忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「ハリーとトント」観ました

 | ロードムービー  com(4) 
Tag:にゃんこ 

ハリーとトント
読み:はりーととんと
原題:HARRY AND TONTO
製作:アメリカ’74
監督:ポール・マザースキー
ジャンル:★ドラマ

【あらすじ】ニューヨーク。区画整理のためアパートを追い出されたハリーは、愛猫トントと共に長男バートの家へ。だが、嫁の嫌味に耐えかね、今度はシカゴで暮らす娘シャーリーを訪ねる事に。トントと一緒に行くため、彼は車を買いシカゴへ旅立つ。

猫出ずっぱりで、魅力的な爺ちゃんが主役で、ロードムービーという、まさに私好みの作品。
ハリーがとにかく”猫中心”の生活を送っていて、人間と同じ様に話しかけるし、飛行機でトントが荷物扱いされるのが嫌でバスに変えるし、トントがトイレを嫌がったら途中でもバスを降りるし、微笑ましいんだけど老人の孤独をひしひしと感じます。
それは、友人の遺体確認や認知症になった初恋のひととのダンスのシーン、変わってしまった子供たちとの再会などにも表れていて、淡々とした中に哀愁が漂っていました。
また、沈黙の誓いを立てた孫やヒッピーコミューンを目指す年齢不詳少女、高級娼婦や無免許で治療行為を行ったインディアンなど、ちょっと変わった出会いもあります。
どんな相手でも変わらぬ態度で接するハリーが素敵でした。
今のところ”あったかくてユーモアがあって、哀愁漂う猫映画”という感想ですが、きっと年を重ねていくほどに感慨深いものになっていくんじゃないでしょうか?
いつか必ず再見したいと思える作品でした。

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■ Comment

ロードムービーってイイんだよなぁ~

イヤ~心配をおかけしていたなんて露知らず、失礼しました。観溜め(?)していたので、ズビズバコメントしまっすよ~^^

 さて、『ハリーとトント』ロード・ムービーというと、ヴィム・ベンダースの『パリ・テキサス』が好きなんですが、こちらも好きな作品ですよぉ~。DVD購入しました。
 何がイイって、トントがトラ猫で可愛くないんだ!これがイイんですよ~まず猫が可愛いと、猫が死んだだけで「可愛そう…」っていうことになっちゃう。そこが、このトントなら、「あぁ…死は必然だな」って感じますよ。えぇ。
 また、脇を固める役者がパッとしてなくていいんですよね。どこにでも居そうで、どことなく生活に疲れているカンジが。こういう配役って大切だと思うんです。映画を観ていると、「何かこの人観たことあるな…」っていうのがあるじゃないですか。それって、映画を観ている最中に素に戻されるっていうか、白けるというか、気になってしまうんですよね。つまり、本編に集中できなくなるわけなんです。 ただ、ロードムービーやミニシアター系の映画はそういうのがなく、次にどのような展開があるのかっていうワクワク感があるように思います。
 私のこの映画のお気に入りは、ラストでハリーが夕映えの海岸でトントに似た猫を拾い上げるシーンですね。トントとの死が別れならば、ハリーが新たな猫を見つけたということが、新たな出会いであるといえます。生物は生きるとともに死に向かって歩き始めるわけですが、その中で数々の出会いを経てその生活が送られていく。それをロードムービーという形態をとりながら、うま~く表された素晴らしい映画といえると思います。
2010/02/26 17:45  期待マン

>期待マンさん

コメントありがとうございます♪
どうぞ、ズビズバコメントなさってくださ~い。

>  まず猫が可愛いと、猫が死んだだけで「可愛そう…」っていうことになっちゃう。そこが、このトントなら、「あぁ…死は必然だな」って感じますよ。えぇ。

実はわたし、トラ猫には愛着があって、あのシーンはうるうるでした。もちろん”泣かせ”じゃないことはわかっているので、頭の中の占めていた”かわいそう”が静まるまで、ゆっくりこの作品のことを思い返したりしてましたが。(この時間がまた映画の醍醐味だったりします)

>  映画を観ていると、「何かこの人観たことあるな…」っていうのがあるじゃないですか。

あ~、あるある。それで、どこでみたか思い出せなかったりすると・・・。やっぱり映画は集中して観たいですよね。あと、わたし的には古い作品も大丈夫なことが多いです。顔を覚えるのが苦手なので、CMなどで頻繁にみていなければ気付きませんから(笑)
わたしがロード・ムービーや古い作品が好きなのは、そういうことが理由なのかなぁと、今頃になって気付きました。期待マンさんの好きな『パリ・テキサス』もぜひ観てみたいです。

>  私のこの映画のお気に入りは、ラストでハリーが夕映えの海岸でトントに似た猫を拾い上げるシーンですね。

ほんとに、このラストは感慨深いですよね。昔から人生を旅と表現することが多いですが、この作品を観るとそれを強く感じます。
また、ハリーとトントと一緒に旅がしたくなってきました・・・。
2010/02/27 12:03  宵乃

こんにちは☆

公開当時から知っている作品ですが、今まで見る事がなく、この監督の別作品を今年再見してとっても良かったのもあって、この作品も「見なくては・見なくては」と思っていたところ、先月末に訃報に接し、かなり焦りまして、やっと・やっと今月の上旬に見ましたが、月末になっても、どうにも・こうにも記事にはできそうにないので、コメントに来させて頂きました♪(前置きが長くてすみません)

>猫出ずっぱりで、魅力的な爺ちゃんが主役で、ロードムービーという、まさに私好みの作品。
>いつか必ず再見したいと思える作品でした。

良かったですネ!
必ずいつか再見なさってくださいね☆

・・・私はどうにもこうにも、中3では早すぎて(だから見なかった)今現在では遅すぎたようで、残念でした。

>どんな相手でも変わらぬ態度で接するハリーが素敵でした。

・・・う~ん、そういう見方もあるのですネ~!
私はNYを出るきっかけとなった、ポーランド人の友人の方との交流以外は、ちょっとな~とか思ってしまって、どうしてだろう?と考えたところ、アート・カーニーがオスカーとったのは当時から知っていたのですが、どう見てもハリー役のやることなす事が若過ぎるからだと気付きました。

70歳代の演技だとは思うのですが、私が見ると、どう見ても50歳代(行動が健康的すぎる・等)・・・調べたら、実年齢がそうだったので、なんだ~!へたくそ!と(笑)。

そんなわけで、ラスト辺りもご都合の良さが、ちょっと・・・でした。
お好きな映画をこんな風に書いて申し訳ありません☆

>7/23「マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ」
> 再見して覚えてる箇所もぽつぽつあったんだけども、それが観終わっても点のままで線にならなかった印象。とてもネガティブな前向きさをもつイングマル君がモテまくりなのが解せない(笑)結局わんこの処分を決定したのは誰だったんでしょう…。

見た時は良かったのですが、まだ1年少ししか経っていないのに、宵乃さんのこの記事と私の感想とが全然リンクしなくて(笑) 人によって見方が違う映画なのかもしれませんが??? わんこって、宇宙に行ったわんこですか? 違うかな? イングマール君のお名前が、ベルイマン監督と同じ♪って思っていました(笑)。 


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2014/07/27 11:29  miri〔編集

>miriさん

> この作品も「見なくては・見なくては」と思っていたところ、先月末に訃報に接し、かなり焦りまして、やっと・やっと今月の上旬に見ました

ハリーを演じた方が亡くなられたんですね。
他に何の作品を知ってるかなと調べたら、「ラスト・アクション・ヒーロー」の映写技師さんじゃないですか!
気付かなかったです。

> ・・・私はどうにもこうにも、中3では早すぎて(だから見なかった)今現在では遅すぎたようで、残念でした。

そうでしたか、わたしはもう猫がメインでロードムービーってだけで好感でしたからね(笑)
ストーリーとかまったく思い出せないんですよ。感想を読み返して薄っすら映像が目に浮かぶくらいで。

> どうしてだろう?と考えたところ、どう見てもハリー役のやることなす事が若過ぎるからだと気付きました。
> 70歳代の演技だとは思うのですが、私が見ると、どう見ても50歳代(行動が健康的すぎる・等)・・・調べたら、実年齢がそうだったので、なんだ~!へたくそ!と(笑)。

写真を見るとかなりの年に見えたんですが、実際は50代でしたか!
もうにゃんこに釘付けで、他の部分はあまり見えてなかったかも。

> そんなわけで、ラスト辺りもご都合の良さが、ちょっと・・・でした。
> お好きな映画をこんな風に書いて申し訳ありません☆

いえいえ、感じ方は人それぞれ、観る時どきですからね。
わたしも再見したらにゃんこ以外もしっかり見ようと思います。
コメントありがとうございました♪

> 見た時は良かったのですが、まだ1年少ししか経っていないのに、宵乃さんのこの記事と私の感想とが全然リンクしなくて(笑)

初見時はもう少し面白かったと感じたような気がするんですが、今回はさっぱりでした。
日によってまったく何も感じない時があるんです。今回もたぶんそれでしょう。
イングマル君が、自分は彼らよりましだと思うために、不幸な人の記録を探してるところを想像したら、なんか陰気だなぁと思ってしまいました。くどかったし。
miriさんの感想は公開されてないんですね。
ちなみに、わんこは彼が飼ってた犬で、叔父さんの家に預けられる時にこっそり処分されてたらしいです。母親が指示したんなら酷い!

> イングマール君のお名前が、ベルイマン監督と同じ♪って思っていました(笑)。 

そういえばそうですね!
ベルイマン監督の(作品の)イメージとかけ離れてるから思いつきませんでした(笑)
2014/07/27 16:20  宵乃〔編集
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ハリーとトント
(1974/ポール・マザースキー監督・製作・共同脚本/アート・カーニー、エレン・バースティン、チーフ・ダン・ジョージ、ラリー・ハグマン、ジェラルディン・フィッツジェラルド、メラニー・メイロン、ジョシュ・モステル、フィリップ・ブランズ、ハーバート・バーゴ...
テアトル十瑠|2009-11-20 14:35
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