映画「反撥(はんぱつ)」観ました

原題:REPULSION
製作:イギリス’64
監督:ロマン・ポランスキー
ジャンル:★サスペンス/スリラー
【あらすじ】イギリスで姉ヘレンと暮すポーランド人のキャロルは、最近よく泊まってゆくようになった姉の恋人に嫌悪感を抱いていた。毎晩となりの部屋の物音に悩まされ、次第に男に対する不安を膨らませてゆく。それは、姉が旅行に出てから更に悪化し…。
地味に怖い映画でした。
姉の恋人の物を自分の物からそっと離したり、ひび割れをじっと見詰め続けたり、妄想の産物に襲われたり…しだいに狂気に蝕まれていく様子が淡々と描かれています。グロい描写やショッキングな映像はほとんどないにもかかわらず、「じとっ」とした怖さがありました。
姉も同僚も彼女に恋する青年も、決して彼女の心配をしていない訳ではないのに、誰かが仕向けるでもなく破滅の道を辿ってしまうのも恐ろしいです。
姉の恋人の存在、一人きりの時間、それだけで人間は狂ってしまうのか?
最後、家族写真の幼い彼女の眼が、全てを物語っているように感じました。
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■ Comment
>姉も同僚も彼女に恋する青年も、決して彼女の心配をしていない訳ではないのに、誰かが仕向けるでもなく破滅の道を辿ってしまうのも恐ろしいです。
>姉の恋人の存在、一人きりの時間、それだけで人間は狂ってしまうのか?
ハイ、周りの人は皆、彼女を心配していました。
なので、それだけではなく、このヒト個人の特性か?と思いました☆
>ほとんどホラー作品として観てしまいました。
・・・ごめんなさい、私はこの作品はサイレントのスリラーを目指して、そうなれなかったコメディホラーのように思いました。
異国人である主演者が、まだ独り芝居が出来るまでの演技力のない時期に、異国人である監督が、彼女のいろんな姿を撮りたくて撮った作品のように思いました。
全体的に残念な作品でした。
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2013/12/31 13:59 miri〔
編集〕
いらっしゃいませ、明けましておめでとうございます♪
新年早々こんな話題なのもなんですが、この作品はヒロインが幼少時代に父親?に性的虐待を受け、その記憶が隣室の情事の音によって呼び覚まされ、狂ってしまうという内容だったと思います。
暗がりから現れる男の影が、幼い頃の記憶であり、彼女を蝕み続ける恐怖そのもの…。ラストに映る昔の家族写真で、彼女がなんとも言えぬ表情で父親らしき男を見ているのは、そういう事なんじゃないかと。
誰にも相談できなかったのか、言っても伝わらなかったのか、彼女はずっと長いあいだ孤独の中にいたんだと思います。姉が彼女を心配していても、”何も知らない”ためにまったく届かず、目の前にいるのに救う事ができないという怖さも感じました。
> 異国人である主演者が、まだ独り芝居が出来るまでの演技力のない時期に、異国人である監督が、彼女のいろんな姿を撮りたくて撮った作品のように思いました。
そうですか~。まあ捉え方は人それぞれですので…。
コメントありがとうございました!
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