映画「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」観ました
読み:ヘドウィグアンドアングリーインチ
原題:HEDWIG AND THE ANGRY INCH
製作:アメリカ’01
監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル
原作:ジョン・キャメロン・ミッチェル、スティーヴン・トラスク
ジャンル:★ドラマ/ミュージカル
【あらすじ】性転換し女性になったヘドウィグは、ロックスターのトミー・ノーシスに曲をうばわれ裁判を控えていた。しかし、証拠はなく状況は彼女に不利。苛立ちを隠せない彼女は、自分が女性になった日のことやトミーとの出会いを思い返す。
タイトルにある「ヘドウィグ」ってハリーのふくろうと同じ名前だなぁ、と思い観始めたのですが、これがかなりの拾い物で最後まで目が離せませんでした。
まずタイトルの意味を軽く説明すると、「ヘドウィグ」は主人公が性転換手術をした時母親から貰った名前(あのふくろうメスだったのか。)で、「アングリーインチ」は手術に失敗し1インチだけ残ってしまったアレを「怒りの1インチ」と呼んでるわけです。このたった1インチがヘドウィグの人生を切ないものにしてしまうんですよね…。
でもヘドウィグは、そんな怒りや魂の片割れを求める心の叫びをそのままロックで表現してくれます。その歌声はロックを知らない私でも聞き入るほどで、この作品のためだけにつくられた曲だとはとても思えません。てっきり実在のロック歌手の半生を綴った映画なのかと思ってたくらいですから。
そして歌と並んで素晴しいのが、なんと言ってもヘドウィグの美しさです。彼女の憂いを帯びた瞳には、まるで魔力でも宿っているかのような魅力があります。最初のうちは厚化粧だとかカツラ似合ってないとか思っていたんですが、ある時突然「ゾクリ」とするような美しさを垣間見せるんですよね。その頃にはもう彼女にメロメロになること請け合いです。
終わり方はやや抽象的ではっきりとは分かりませんでしたが、ハッピーエンドなんだと思います。彼との愛の結晶である歌、そして刺青に付け足された片割れ…たぶん彼への未練はあったと思うんですが、ヘドウィグいわく「愛は創造」なので歌さえあれば大丈夫ですよね。
ミュージカル好きでなくても楽しめる作品だったと思います。
2018/10/30 再見
第3回秋の音楽映画祭で10年ぶりに再見。上の感想とだいたい同じことを思ったから書くことないな…。
曲になんとなく聞き覚えがあって楽しめました。ロックに興味がなくても楽しめるのは、過去回想の後に、そのエピソードに絡めた曲が流れるからだとわかりました。割とシリアスな内容でも、画面は華やかでパワフルだし。
わからなかったのは、最初の夫に捨てられたのは騙されていたからなのか、手術に失敗したからなのか、それとも移り気なだけ?どちらにしろ酷い奴!
ラストの刺青は、自分がかつて捨てた”男だった頃の自分”こそが”探し求めていた片割れ”だと気付き、自分を愛せるようになったという意味だったのかな。初見時はよくわかってなかった気がする。
ありのままの姿で最後に歌った「Midnite Radio」がお気に入りです。
- 関連記事
- 「ラビット・ホール」観ました