映画「亀は意外と速く泳ぐ」観ました
やれば出来る主婦スズメさんの門出(2017/11/28イラスト差し替え)
読み:かめはいがいとはやくおよぐ
製作:日本’05
監督:三木聡
ジャンル:★コメディ
亀の世話ばかりしてる平凡な主婦スズメは、自由奔放な友人クジャクに憧れていた。ある日、偶然にも「スパイ募集」という小さな広告を発見。あっさりスパイになった彼女は、目立つなという指示のおかげで平凡な毎日が楽しくなってゆく。
非常に私好みの映画でした。好きなんですよねぇ、こういう脱力系コメディ。全体的にほのぼのしてて、ときおり「クスっ」と笑わせてくれる…それだけでなんかこう、癒されるんですよ。「時効警察」となんら変わりないノリなので、あれが大丈夫な人にはおすすめです。
細かなギャグもいいんですけど、平凡で影の薄い主婦がいきなりスパイにっていう設定と、ゆるーい世界観がすごくマッチしていて良かったと思います。とくに何をするわけでもなく、指令がくるまで目立たないようにするというだけでこんなにも楽しめるってのは、この「ゆるさ」あってのことですから。
あとはスズメの性格ですよね。彼女は平凡平凡言ってますが、結構変わった人なんですよ。ふつう修理屋さんの馬鹿話に付き合ってむきになったり、父親と相撲を取って負けて本気で悔しがったりしないですもんね。
友人のクジャクも思ってたみたいですが、スズメには人生を楽しむ才能があるんだと思います。
何かを求めて努力するのも大切ですが、今あるものを楽しむことも大切なんだなとか、ちょっと考えさせられました。
<2017/11/23:再見>
久しぶりに再見して家族とクスクス笑いながら見られました。
基本的には初見時と同じ感想で、変な物語なのにゆるーい空気と見事にベストマッチしていて、とんでも展開でも違和感なく受け入れられるところが凄いです。レミオロメンの「南風」も妙に合ってたし。
あと、今回は「そこそこラーメン」を作り続けてきた店主のエピソードが印象に残りました。
スズメはスパイになって平凡でいることが楽しくなったけれど、彼は「本気で旨いラーメンを作って、それを食べて喜ぶお客の笑顔が見てみたい」という思いを押し殺して平凡でい続けたんですよね…。でも、実は前から平凡な日常に幸せを見つけていたスズメは、そんなそこそこの味がお気に入りで、きっと彼はそんな彼女に救われてるところもあったんだろうなぁと。
あっさりとした別れの後、彼が最後にレシピをプレゼントしていたとわかるところがニクイです。
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