映画「スコルピオンの恋まじない」再見
読み:すこるぴおんのこいまじない
原題:THE CURSE OF THE JADE SCORPION
製作:アメリカ’01 101分
監督:ウディ・アレン
★コメディ/ロマンス/ミステリー
【あらすじ】1940年、ニューヨーク。腕利き保険調査員のC.W.ブリッグスは、リストラ担当重役としてやってきたベティ=アン・フィッツジェラルドとは犬猿の仲だった。だが、同僚の誕生パーティでインチキ魔術師の催眠術ショーの実験台にされ、ある言葉を聞くと惹かれ合うようになり…。
久しぶりに観たら面白かったです。クスクス笑えてほんわか幸せな気分で見終われて、派手さやアッと驚くような展開はないのに印象に残り続けている作品でした。
ウディ・アレン演じる主人公が不思議なキャラクターで、普通なら絶対にモテなさそうな冴えない白髪の小男なのに、可愛い女の子や美女に妙に好かれていても何故か許せてしまいます。仕事は有能で人付き合いも上手く、善良な楽しい男。嫌味な感じが一切しないのは、天性のものだけでなく処世術の上手さも関係していると思います。もしかしたら、賭けで負け続けてるのもわざとかも?
あと、催眠術で操られている時のブリッグスがほわわ~としていてなんだか可愛いかった(笑)
そんな彼が天敵と呼ぶキャリアウーマン・ベティ=アンとの皮肉合戦もクスリと笑えました。なんというか夫婦の痴話げんかみたいで、いがみ合ってるのにギスギスしてません。毎回会うたびにあんな皮肉を考えるなんて、本当に嫌いな相手ならしないですよね。無視するか相手を見ずに悪口を言う方が楽ですし。
そんなゆるさが漂っているので、催眠術で恋に落ちた時「言葉の棘の裏にある愛を感じて」といった言葉に真実味が出てきた気がします。
そして「スコルピオンの恋まじない(原題だと呪い)」によって、ただのロマコメで終わらないところがよかったです。
恋と犯罪と追い込まれてゆく主人公のエピソードが上手くかみ合っていて、割とのんびりな前半に比べて終盤は軽妙でした。一気にもつれた糸がほどけるようにあるべきところに収まるのでスッキリ!
なんだかんだでブリッグスが皆に愛されているのがわかって、容疑が晴れてほぼみんな笑顔になっているのが心地よかったです。
ラストのベティ=アンの茶目っ気も光ってました。ドアの向こうで「え?え?」とうろたえてるブリッグスが可愛い。
この二人なら上手くやっていけそうだなぁと明るい気持ちで見終えました。再見して良かったです。