読み:ありすのれすとらん
原題:ALICE'S RESTAURANT
製作:アメリカ’69
監督:アーサー・ペン
原作:アーロ・ガスリー
ジャンル:青春ドラマ
【あらすじ】「やりたくない事はやらない」主義で、ギター片手に気ままに生きるヒッピーのアーロ。感謝祭には、レストラン経営者で近くの教会を買い取ったレイとアリス夫妻に招待され、彼と同じ様な若者たちと過ごすが…。
仲間と騒いだり、不法投棄で捕まったり、病気の父を訪ねたり、徴兵されそうになったり…ひたすらダラダラ続くんですが、不思議と退屈はしない作品でした。
不法投棄のエピソードは割と楽しい雰囲気で、暇を持て余していた警察がさんざん”らしい”捜査をしたのに罰金で済まされてがっくりするのは笑えます。その後、アーロたちがちゃんとゴミを処分しようと、わざわざNYのゴミ処理場まで来てしまうのもお気楽で彼ららしい。
ただ、面白いと言っても、この作品には彼らを一歩離れた所から見ているような冷めた感じがあって、明るく笑ってスッキリというタイプではないんですよね。どこか乾いているというか。…それが独特な味わいを醸し出しているのかもしれません。
また、徴兵を逃れようとする様子もユーモアを交えて描かれているんですが、希望通り免除されたのに嬉しくないということを病床の父に洩らし、辛いことから逃れているだけでは駄目だと悟ります。
やがて父が亡くなり、仲間が薬物依存の果てに事故で亡くなり…。
アリスとレイの結婚式を終え、一人、また一人と仲間が去って、二人だけが取り残されるラストが物悲しいです。