映画「ニューオリンズ・トライアル」観ました

読み:にゅーおりんずとらいある
原題:RUNAWAY JURY
製作:アメリカ’03
監督:ゲイリー・フレダー
原作:ジョン・グリシャム
ジャンル:★サスペンス/ドラマ
【あらすじ】2年前に起きた銃乱射事件で夫を失った女性が、使用された銃の製造会社を訴えた。武器業界全体に関わる重大な裁判に、伝説の陪審コンサルタント・フィッチが動く。彼はあらゆる手段を講じて陪審員候補者を選別するが…。
再見なので緊張感とか驚きは半減するかと心配だったんですが、杞憂に終わりました。幸せな誕生日パーティの映像と、突然襲い掛かる悲劇…。ベタだなと思いつつも、冒頭の勢いのままにテンポ良く物語が進んでいくので、いつの間にか企画の事も忘れて熱中。
そしたら、前回気付かなかったこととか、見逃していた部分がありましたよ!
まず、アパート前の噴水で、主人公とタバコを吸いながら咳き込む老人との「タバコはやめないと」「なんでだ?」というやり取り。原作が銃器会社ではなくタバコ会社を訴えていることを意識してるんですね。
また、主人公が”陪審召喚状”を受け取ったときの「今年はクリスマスが早く来た」という言葉。
どうやって候補者に選ばれたのか謎だったんでが、結局はほとんど運まかせだったんですね。復讐を決意してから、銃器メーカー相手の訴訟が起きそうな(事件が起こった)場所に移住しては、候補者に選ばれるのを待っていたと。これって一生かけるくらいの心構えだったんじゃないでしょうか。そう考えると、召喚状を見つけるシーンは感動的です。きっと彼女のほうも同じように召喚状を待っていただろうから、もし彼女の方にきていたら役割は逆になっていたかもしれません。…でも、キューザックはハマリ役だったから、そうならなくて良かったかも。
ハマリ役といえば、悪徳陪審コンサルタント・フィッチ役のハックマンも相当ハマリ役でした。伝説と言われるくらいだから、この職業が登場した70年代からやってる設定なんですかね?
モニターがずらっと並ぶ薄暗いアジトで(表のオフィスはないの?)、彼が”私にわからないことはない”というような顔をしてエキサイティングしてる様子が素敵。わざわざ弁護士に隠しカメラを持たせてまでアジトに篭もったりしていたけど、身体検査しないのでしょうか。
日本でもそのうち現れるだろうから、こういう性質の悪いコンサルタントを取り締まる方法を考える必要があるんでしょうね。あと、主人公のように他の陪審員をコントロールするのも防がないと…。日本の裁判員制度もまだまだ問題山積みなんだなと実感させられました。
スカッと気持ちよく観られるだけでなく、色々考えさせられるタイムリーな作品です。まだ観たことがないという方、観ておいて損はないですよ。
■ Comment
今回、意地悪な感じのお顔が多かった彼の、素敵な優しいおじさま系のイラスト、とっても良いです~☆
>再見なので緊張感とか驚きは半減するかと心配だったんですが、杞憂に終わりました。
>いつの間にか企画の事も忘れて熱中。
>そしたら、前回気付かなかったこととか、見逃していた部分がありましたよ!
>主人公とタバコを吸いながら咳き込む老人との「タバコはやめないと」「なんでだ?」というやり取り。
>これって一生かけるくらいの心構えだったんじゃないでしょうか。
上記の記述、全く同感です!
>モニターがずらっと並ぶ薄暗いアジトで(表のオフィスはないの?)
これはその裁判ごとに土地も違うし、秘密裏にやる事だから、あぁいう感じでオーケーかと?
>日本の裁判員制度もまだまだ問題山積みなんだなと実感させられました。
陪審員とはまったく違いますからね~!簡単に言えば「ゆるい」のですよね。
>スカッと気持ちよく観られるだけでなく、色々考えさせられるタイムリーな作品です。
ホントにそうですね!私が初見したのは今年の5月、きっと裁判員制度が始まった直後だからオンエアしたのかな?と思っていました。
とにかく日本では違法ですし、一応一般には銃がない事になっているので、その事だけでも安心ですネ。
宵乃さんらしい素直な感情の感じられるレビューを有難うございました。
ご了解求めなかったけど、告知記事もリンクさせてもらっています☆
次回もよろしくね♪
こんばんは。
トイレ対決シーンのフィッチでした。ちょっと迫力不足ですね。
あの薄暗いアジトは、彼の”巨悪”のイメージを倍増させてました。その上、表ではクリーンなイメージをつくっていたりしたら面白いなぁとか思ったり。
> 陪審員とはまったく違いますからね~!簡単に言えば「ゆるい」のですよね。
いま、ざっとwikipedia読んできました。
公判前整理手続っていうのがあったんですか。しかも全員一致じゃない時は多数決なんですか?確かにゆるいかも。
まだ始まったばかりなので、浸透していけば”改善しよう”ということもあるんでしょうか?
銃も怖いけど、つけ込む隙のある制度や、それにつけ込む人間も怖いと思える作品でした。
> ご了解求めなかったけど、告知記事もリンクさせてもらっています☆
”ついで告知”みたいになってますけど、あれで大丈夫でしょうか?
いつも”ブログDEロードショーのリンク記事”更新お疲れ様です。
もっと広まっていくといいですね。
2009/11/16 20:01 宵乃
こんばんは。
はじめてお邪魔します。
若かりし頃は、舞台俳優を目指して演技を学んでいたという、
ジーン・ハックマンの知的な面が感じられるイラストですね。
記事の方は、ボクも見てモヤモヤしたままだった部分を、
ズバリと指摘されていて参考になります。
あの二人が、一生かけてやり抜く覚悟だったというのは、
なるほどと思いました。
一つの訴訟に人生をかけられたら、そりゃ勝てませんよね。
あと、レイチェル・ワイズに召喚状が届く可能性もあったことも、
全然考えてなかった…。
だから店先での偶然を装った情報交換は、大事な仕事だったんだな~。
いらっしゃいませ、コメントありがとうございます!
> 記事の方は、ボクも見てモヤモヤしたままだった部分を、ズバリと指摘されていて参考になります。
いえいえ、ケンさんがこの作品を選んでくれなければ、わたしも気付くことはありませんでした。
本当に再見できて良かったと思っています。
> あと、レイチェル・ワイズに召喚状が届く可能性もあったことも、
> 全然考えてなかった…。
> だから店先での偶然を装った情報交換は、大事な仕事だったんだな~。
そうですよね。どこで誰がみているかわからないから、同じ志しを持ったふたりなのに頻繁に会うことも出来なかったでしょうし。どちらの役割が回ってきても対応できるように、いつも頭の中でシミュレートしてたのかなぁと想像してしまいました。
そう思うと、ラストの感慨もひとしおですよね。
2009/11/17 07:41 宵乃
宵乃さん(^^)こんばんは!
自分の所にもコメントをありがとうございます。
宵乃さんも再見とのことでしたね。
「冒頭の勢いのままにテンポ良く物語が進んでいくので、いつの間にか企画の事も忘れて熱中。
そしたら、前回気付かなかったこととか、見逃していた部分がありましたよ!」
という部分は本当にそんな感じで自分も最初から引き込まれました。
いつの間にか夢中になっているのに気付き、結果前回よりも楽しく鑑賞出来たのがとても嬉しかったです。
それにしても細かい部分までご覧になっているのがすごく伝わってきました。
ジョン・キュ-ザックの登場シ-ンの事も触れていますがこの原作の訴訟は煙草会社に対してだったのを自分も知っていましたが、そうですね~。あのシ-ンにはそうした意味が込められているんだぁ と気付かせて頂きました。納得でございます。(^^)
宵乃さんは物語に描かれていない背景なども本当に良く観て汲み取っていらっしゃるのに感銘を受けました。
とっても素晴らしい記事だと思います。
そしてイラストも素敵ですね!(^^)
この作品に関係ないのですがプチギャラリ-の「サマ-タイムマシン・ブル-ス」のイラストがすごく良いなぁと思いました。(^^)
次回もまた楽しみにしておりますので宜しくお願い致します。
本当にありがとうございます。(^^)
いらっしゃいませ~、コメントありがとうございます。
> いつの間にか夢中になっているのに気付き、結果前回よりも楽しく鑑賞出来たのがとても嬉しかったです。
サスペンス映画の再見でこんなに楽しめるとは思ってもみませんでした。他の再見の方の記事を読んでも、”前より楽しめた”という感じの方が多かったですし。それだけよく出来た作品ということですよね。
> それにしても細かい部分までご覧になっているのがすごく伝わってきました。
いやいや、ユウ太さんこそ。冷静かつ映画への愛を感じる丁寧な記事をお書きになっているじゃないですか。わたしは感情的になりやすいので、勉強になります。
> この作品に関係ないのですがプチギャラリ-の「サマ-タイムマシン・ブル-ス」のイラストがすごく良いなぁと思いました。(^^)
そんなところまで見てくれてありがとうございます!
だいぶ前のイラストですが、気に入っていただけて本当に嬉しいです。
これからもよろしくお願いしますね。
2009/11/18 07:34 宵乃
イラストが、3人様で4人、キッチリ主人公を描いて、凄いです☆
それぞれの個性が(描く人も描かれる人も)よく伝わってきます。
いつも色々とありがとう~!
ちょっと早いですけど、宵乃さん、2月で宜しいでしょうか?
もし良かったらそれで決定にさせてもらいたいのですが・・・。
あと、蒸しタオルって電子レンジで作るのですか?
ちゃんとお鍋にお湯わかして、すのこで作るのですか?
教えてもらいたいのですが・・・♪
> イラストが、3人様で4人、キッチリ主人公を描いて、凄いです☆
> それぞれの個性が(描く人も描かれる人も)よく伝わってきます。
そうですね~、誰か被るかなと思っていたのでわたしも驚きました。
イラストと映画という組み合わせはそんなに多くはないと思うんですが、こうやって3人めぐり合ったことも凄いですよね。これからも個性を大事に頑張りま~す!
わたしの担当は2月ですか、もちろん大丈夫ですよ~
安全を期して、3つくらい候補を考えようか・・・。ない頭をひねって検討中です。
> あと、蒸しタオルって電子レンジで作るのですか?
そうそう、軽く絞った濡れタオルをレンジでチンッ。わたしは寒い日なら900Wで30秒やってます。
やけどしないよう気をつけて、蒸らした後は冷水で毛穴を引き締めるのを忘れずに~!
2009/11/18 11:35 宵乃
今日やっと「トラックバック」の送り方が分かりましたので、大変遅くなりましたが、影武者、ラブ・アクチュアリー、ニューオーリンズ・トライアルと3本送らせてもらいました。よろしくお願いします。(ペコリ)
了解しました~、返信しておきますね。
2009/11/21 10:31 宵乃
「ブログ DE ロードショー」での初めての観賞作品で、おそらく私だけなら出会う機会のなかった作品の一つです。
陪審員制度に関しては漠然としてしかしらなかったのですが、この作品で裏側が初めて判りました。こんな感じで選定していること自体、公平に選ばれていないという現実がまず恐ろしいですが、この仕組みを巧みにサスペンスに持っていく手法が素晴らしいですね。
原作ではタバコ会社になっていて、そのことを示唆しているのがあのシーンでしたか。なるほど、なるほど。(^^)
トラックバックさせていただきました。
> 「ブログ DE ロードショー」での初めての観賞作品で、おそらく私だけなら出会う機会のなかった作品の一つです。
おお、初めての参加でその出会いですか~。普段なら観ないタイプの作品に出会える、この企画のすばらしいところですよね。
> 陪審員制度に関しては漠然としてしかしらなかったのですが、この作品で裏側が初めて判りました。こんな感じで選定していること自体、公平に選ばれていないという現実がまず恐ろしいですが、この仕組みを巧みにサスペンスに持っていく手法が素晴らしいですね。
わたしもこんな仕事は初めて知りましたよ。というか、しばらくフィクションかと思ってました(笑)
どこにでも能力の使い道を間違えている人間っているものですね。
法廷モノは結構好きなんですが、この作品は一味違う面白さがありました。
あと、拍手コメありがとうございます。古い記事には前のイラストが表示されるようですね。うさぎがいるのが一番目、アリスが落ちているのが二番目の拍手イラストです。次は当分先になるかな?
わたしのほうからもTB送らせていただきますね~。
2010/05/17 12:11 宵乃