映画「HELL ヘル」観た
原題:IN HELL/THE SAVAGE
製作:アメリカ’03
監督:リンゴ・ラム
ジャンル:アクション/サスペンス
【あらすじ】モスクワの石油工場で働くカイルは、帰国しようとしていたその日に妻を殺されてしまう。そして、判事を買収し無罪となった犯人を殺害、終身刑となる。しかし、彼が送られたクラヴァヴィ刑務所は、力と金がものをいう地獄のような場所だった。
”地獄のような”といっても、他の監獄映画で描かれるものと大差ないとは思うんですが、看守の収賄、暴力での支配、囚人同士の決闘”スパルカ”の強制…と、胸くそ悪い腐敗した世界がちゃんと描かれてました。
また、反抗するたびに入れられる懲罰室が、下水は流れ込むは雨は降りこむは、隣りの部屋から四六時中うなり声が響いてくるはで、本当に二度と入りたくないと思わせる場所になってます。そこで精神的に追いつめられ、絶望し命を絶とうとするまでの見せ方も私好みで良かったし。なかなか上手い伏線も用意してあって、B級アクション映画ながら油断できません。
とくに印象に残るのが、死に損なった彼の前に現れる一匹の”蛾”
「死者の魂は蛾になって戻ってくる」という亡き妻の言葉を思い出し、彼は妻が自分を励ましに来ていると希望を見出します。…人間、これくらい信じられる心がないと強く生きられませんよね。
後半、主人公の行動に心動かされ囚人が一致団結するシーンも、定番ながら感動的でした。でも、その後は正直微妙なところ。あっさり元通りになって、あっさり復讐、あっさり脱獄と、なんだか締まりのない終わり方だったのが残念です。
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