映画「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」観ました

読み:きゃっちみーいふゆーきゃん
原題:CATCH ME IF YOU CAN
製作:アメリカ’02
監督:スティーヴン・スピルバーグ
原作:フランク・W・アバグネイル、スタン・レディング
ジャンル:★ドラマ/犯罪/コメディ
【あらすじ】脱税容疑で財産を奪われ、仲の良い両親が離婚することになった。高校生のフランクはショックで家を飛び出すが、生活のためには金が必要だ。やがて彼は、大手航空会社のパイロットに成りすますことで、偽造小切手の詐欺に成功する。
コメディとドラマが半々という感じで分類に困るんですが、こういうまったり楽しめてちょっとホロリとくるような作品、好きなんですよね。
期待したようなスリリングさはなかったものの、大胆不敵に次々と騙していくのが痛快でした。これが実話だなんて驚きです。
また、フランクと父親との関係、捜査官との関係が素敵でした。とくに、妻を想って泣き出してしまう父親の姿に涙腺が…。時折フランクが見せる、詐欺のときには見せないような不安げな切ない表情も、彼の心情が表れていて良かったです。
そして、ラストに捜査官がみせる信頼と、それに答えるフランクの姿にも心温まりました。
<2018/06/15 再見>
内容があまり思い出せなくなってきたので再見。思っていたより切ない作品でした。
フランクが求めていたのは自分の居場所、つまり以前のように家族が仲良く暮らしている家だったんですよね。
父親が脱税容疑で財産を失い、母親はそんな生活に耐えられず浮気した挙句に離婚…。息子に浮気を気付かれた時の対応が酷いにもほどがあって、フランクにとっての一番の思い出であるダンスシーンとのギャップに怒りすら湧いてきました。
見ているだけでこうなんだから、フランクの受けたショックは計り知れないものだったでしょう。
お金を手に入れ周りにちやほやされても、嘘で塗り固められたフランクに本当の充足感は訪れません。その寂しさを紛らわせるべく、クリスマスにFBI捜査官のカール・ハンラティと話すくだりがまた切ない!
ハンラティにそれを見抜かれて思わず受話器を乱暴に置く彼だったけど、結局また寂しくなるとハンラティと話したくなってしまうんですよね。止めてほしいのに、実の父親は止めてくれない…。ハンラティならこんな嘘まみれの人生を止めてくれるだろうか?と。
「お前なら捕まったりしない」と言った父親の気持ちはどんなものだったんでしょう。そこはわからなかったけど、脱税はきっとわかっていてやっていたことだったんですよね。父親がやっていた、ネックレスを取り出して「君が落としたんだろう?駐車場で拾ったんだ」と女性の歓心を買おうとする手口を、フランクが真似しているのが印象的でした。
初見時はスリルを感じなかったみたいですが、若きフライトアテンダントの卵を引き連れてFBIの目をくらますくだりは興奮しました。細かい手口は省略している部分も多かったけど、これは本当の天才だというのがよくわかるエピソードだったと思います。FBIに協力するシーンでも、彼が行き当たりばったりばかりではなく、かなり貪欲に知識を得ていたことがわかるし、人並外れた記憶力を持っていたこともラストで判明。さすが映画になるだけの人物です。
きっとフランクのせいで不幸になった人もいると思うけど、ハンラティという友人と新しい家族を得て、フランクの願いが叶ったことに嬉しくなってしまいました。
- 関連記事
- 映画ブログやってるのに「E.T.」を生まれて初めて観た
- 「刑事コロンボ/構想の死角」観ました
■ Comment
私も見ました。面白かったけど、何とも言えない気持ちにもなりました。やっぱり「子供」という存在を考えると、結局「愛されなかった」からあぁなったと思ってしまうから・・・。
昔々、岡本健一(もしかして知らないかな?)という人の主演のドラマで、似たような設定のがありました。子供(中学生)だけど、大人びて見えて、銀行をだましてお金を盗るって感じ?ラストに「俺だって子供なんだ~!」と涙ぐんで叫んでいたのが、本当にかわいそうで・・・そのドラマを思い出してしまったのです。
もしかしたら、同じ実話からのお話だったのかもしれませんね?日本風にしてあっただけで・・・。
この映画は、ワハハ・・・とか、ニヤッとか、もあったのですが・・・やっぱりスピルバーグは、いまひとつですね、私には。
宵乃さんの記事は温かい気持ちにあふれていて、読んでいて「そういう見方が素直だな」って感じがしました☆
サイさん、コメントありがとうございます。
> 私も見ました。面白かったけど、何とも言えない気持ちにもなりました。やっぱり「子供」という存在を考えると、結局「愛されなかった」からあぁなったと思ってしまうから・・・。
やっぱり観るひとによって、様々な見方があるんですね~。
わたしはどちらかというと、離婚が子供に与える影響について考えさせられました。母親のほうはあまり描かれていませんでしたが、父親は家族を深く愛しているように見えたんですよね。冒頭では両親が仲良すぎて少し寂しいという雰囲気も感じましたが。
> 昔々、岡本健一(もしかして知らないかな?)という人の主演のドラマで、似たような設定のがありました。
日本版ですか!この作品は結構昔のことを描いているので、十分あり得ますよね。ちょっと興味をひかれます。
岡本さんは・・・うーん、知らないです。今も活躍しているんでしょうか?
> この映画は、ワハハ・・・とか、ニヤッとか、もあったのですが・・・やっぱりスピルバーグは、いまひとつですね、私には。
スピルバーグ作品全体を考えると、わたしも好きな作品はそんなにないですね。一番好きなのは「続・激突!カージャック」かなぁ?「激突」も好きだけど、やっぱり子供を守ろうとする親の話に弱いです。
それぞれの好みがあって、映画も色々なタイプがあって、この世には誰かの好きな作品しかないのかもしれない・・・って考えると素敵ですよね♪
2009/10/10 10:25 宵乃
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2009/10/10 11:47
そうね、書いて吐き出すのも良いのかもしれませんね。
詐欺物に凝ってもう一度見直そうと「キャッチ~」、昨夜の2作(詐欺師物)を録画しています。
境雅人の「南極料理人」、ゴッド・ファーザー2もレンタルしちゃいました(*_*;。
山もそうなのですが、次に続く峰々が山頂から見えるとダメなのです。次はあそこに登ろうとかすぐ思うのよ。
時期を逸すると気持ちが萎えるのも早い方なので、宿題みたいになっちゃって・・・。
最近は目がすぐ疲れるので、一気読みと一気観をしないように努力していますが、高ぶった気持ちが途切れてしまうのが嫌ですね。
こんにちは。予定ぎっしりですね♪
楽しく鑑賞できるよう、無理のないペースで観てください。
> 山もそうなのですが、次に続く峰々が山頂から見えるとダメなのです。次はあそこに登ろうとかすぐ思うのよ。
> 時期を逸すると気持ちが萎えるのも早い方なので、宿題みたいになっちゃって・・・。
わかりますよ~、その気持ち。わたしも目の前にあるとどんどん手を伸ばしてしまう方で、それがたまってくると消化しなきゃ~みたいな気持ちになってきます。
> 最近は目がすぐ疲れるので、一気読みと一気観をしないように努力していますが、高ぶった気持ちが途切れてしまうのが嫌ですね。
できれば最後まで一気にみたいところですが、やはり目が疲れると辛い!
わたしもドライアイぎみなので苦労してます。
お互い目(と体)は大切にしましょうね~!
2010/09/02 12:53 宵乃
.