忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「バヤヤ」観ました

バヤヤ
原題:BAJAJA
製作:チェコスロバキア’50
監督:イジー・トルンカ
原作:ボジェナ・ニェムツォヴァー
ジャンル:★ファンタジー/ロマンス

【あらすじ】母親が去り悲しみに包まれる家で、父親とふたり貧しく暮らす青年がいた。ある晩、白馬に姿を変えた母親が現れ、彼は導かれるままに旅立つ。やがて、3人の美しい姫のいる国に辿り着くが、彼女たちは三匹の竜に身を捧げる運命にあった。

チェコの民話をもとにした、幽玄な美しさをもつ長編人形アニメーション。
騎士の鎧に身を包んだ青年が、竜への供え物になろうとしていた3人の姫を助けます。姫たちは騎士に想いを寄せるものの、鎧を脱いだ彼には気付かず…というお話。
セリフは少なく、人形の動きもややぎこちないものですが、顔の角度や光の具合で表現される”感情”が素晴らしく、まるで人形たちが生きているかのように見えました。
とくにヒロインである末姫の優美な身のこなしや、悲しみを湛えた表情は(描かれた顔が変わった訳ではないのに)神秘的なほど。そんな彼女を元気づけようとする老道化師も可愛らしく、耳をぴょこぴょこさせたりでんぐり返しをしたり、何も出来なくて落ち込んだりと感情豊かに描かれています。
セリフどころか説明もほとんどないため、何故母親は馬になったのか、母親の罪の償いが息子による竜退治でいいのか、そのあいだ取り残された父親は可哀想すぎやしないか、など気になる点もいくつかありますが、観終わって出会えてよかったと思える傑作でした。
他の作品も機会があったら是非観てみたいと思います。(BSでやってくれるかな?)

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■ Comment

こんばんは☆

「バヤヤ」再見しました。(明日記事をアップします)

宵乃さんはもうあまり覚えていらっしゃらないかもしれないけど
あまりにもこのイラストが美しいので
それだけ言いたくてコメントさせて頂いています。

人形たちよりもこうして細い線で描かれると
(技術的なことは私には分からないけど)
今風な感じになって、映画とは違った感じで胸を打ちました。

「美しいイラストを、どうも有難う!」

>セリフは少なく、人形の動きもややぎこちないものですが、顔の角度や光の具合で表現される”感情”が素晴らしく、まるで人形たちが生きているかのように見えました。

そうなんですよ~サイレント映画のようでした。

>とくにヒロインである末姫の・・・
>そんな彼女を元気づけようとする老道化師も可愛らしく・・・

記事の通りです。
その二人を描かれたのは納得です☆

>セリフどころか説明もほとんどないため・・・観終わって出会えてよかったと思える傑作でした。

私は初見時に最初の数分を見ていなくて
あとで録画した完全なのをずっと見なくて
今回やっと最初から全部見て、でも「?」ばかりなのに、
本当に素晴らしい作品だと思いました。


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2021/07/19 19:10  miri

>miriさん

いらっしゃいませ、こちらを再見されたんですね!
イラスト覚えていてくださっていただけでも嬉しいのに、お褒めのお言葉までいただけて感激です。
タイトルを聞けばこのイラストを思い出すくらいには印象に残ってると思ってたんですが、内容の方はさっぱりでした(笑)

> そうなんですよ~サイレント映画のようでした。

想像の余地がありまくるところもサイレント映画っぽいですよね。

> 私は初見時に最初の数分を見ていなくて
> 最初から全部見て、でも「?」ばかりなのに、本当に素晴らしい作品だと思いました。

そうそう、自分の好きなように解釈していいし、わからなくても美しいから眼福という。後世に残すべき価値ある芸術作品という感じです。
映画が好きじゃなければ出会えなかった作品だと思います。その感想をこうやって共有できる相手がいるというのも思えば恵まれてますよね。いつもコメントありがとうございます♪
2021/07/20 07:56  宵乃〔編集
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