忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「ミリオンズ」観た

 | 犯罪  com(2) 
Tag:イギリス 

ミリオンズ
製作:イギリス/アメリカ’04
原題:MILLIONS
監督:ダニー・ボイル
ジャンル:ファンタジー/コメディ/ドラマ/犯罪

【あらすじ】信心深い8歳の少年ダミアンと、10歳にして現実主義者の兄アンソニー。母親を亡くし、郊外の街へ越してきた彼らは、大金の入ったバッグを拾う。ユーロへの切り替えで12日後には紙クズになるそれを、ふたりは思い思いに使い始め…。

いきなり空からお金の詰まった鞄が降ってきて、そのお金のせいで騒動に巻き込まれるお話。
周りの人には見えない聖人たちといつも話しているダミアンは、大好きな母親に少しでも近付きたい想いでお金を貧しい人のために使おうとします。
一方兄は、好きな物を買いあさり、クラスメイトを家来にし、不動産投資まで考えるちゃっかり者。寄付なんて以っての外という態度なんですが、父親に恋人が出来たとき”きっと彼女は金を持って消え、パパはまた笑わなくなる”みたいなことを言っています。きっと母親を失った悲しみが大きすぎて、”物質的な幸せ”しか信じられなくなっているんでしょうね。この兄弟、正反対なようで根底は同じなのかもしれません。
そこに、平凡な善人である父親や偽善者にも見える父親の恋人、鞄の持ち主などが絡んできて、期限も迫って騒動に発展していきます。
鞄の持ち主がちょっとトロくてもたつくこともあるんですが、なぜ鞄が空を飛んできたのか、大量のポンドをどう使うのか(とくに将来会計士確実な兄の機転がよい)など、それなりに楽しめるファンタジー・ドラマでした。弟の前に現れる聖人が、空想ともファンタジーとも取れる曖昧さも良かったです。ただ、光が滲んだような映像がずっと続くのは人によっては好きになれないかも…。

■ Comment

いいね。うん、いいよ。

 今日は暖かいですなあ~そろそろジャガイモの植え時かいな~なんて考えてると、また明日から雨になるとか。もう少し待ってみましょう。( ・・)ゞ

 さて、DVDレンタルショップ店内をブラブラと徘徊していると、このDVDが目に止まる事が多かったので、気にはなっていました。パッケージでは、主人公のアレックス・エテル君が不敵な笑みを浮かべているように見えたので、子供が悪知恵を働かせて大金をゲットする話かな~なんて勝手に想像していましたが、全く違いまして、観終わった後は裏切られた感が何とも心地良い作品でしたね。

 監督のダニー・ボイルは、『シャロウ・グレイブ』、『トレインスポッティング』と、どうも私はそこはかとなく作品中にダークサイドを見出してしまいまして、敬遠気味だったんですが、『ミリオンズ』を観て新たな側面を見た気がします。「いいね。うん、いいよ」と…(何様なのさ…)。機会があれば、話題作の『スラムドッグ・ミリオネア』も観てみましょう(何様なのさ…)。

 強盗犯の現金強奪方法もアイデアがあったし、子供が大金を手にした時にどのような行動に出るかという所も、うまく表現されていました。降誕劇中に強盗がダミアンに迫り来る所から、屋根裏に逃げ込んで父親が現れるまでのシーンは映画の中に入り込むような感覚を得ましたね。このような心を掴む作品は、ハリウッド映画にも多かったような気がするのですが…。。。
 もう1つ素晴らしいのは、オリジナル脚本で、ポンドからユーロに切り替わる時の煩雑さをフィクションを織り交ぜてストーリーとして作り上げたというところです。前々から少し触れていましたが、原作があるものというのは制約があるために、自由に映画製作できないという面があると思います。オリジナルにこだわった黒澤明は、脚本家に新聞を読ませ、それを元に脚本を書かせて、気に入らないと脚本家の前でその脚本を破り捨てるほどのこだわりようだったとか。やはり、映画は役者やスタッフよりも、先に脚本があるべきだと私は思います。

 ただ、そうはいってもですね、ここはこうあってほしかったなぁというところはあるんですよね。それは、父親がお金を自分たちのものにしてしまおうと決意した所と、お母さん…出てこなくても良かったんじゃないかな~というところですね。
 まず、お金を着服しようとした所ですが、父親と学校に寄付を募りにきて、その後父親とイイ関係になってしまうドロシーは、映画の中でそこはかとなく良心的存在のように表現されているように感じました。そして、この後の展開を考えると、どうも違う気がするんですよね。結局強盗犯は行列騒ぎの後で捕まってしまうし、お金は線路の上で燃やされてしまっている。
 それならば、父親とドロシーの位置はそのままにして、成り行きで大金が手に入ってしまうという方が気持ち良い気がするんですね。個人的な意見としては、「神からのお告げがあるor強盗に脅される」というストーリー展開の方がスッキリする気がします。まぁ、その後「お金は人の目をくらませる」という母親のセリフはありますが…。でも、そうした方が好きだな~…。。。
 あと、母親ですね。何となくなんですが…イメージが違うような気がするんです。口紅はベットリ付いてるし、派手な印象が残りました。でも、聖人が見えるほどの心の美しいダミアンならば、母親はもう少し素朴でも良かったと思うし、「聖モーリーンを知っている?」と聖人に聞くシーンが数度あるならば、聖人となった母親の方が良かったような気がするし…。ここはいっちょ母親は出さないで、ダミアンの心の空に居るという方が自然な気がしました。
 そうはいっても、私は好きな作品ですね~では、また~^^;v
2010/03/03 (Wed) 15:31  期待マン  

>期待マンさん

いらっしゃいませ、最近は寒くなったり暖かくなったり忙しい天気ですね~。

>  子供が悪知恵を働かせて大金をゲットする話かな~なんて勝手に想像していましたが、全く違いまして、観終わった後は裏切られた感が何とも心地良い作品でしたね。

確かに不敵な笑みでした。
わたしは観賞後に目にしたのだけど、最初にこれを見てたら期待マンさんと同じ様に思ったと思います。もうちょっと、いい顔があっただろうに(笑)

ダニー・ボイル作品で覚えているのは「ザ・ビーチ」「28日後・・・」くらい。改めて並べてみると、この作品かなり浮いてますね。新境地を切り開いたということでしょうか?
お金が飛んでくるとか、子供たちのお金の使い方とか、わくわくさせられましたし、子供と一緒に観たい作品です。

>  もう1つ素晴らしいのは、オリジナル脚本で、ポンドからユーロに切り替わる時の煩雑さをフィクションを織り交ぜてストーリーとして作り上げたというところです。

そうそう、このアイデアは秀逸でしたよね。物語の流れもよかったし、実は前半はかなり好印象だったんですよ。期待マンさんも仰っていた↓

>  父親がお金を自分たちのものにしてしまおうと決意した所と、お母さん…出てこなくても良かったんじゃないかな~というところですね。

これが本当にぴったり私の意見と一致していて、母親が出た頃には「あれ~?」という感じになってしまいました。口紅が濃いのもちょっと・・・。
でも、愛すべき作品ではありました。
ダニー・ボイル監督には、これからも頑張って欲しいですね。
2010/03/04 (Thu) 10:27  宵乃  
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