映画「トプカピ」観ました
製作:アメリカ’64
原題:TOPKAPI
監督:ジュールス・ダッシン
原作:エリック・アンブラー
ジャンル:★犯罪コメディ
女泥棒エリザベスの次の獲物は、イスタンブール、トプカピ宮殿博物館のエメラルドをあしらった宝剣だ。早速仲間を集め、武器の運搬にガイドのシンプソンも雇う。だが、彼はトルコ国境で逮捕され、一味逮捕のためスパイを強要されるのだった。
冒頭のエリザベスがひとりでしゃべっているシーンが”いかにも古臭いコメディ”という感じで、安っぽい印象を受けたんですが、それがとんだ大間違い。観ているうちにどんどんひきこまれて、あのどこかゆる~い雰囲気を醸している登場人物たちと、ハラハラドキドキの侵入・強奪シーンに、時間が経つのも忘れて楽しんでいました。
主人公はちょっと抜けてるシンプソン。何も知らされず車を届ける仕事を引き受けた彼は、彼らに関わったためにテロ容疑→スパイ強要→窃盗団の一員に、と巻き込まれていくんですよね。その経緯がユーモラスに描かれ、中でも一味に加わる時に行ったテストで、ロープの先に結ばれたソファから「あなたならできるわ、がんばって」というエリザベスの声に、一気にやる気を出すシンプソンの表情は笑えました。
しかし、実際に計画が始まってからは雰囲気が一変します。
高所恐怖症で小太りなシンプソンが屋根伝いによろよろと歩くシーン、ロープで吊り下げた軽業師を合図だけを頼りに下ろしたり引き上げたりするシーンは、まさに手に汗握る緊張感!
今までのゆるさが嘘のように、スリリングな時間を味わわせてくれました。
後はまたゆるい雰囲気なんですが、あっけらかんとした明るさがあってこの作品にぴったりのラストだったと思います。