映画「ワンナイト・イン・モンコック」観ました
読み:わんないといんもんこっく
原題:旺角黒夜
製作:香港’04
監督:イー・トンシン
ジャンル:★サスペンス/犯罪ドラマ
【あらすじ】クリスマス・イヴの夜。暴力と犯罪の街モンコックでは、些細な事から始まった組織抗争を終結させるため、ミウ警部らによる掃討作戦“ワンナイト・イン・モンコック”が始まろうとしていた。組織に雇われた殺し屋フーは、偶然出会った同郷の売春婦タンタンをカモフラージュに使うが…。
クライム・サスペンスというとドンパチが始まるイメージであまり好きではないんですが、これはそんなこともなく (流血は結構あるけど)、切ない雰囲気漂う私好みの作品でした。
メインは殺し屋と売春婦の逃走劇で、警察はもちろんギャングや同郷の手配屋、タンタンに絡んでいた客など、周りは敵だらけという状況のなか、ふたりのこころの交流が繊細に描かれます。
明るくタフに生きているように見えるタンタンには、家族のため貧しい故郷から出稼ぎにきて、いつしか売春婦として空虚な毎日を送るようになっていたという影がありました。そして、冷静沈着に見えた殺し屋フーも、音信不通になった恋人を探すという本当の目的があり、物価の高い香港で人探しをするためにやむなく殺し屋になったという事情があります。
「小さな不幸に慣れてはいけない、抵抗してればいつか良くなる」という彼の言葉が、こころにずしんと響きました。