映画「パリは燃えているか」観ました

読み:ぱりはもえているか
原題:PARIS BRULE-T-IL?(仏)、IS PARIS BURNING?(米)
製作:フランス/アメリカ’66
監督:ルネ・クレマン
原作:ラリー・コリンズ ドミニク・ラピエール
ジャンル:戦争
【あらすじ】1944年8月。独軍占領下のパリではレジスタンスが一斉蜂起のタイミングを計り、連合軍の到着を首を長くして待っていた。一方、ドイツ軍司令官コルティッツ将軍は、正気を失ったヒトラーに撤収時にパリを破壊するよう命じられる。
以前感想を書いた「まぼろしの市街戦」で、”北フランス寒村から撤退するドイツ軍が、嫌がらせに時限爆弾を仕掛けていく”というのに状況が似てると思いながら観賞。あの作品では”戦争をする人間は狂っている”と訴えていたので、なんとなくそういう目でみてしまいました。
レジスタンス内での派閥争いや、市街戦に突入してからの市民の目(最終的には犠牲者約1500人出したのに、解放間近で嬉しさが隠し切れないというか、ハイになっているというか…)、そしてもちろん「パリは燃えているか!」というヒットラーの叫びなど。やっぱり、狂わなきゃやってられないんだなぁという感じ。
また、「パットン大戦車軍団」を観た時は”戦場でしか生きられない男”に見えたパットンが、レジスタンスに救いの手を差し伸べるシーンを見たとたん”戦場では頼りになる男”に感じられたり(笑) 実際にはこんな好意的じゃなかったらしいけどね。
解放後、無条件降伏したコルティッツ将軍が、民衆に囲まれリンチされそうになっていたのも恐いです。その後、彼はパリを救った英雄として名誉パリ市民号を受けたけど、ナチス協力者たちは民衆の餌食にななりました。
中盤、駅で一人の男が殺されたシーンの、悲鳴のような汽笛が耳から離れません。
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■ Comment
こんばんは。
録画だけしていて、長いのでまだ見てません。
昔観たときの印象では、それほど良かったと言うイメージが残ってないのですが、こう言った長編は、やっぱり年末にゆっくりと観たいものです。
イラストのシーンも憶えてませんが、電話の向こうの声が今にも聞こえてきそうで、緊迫感充分の仕上がりですね。(羨ましい…)
私のイラスト(マンガだろ…)はデッサンもいい加減(デッサン?似合わない言葉…)なんですが、どうやったら上達するんですかね?(もう歳だろ、諦めろ!)
聞いて上達するもんじゃないですけどね…。
2009/11/21 00:49 ロッカリア
ロッカリアさん、いらっしゃいませ。
> 昔観たときの印象では、それほど良かったと言うイメージが残ってないのですが、こう言った長編は、やっぱり年末にゆっくりと観たいものです。
わたしも、良かったかどうかというと微妙なところですね。ドキュメンタリー的というわりには、美化している部分もあるみたいですし。でも、”パリ解放”や”レジスタンス内の派閥”について勉強できたので、観てよかったです。
年末にゆっくり・・・いいですねぇ。わたしも金田一シリーズを観てみようかな。
> イラストのシーンも憶えてませんが、電話の向こうの声が今にも聞こえてきそうで、緊迫感充分の仕上がりですね。(羨ましい…)
ありがとうございます。
いつも資料を見ながら描いているので、資料がないとデッサン崩れまくりですよ(笑)
しかもpcで描いているので、目の位置をずらしたり、背景描いてから人物を重ねたり誤魔化しが利きますし。ロッカリアさんのように、紙に描くほうが着実に画力がついてるんじゃないでしょうか?
前にテレビで、四肢麻痺になってから”筆を口にくわえて絵を描くようになった”という人の美麗な絵をみて、わたしでも努力すれば描ける!と思って頑張ってます。
2009/11/21 11:48 宵乃
「禁じられた遊び」「雨の訪問者」「パリは霧にぬれて」のルネ・クレマン監督。
これはオールスターの超大作ですね。173分。長かったです。
>中盤、駅で一人の男が殺されたシーンの、悲鳴のような汽笛が耳から離れません。
僕も同じです。
また、フランス人の若者達が射殺される場面。そのうち一人が「フランス万歳!」と言って殺される場面。国って何だろう?愛国心って何だろう?そう思いました。
後半になると、ドイツ側にも諦めムードが漂ってきます。それをゲルト・フレーベがうまく演じています。
パリが破壊されなくて本当に良かった。
>ナチス協力者たちは民衆の餌食にななりました。
ナチス党員の子供を産んだフランス人女性達の悲劇。丸坊主にされて、子供を抱いたまま罵倒される。写真や映像が残っていますが、酷いです・・・・・。
スェーデン領事ノルドリンク(オーソン・ウエルズ)が肥満した身体で「喉が渇いた。コニャックはないか?」と言ったら、「水の方がいいよ。」と水を飲む事を勧められて不満そうな顔をする場面も印象的でした。
2010/12/28 06:53 間諜X72〔
編集〕
あの汽笛の音はインパクトありますよね。あの時代に生きる人々の叫びのようでした。
> また、フランス人の若者達が射殺される場面。そのうち一人が「フランス万歳!」と言って殺される場面。国って何だろう?愛国心って何だろう?そう思いました。
こういうシーンではいつも思うのですが、自分の死が何かのために、祖国で暮す家族や親しい人たちのためになったのだと思わなければ納得できない。つまりは「生きたい!」という叫びなんじゃないかと。愛国心って結局は”自分の居場所でこれからも生きていきたい”という想いなんだと思います。
> ナチス党員の子供を産んだフランス人女性達の悲劇。丸坊主にされて、子供を抱いたまま罵倒される。写真や映像が残っていますが、酷いです・・・・・。
人間の醜さを表に出してしまう戦争・・・こういう行為に及んでしまった人々も、きっと我に返ってから後悔したんでしょうね。やはり戦争は恐ろしいです。
2010/12/28 07:36 宵乃
>ドイツ軍司令官コルティッツ将軍
素敵なイラストですネ!
この長い映画の中で、このシーンとは! 流石です☆
また、この事実の方も素晴らしかったけど、この俳優さんも戦時中現実にウィーンでユダヤ人をかくまっていたとの事、それを戦後隠していて誤解されて干されたりして、ユダヤ人の人が「この人にかくまってもらった」と言って初めて世間に分かったという、この役柄を演ずるのにふさわしい人物だったと知り感激を新たにしました(鑑賞後にネットで調べました)。
この映画は中3で半分見たままになっていて、宵乃さんのこの記事の時は録画しなかったんです~それで再放送を待っていたのですがなかなかなくて・・・今回良い機会でやっと見られました☆
>やっぱり、狂わなきゃやってられないんだなぁという感じ。
まぁあの時そこにいなかったので何も言えませんが、ほぼ全員、何らかの常軌を逸した状態ではあったでしょうね~。
>パットンが、レジスタンスに救いの手を差し伸べるシーン
俳優に気を使った感じでしたね~大スター。
>解放後、無条件降伏したコルティッツ将軍が、民衆に囲まれリンチされそうになっていたのも恐いです。
この映画では、リンチされそうにはなっていなかったような?
>中盤、駅で一人の男が殺されたシーンの、悲鳴のような汽笛が耳から離れません。
これはわりと序盤の方でした。 怖かったです。
前半しか見ていなくてやめていたのは、多分、レジスタンスの若者がたくさん殺されるシーンがイヤだったからだと思いました。
この映画の一番良かったところは、実写フィルムを沢山入れて、そのシーンがスムーズに映画のシーンにつながったところと、スター等が沢山出ていたけど特に主人公を設けず、本当のあの実写の人達のように見えたところだと思いました。
長年かかったけど、私的には宿題を果たした感じです♪
そういう映画について、宵乃さんとお話できて嬉しいです!
.
> この長い映画の中で、このシーンとは! 流石です☆
ありがとうございます。状況は忘れかけているけど、表情がとても印象に残りました。
あと、この俳優さんが戦時中にユダヤ人を匿っていたという話は初めて知りました!
やはり演技に表れるものなんですね。なんにでもなれるのが俳優だけど、そこに己の人生を重ねて深みを出せるようになったら”名優”になるのかな。
貴重な情報、教えて下さりありがとうございます。
> この映画では、リンチされそうにはなっていなかったような?
うろ覚えなので別の作品かもしれませんが、扉の前で彼を囲むように黙って集まってくる民衆の図が記憶に…。嵐の前の静けさのような印象があって、あの後勘違いでボコされそう…と思った気が。
> この映画の一番良かったところは、実写フィルムを沢山入れて~本当のあの実写の人達のように見えたところだと思いました。
思い出せないので、いつか再見する時はそういうところも意識してみようと思います!
> 長年かかったけど、私的には宿題を果たした感じです♪
> そういう映画について、宵乃さんとお話できて嬉しいです!
良い機会が巡ってきてよかったですね。こういう殺伐とした作品は、その時の精神状態によっては観られませんし、観る手段、機会がたくさんあるというのは嬉しいものです。
私もmiriさんとお話できてよかったです。コメントありがとうございました♪