忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画「誰がために鐘は鳴る」観ました

誰がために鐘は鳴る
平和でも常に麺棒を装備してそう。
読み:たがためにかねはなる
原題:FOR WHOM THE BELL TOLLS
製作:アメリカ’43
監督:サム・ウッド
原作:アーネスト・ヘミングウェイ
ジャンル:★戦争ドラマ/ロマンス

【あらすじ】クーデターにより独裁軍事政権が開かれたスペイン。義勇軍に参加するアメリカ工作員ロベルトは、3日後の橋爆破作戦の準備を進める。そして、現地の協力者と合流した彼は、反乱軍に両親を殺された美しい少女マリアと出会うのだった。

始まりからして強烈でした。
赤黒い空を背に、負傷した相棒に殺してくれと頼まれ、追っ手が差し迫るなか苦渋の決断を下した主人公。戦争だから仕方がないと慰められても、「殺人は殺人だ」と自分の罪から目を背けることはありません。守るもののために冷酷であろうとする反面、もう戦いたくないという気持ちがあることを、彼の言動の端々から感じ取れました。
それは主人公に限ったことではなく、「戦争が終わったら誰も傷つけない」と言っていた案内係や、「今まで俺が殺した人間すべてが生き返って欲しい」と嘆いていた協力者の元リーダー・パブロなど、戦っている全てのひとに共通していたと思います。
特にパブロには思いのほか感情移入してしまい、戦いを拒んだだけで仲間たちに蔑まれ、裏切るかもしれないから殺してしまえと言われてしまう彼の孤独を考えると泣けてきました。
確かに彼は臆病風に吹かれていたかも知れませんが、だからといって仲間を売るような人間だと決め付けるのは悲しすぎます。そして、そんな風にパブロを見限った彼らも、仲間想いで戦争を憂える普通の人々なんですよね。
疑心がふくれあがり、仲間まで信じられなくなってしまう戦争を、改めて恐ろしいと思いました。
悲痛なラストに胸がつまります。

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■ Comment

こんにちは☆

今日はコメントとTBを有難うございました☆
DVDをお持ちで、宵乃さんにとって、特別な映画なのですね!

>疑心がふくれあがり、仲間まで信じられなくなってしまう戦争を、改めて恐ろしいと思いました。
>悲痛なラストに胸がつまります。

本当に申し訳ないのですが、すっからかんで覚えていなくて恥ずかしいです。
同じ反戦映画でも、明日にアップする予定の映画は、よく覚えているのですが・・・。
いつかどこかで再見できましたら、またこちらにお邪魔させて頂きますね~♪

※では、粛々と宜しくお願いいたしま~す☆
2011/01/09 16:16  miri〔編集

>miriさん

いらっしゃいませ!
いや~、DVDを持っていると言っても、安売りしてると勝手に買ってきてしまう奴がいて、その中にあったというだけなんです・・・。でも、好きな作品ですけどね。

> 本当に申し訳ないのですが、すっからかんで覚えていなくて恥ずかしいです。
> 同じ反戦映画でも、明日にアップする予定の映画は、よく覚えているのですが・・・。

いえいえ、わたしこそ観た先から忘れていく今日この頃で、やはり映画とともに思い出を積み重ねてきた方々にはかなわないなぁと日々思ってます。

では、今週もがんばりましょうね~!
2011/01/10 10:45  宵乃

弊記事までTB&コメント有難うございました。

>パブロ
僕は構成とかバランスといった技術的に見る習慣があるので、パブロやその奥方が主演の二人などに絡む場面がバランス的に問題があると思ったのですが、宵乃さんがパブロに感情移入できるのは、僕と違って非常に素直できちんとした観方をされているからなんでしょうね^^

宵乃さんが挙げられた台詞を総合すると、なるほど、反戦的なテーマがくっきり見えてきます。
2011/08/08 16:21  オカピー編集

>オカピーさん

いらっしゃいませ、コメントありがとうございます。

きちんとした観方だなんてそんな、いつも感情にまかせて書いているばかりで恥ずかしいです。
オカピーさんの記事を読むと知らなかったことばかりで、勉強になります!

> 宵乃さんが挙げられた台詞を総合すると、なるほど、反戦的なテーマがくっきり見えてきます。

本当に戦争は人間を変えてしまうなぁとつくづく思いました。
ながく多くのひとに見てもらいたい名作ですね。
2011/08/09 10:28  宵乃

こんばんは☆

昨年7月にオンエアされて、BDに録画していたのを今夜、やっと見ました☆
お約束通りに、こちらに戻ってまいりました。

>平和でも常に麺棒を装備してそう。

しかしまぁ、このイラスト! このひとこと!
貴女は、天才です♪

>疑心がふくれあがり、仲間まで信じられなくなってしまう戦争を、改めて恐ろしいと思いました。

素晴らしい反戦映画でしたね。
・・・とても美しい映像で、150分以上あって、
お話の内容は辛かったけど、映画的には見ごたえのある作品でした。
初見感想の記事に追記しましたので、お時間あったらお願いします。(URL)
2012/06/09 22:43  miri編集

>miriさん

いらっしゃいませ、約束通りコメントに来てくださってありがとうございます!
イラストは自分で見ても彼女の目力にギョっとしますね(笑)
平和な時代だったら、若い娘にデレデレする旦那とか泥棒を、麺棒持って追いかけてそうなイメージです。

> 素晴らしい反戦映画でしたね。
> ・・・とても美しい映像で、150分以上あって、
> お話の内容は辛かったけど、映画的には見ごたえのある作品でした。

本当に素晴らしい作品でした。長い時間も気にならないですよね。
いつも思うことですが、これも学生に観てもらいたいです!
2012/06/10 11:00  宵乃〔編集
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