忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「容疑者Xの献身」観た

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Tag:日本 

容疑者Xの献身
いちおう堤真一です。書いておかないと自分でも忘れそう。
製作:日本’08
監督:西谷弘
原作:東野圭吾
ジャンル:ミステリー

【あらすじ】顔が潰され指紋も消された男の死体が発見される。身元はすぐ判明するが、容疑者として挙がった被害者の元妻には完璧なアリバイがあった。いつも通り相談された湯川学は、容疑者のアパートの隣人が、学生時代の親友・石神だと知る。

ドラマを2~3回だけ観たことがあったのと、東野圭吾が好きなので (といっても5冊くらいしか読んだことないけど)観賞しました。
思っていたより全然よかったです。主演の二人と同僚の刑事の役者さんがどうも苦手で、彼らが話しているシーンはあんまり観てなかったんですけど、犯人・石神のどこかが根本的にずれた”献身”には目が離せないものがありました。
東野圭吾の作品には、相手のために徹底的に尽くしているように見えて、その心に決して消えない黒い染みを残そうという、歪んだ深層心理をもった登場人物が多い気がします。(五冊で何が分かるという感じですが)
こんな間違ったやり方しかできない彼にやるせなさを感じるとともに、あっさり遺体が発見されたことに疑問を感じました。無意識に完全犯罪を目指しているように思えたけど、そうでもなかったのか…?
とりあえず、遺体が発見されて真相がばれたら、それが裁判後であっても彼女たちが疑われるのは目に見えている気がします。というか、遺体が発見された時点で石神のやったことを知って彼女が自白ということになりますよね。
…石神にとってこの計画は”もっとも美しい解”だったのかもしれませんが、”彼女の自白”の可能性を考えなかったという決定的な読み違いが、彼の人間性のずれを浮き彫りにして物悲しい気分にさせます。
とても原作が読みたくなる作品でした。

■ Comment

お邪魔いたします☆

>いちおう堤真一です。書いておかないと自分でも忘れそう。

本人やその役柄とは、ちょっと違う感じですね~。

>思っていたより全然よかったです。

私もあんまり期待しなかったので、結構良かったです。好きな作品です。
2009年の春ごろに見ました☆

>犯人・石神のどこかが根本的にずれた”献身”には目が離せないものがありました。

私も宵乃さんと同じように感じました。

>あっさり遺体が発見されたことに疑問を感じました。

う~ん、どうでしょう?
湯川が出てこずに警察だけで捜査したら、犯人不詳で終わった事件だったかもしれません。

自白のあとで本物の遺体を探したので、この場合は流れとして自然だと思いました。
湯川が出ない場合、自白より前にそれが見つかる事は、絶対になかったように思います。

>・・・石神にとってこの計画は”もっとも美しい解”だったのかもしれませんが、”彼女の自白”の可能性を考えなかったという決定的な読み違いが、彼の人間性のずれを浮き彫りにして物悲しい気分にさせます。

そう考えれば、湯川が出なくても、
彼女の「良心」から自白して・・・という流れが感じられます。
流石ですね、宵乃さん!

石神の人間性の件ですが、
やはりいろんな映画でも見る「唐突にどうにもならないこと」が起きて
そしてやがて踏み外す・・・という感じですが、私はそういう事は
キレイごとではないので良い描写だと思います。
(ギルバート・・・に比べて、って感じです、自分としては)

あと、あの犠牲になったホームレスの事ですが、宵乃さんはどう思われましたか?
私はそのことだけを前面に出した、この映画をこきおろすような感想をネットで読んで
ものすごくビックリしました。

もちろんそれまでその人のことを「可哀想に」くらいしか思っていなかった
自分がいけなかったのですけど、未読ですが原作がそうなっているのでしょうし、
身代わりの遺体がなければお話が成立しませんものね・・・

その感想文を読んだ後は、ドラマの方もそういう見方を探してしまうようになってしまって、
良くないと思っています。。。

犯罪は全部いけないのだけど、この作品では自首しようとしていた母と娘に
生きがいがない頭の良い男が、ずれた献身をした・・・からこそ、
お話しになっているのですものね。。。
なんだか長くなってしまいました、ごめんなさい☆
2013/04/25 14:10  miri〔編集

>miriさん

いらっしゃいませ!
イラストは雰囲気が違ってしまいました、アハハ。
miriさんも期待せずに観て…のパターンでしたか。

> 湯川が出てこずに警察だけで捜査したら、犯人不詳で終わった事件だったかもしれません。

それはそうなんですが、石神の性格的に隙は作らないような気がしたんです。うっかり遺体が発見されるような事のない(他に遺体があると知てから探したとしても発見できないような)処分方法をとってないと彼らしくないと感じました。

> そう考えれば、湯川が出なくても、
> 彼女の「良心」から自白して・・・という流れが感じられます。

ありがとうございます。正直、この感想を読み直すまで湯川の存在を忘れてました(笑)

> 石神の人間性の件ですが、~
> キレイごとではないので良い描写だと思います。
> (ギルバート・・・に比べて、って感じです、自分としては)

そうですね~、わたしもそういう事は実際にあると思うし、映画の題材として良いと思います。それに、キレイごとも時には観たくなる時があるので、やっぱり映画の題材として悪くはないと思います。

> あと、あの犠牲になったホームレスの事ですが、宵乃さんはどう思われましたか?

これは石神のずれた部分を強調するためにも、トリックや物語を成立させるためにも必要な事だったと思います。
この事だけで映画を評価する事は出来ないけど、彼のこの行動が受け付けられないから映画も嫌いという感想ならまあ仕方ないかな?
でも、読んだ人に先入観をあたえるような感想はよくないですよね。わたしもそういう事をしてそうで怖いけど!
決して犯罪や彼の行動を肯定するような内容じゃないという事に気付いてほしいです。
2013/04/25 14:55  宵乃〔編集
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