忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「雨月物語」観ました

 | 時代劇  com(8) 
Tag:日本 

雨月物語
製作:日本’53
監督:溝口健二
原作:上田秋成
ジャンル:★ドラマ/時代劇

【あらすじ】戦国時代、戦に乗じて焼き物商売をする百姓・源十郎。すべては妻子にいい暮らしをさせるためだったが、町で美しい若狭姫と出逢い共に暮らし始めてしまう。一方、彼の商売を手伝っていた藤兵衛は、出世のため妻を残して戦に加わり…。

雨月物語ってこんなに泣けるものだったんですね。以前これをもとにした何かの作品をみたときは、浮気男が全てを失う自業自得な話という印象だったんですが、こんなにも愛情に溢れた物語だったとは…。
まず、雨月物語=ホラーという図式が崩れました。
前半で丁寧に描かれる源十郎たちの生活と夫婦の愛情。愛するものを幸せにしたいという想いが、しだいに金や出世への欲へと繋がり、妻が望むささやかな幸せに気づかない。そんな、夫婦のドラマがメインなんですよね。
それに、幽霊が出てきてもぜんぜん怖くないし、源十郎が逃げ出そうとした時も、不気味担当の姫の付き人が『こんな可哀想な身の上の姫を残して、気が咎めないのか~』と情に訴えてくるし。ラストの涙腺を刺激する展開も、ホラーというよりファンタジーでした。
また、源十郎の愛情や誠実さが言動の端々から感じられ、不倫男への嫌悪感をあまり感じなかった事にも驚きました。確かに彼は誘惑に負けてしまうんですが、着物を見ながら奥さんの喜ぶ顔を思い浮かべていた時は、姫のことなんて頭になかったように見えますし、姫の誘惑も”おびき寄せる”というより”追い詰める”感じなんですよね。
でも結局は、不倫のせいで防げたはずの悲劇も防げなかった訳で。それでも優しく彼を迎える奥さんの姿には、本当に涙がこみ上げてきました。
最後の言葉は切なすぎる…。

余談ですが、姫を最初に見たとき”化粧をしない女しか見たことがなさそうな百姓が、若狭姫をみて美しいと思うのか”なんて思ったんですが、不思議なことに10分もしないうちに妖しい美しさを感じてしまいました。女優の力量ですね。
でも、一番いい女だと思ったのは藤兵衛の奥さんだったり。逞しくて素敵。

関連記事
「瀧の白糸 (1933)」観ました

■ Comment

こんばんは☆

先日鑑賞しました。
とても良かったです。26日(火)に、記事をアップします☆
当日はTBさせて頂きますね~。

イラスト良いですね~。
きっとこのような色彩だったと思いますよ、宵乃さんの想像力、すごい!
選ばれたこの場面も、胸を打ちます。

>まず、雨月物語=ホラーという図式が崩れました。

そんな図式ができるような模倣?映画を作ってはいけませんよね。
でもオリジナルを鑑賞なさって、ホントに崩れて良かった☆

>それに、幽霊が出てきてもぜんぜん怖くないし、
>ラストの涙腺を刺激する展開も、ホラーというよりファンタジーでした。
>不倫男への嫌悪感をあまり感じなかった事にも驚きました。
>姫の誘惑も”おびき寄せる”というより”追い詰める”感じなんですよね。
>それでも優しく彼を迎える奥さんの姿には、本当に涙がこみ上げてきました。
>最後の言葉は切なすぎる・・・。

全部、おっしゃる通りですね~。
この作品は、日本人の、どこか深いところを打つのだと思います。
あまりにお若い人には感じられなくても、きっと日本人を長くやっていれば、
誰の心にも必ず届く物語だと思います☆

>でも、一番いい女だと思ったのは藤兵衛の奥さんだったり。逞しくて素敵。

これは特に大共感!!!です!!!
許し、という言葉では表現できない何かを持っていますよね・・・
自分達も頑張らねば、と思わせてくれる女性です。

**************************

24日に「投票最後の日です」という記事をアップします。
内容は本日と同じで、ただ「今日までです」と書くだけですけど・・・。

あと25日の0時になると自然と投票出来なくなるのですよね?
25日の朝に投票フォームを削除すれば宜しいですね?

では、明日明後日、あと二日、って地デジと同じ!? 盛り上がってまいりましょう~♪
2011/07/22 (Fri) 19:53  miri〔編集〕  

>miriさん

いらっしゃいませ、コメントありがとうございます。
miriさんの記事も楽しみに待ってますね。

> きっとこのような色彩だったと思いますよ、宵乃さんの想像力、すごい!
> 選ばれたこの場面も、胸を打ちます。

あれ、この映画ってモノクロでしたっけ?
カラーのイラストを描いたせいなのか、この作品が素晴らしすぎてカラーで見えてしまったのか・・・(笑)
仲睦まじい夫婦の様子でした。

> この作品は、日本人の、どこか深いところを打つのだと思います。
> あまりにお若い人には感じられなくても、きっと日本人を長くやっていれば、
> 誰の心にも必ず届く物語だと思います☆

そうなんですよね~、ぜひとも多くの人に観てもらいたい作品です。
わたしみたいに「雨月物語=ホラー」と思っている人は少なくないでしょうし、この作品をきっかけに古い作品に興味が・・・ということも十分考えられますしね。

> これは特に大共感!!!です!!!
> 許し、という言葉では表現できない何かを持っていますよね・・・
> 自分達も頑張らねば、と思わせてくれる女性です。

古い作品となると女性の描き方が一方的なことも多いですけど、この奥さんは心から素敵だと思える女性でした。男女関係なく、この作品には感じるものがあるでしょうね。
永久保存のため録画しときゃよかった!!

> 24日に「投票最後の日です」という記事をアップします。
> 内容は本日と同じで、ただ「今日までです」と書くだけですけど・・・。

じゃあ、わたしも作品詳細の記事に書き加えてアップしなおしますね!

> あと25日の0時になると自然と投票出来なくなるのですよね?
> 25日の朝に投票フォームを削除すれば宜しいですね?

あはは・・・、それがよくわからないんですよ。投票期間を24日までに設定してありますが、それが24日の何時になるのかヘルプに明記されてないんですよね。まあ、前回問題なかったと思うので、25日の朝に投票フォーム削除で大丈夫でしょう。

> では、明日明後日、あと二日、って地デジと同じ!? 盛り上がってまいりましょう~♪

お、ホントだ!
では25日に結果をお知らせしますね~!
2011/07/23 (Sat) 10:35  宵乃  

BSから録画して一気に見ました。

良かったです!さすがヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した映画です。

>愛するものを幸せにしたいという想いが、しだいに金や出世への欲へと繋がり、妻が望むささやかな幸せに気づかない。

そうなんです。だからこそ終盤で思います。堅実に生きるのが一番だと。
それとああ言う時代は、戦によって庶民が被害を受けたんでしょうね。

源十郎の奥さん宮木を演じる田中絹代さん。品がある美しさでした。
2015/05/02 (Sat) 10:08  間諜X72〔編集〕  

>間諜X72さん

いらっしゃいませ、こちらをご覧になったんですね!
ホント素晴らしい作品で、こうやって観て頂けて、この作品について話せる仲間が増えて嬉しいです♪

> そうなんです。だからこそ終盤で思います。堅実に生きるのが一番だと。

ですよね~、日常に溢れている小さな幸せを思い出させてくれる作品でした。
戦に振り回されながらも必死に生きる百姓だからこそ説得力があります。

> 源十郎の奥さん宮木を演じる田中絹代さん。品がある美しさでした。

貧しくても、内面の美しさが滲み出てる感じでしたね。
どの俳優さんも存在感ある演技をしていた覚えがあります。
2015/05/02 (Sat) 12:06  宵乃〔編集〕  

逞しい妻、阿濱

>貧しくても、内面の美しさが滲み出てる感じでしたね。

そうなんですよ。

>不思議なことに10分もしないうちに妖しい美しさを感じてしまいました。女優の力量ですね。

若狭役の京マチ子さんは妖艶な美しさです。

>でも、一番いい女だと思ったのは藤兵衛の奥さんだったり。逞しくて素敵。

阿濱役の水戸光子さん。開き直って強くなった妻を好演です!

>どの俳優さんも存在感ある演技をしていた覚えがあります。

若狭に付き添う老女右近(毛利菊枝さん)もいいですね。あの二人は1970年代にNHKのホームドラマで共演していた記憶があります。

2015/05/03 (Sun) 09:34  間諜X72〔編集〕  

Re: 逞しい妻、阿濱

> 若狭役の京マチ子さんは妖艶な美しさです。

そうそう、妖艶でしたよね。
京マチ子さんといい、水戸光子といい、違ったタイプの女性を生き生き演じてました。

> 若狭に付き添う老女右近(毛利菊枝さん)もいいですね。あの二人は1970年代にNHKのホームドラマで共演していた記憶があります。

ホント、あの老女もインパクトありました!
ホームドラマですか…老婆姿がインパクトありすぎて想像できません(笑)
2015/05/03 (Sun) 14:02  宵乃〔編集〕  

四世代

>ホームドラマですか…老婆姿がインパクトありすぎて想像できません(笑)

「四季の家」(1974年)。女系四世代の同居で起こる家庭問題などを扱ったドラマ。橋田壽賀子脚本。
曾祖母(毛利菊枝)、祖母(赤木春恵)、母(京マチ子)、娘(長谷直美)。

>また、源十郎の愛情や誠実さが言動の端々から感じられ、不倫男への嫌悪感をあまり感じなかった事にも驚きました。

森雅之さん名演です。「日本映画黄金期を代表する名優の一人」だそうです。
僕は詳しい事を知りませんが、有名な小説家の息子さん。

宵乃さんのイラスト。鮮やかです!白黒映画の一場面に見事に色をつけましたね!
2015/05/05 (Tue) 18:47  間諜X72〔編集〕  

Re: 四世代

> 橋田壽賀子脚本。

あ、結構ドロドロ系なんですね(笑)

> 森雅之さん名演です。「日本映画黄金期を代表する名優の一人」だそうです。

よく聞く名前ですし、出演作を見ると結構知ってる作品が多くて驚きました。
まだ顔を覚えてない俳優さんなんですよ。名優さんなら覚えないと!

> 宵乃さんのイラスト。鮮やかです!白黒映画の一場面に見事に色をつけましたね!

ありがとうございます♪
なんとなく版画っぽくなって、意外とお気に入りのイラストです。
2015/05/06 (Wed) 10:38  宵乃〔編集〕  
名前
タイトル
URL
本文
非公開コメント

■ Trackback

この記事のトラックバックURL
トラックバック一覧
雨月物語
1953年作やはり名作でした!夢を追う(見る)男と質素でも堅実な生活を求める女たちの物語ー。江戸時代後期に上田秋成が書いた原作を1953年に映画化は、私の生まれ年でもあります。死霊・若狭姫を演じた京マチ子の怪しい魅力、田中絹代の母性、水戸光子のたくましい女の迫力は一見に値します 。霧たちこめる琵琶湖に舟を漕ぐシーンは幻想的、舞台となる長浜の武家屋敷に夜が近づき、屋敷の侍女たち...
newしずくの水瓶|2016-01-22 17:30
2-1157 雨月物語
(ブログ DE ロードショーってこういう企画です) 雨月物語 1953年・日本 7月中旬 BS3 監督 溝口健二 主演 田中絹代 (宮木 役) 感想 溝口監督は先月「新・平...
映画鑑賞の記録|2011-07-26 10:34
.