婦に感づかれ、殺害して麻薬を巡るトラブルに見せかける。
<ネタバレあり>
前回書いた「刑事コロンボ/構想の死角」から週2で観ていたものの、タイミングが悪かったり印象が薄かったりでなかなか書けず…。でも、今回は犯人がインパクト大(笑) 犯人との駆け引きや事件解決の鮮やかさも、(わたしが観た)コロンボ・シリーズのなかで際立ってました。
まず、顔からしてすでに印象的な犯人なんですが、冷静で頭がよく、更に障害となる者は容赦なく殺してしまう冷酷さも持っています。「構想の死角」の犯人は想定外の状況で殺人をおかしてコロンボに尻尾を掴まれてしまいますが、メイフィールドの場合は看護婦、麻薬中毒患者と次々殺しているのにもかかわらず証拠を残さないんですよね。
かなり早くからコロンボの有能さに気づき、焦ることなく手を打っていく彼は、まさにコロンボの相手にふさわしい存在と言えるでしょう。
そしてコロンボも、看護婦の死を聞いても冷静に時計の針を直していたメイフィールドに、始めから疑いを持っていました。この殺人事件がハイデマン殺害計画を発端にしていると気づき、その推理を聞いて笑い出したメイフィールドに怒りを顕にするシーンが格好いい!
『ハイデマン博士の面倒をよくみることだ。もし死んだら、検死解剖を要求するからな!』
これを聞いて、彼は本当に殺したかった相手を生かさなければならなくなります。そのために再手術を行い、溶ける糸を回収、本来の糸で縫合し直すんですが…。
手術室に踏み込んできたコロンボたちから、決定的な証拠をどう隠すか?コロンボは見つけられるのか?
痛快なクライマックスには思わず唸ってしまいました。