忘却エンドロール

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映画「MEMORIES」感想

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Tag:日本 

製作:日本’95 113分
監督:大友克洋
ジャンル:オムニバス(★SFホラー、ブラックコメディ、ファンタジー)

恐らく小学生の頃に1度観たきりになってた作品。面白くないオムニバスという印象が強かったのでスルーしてたんですが、今回1つ目の作品「彼女の想いで」が今敏脚色と知って再見しました。というわけで、各話ごとの感想です。

「彼女の想いで」
今敏テイストが溢れてる~!!宇宙版タイタニック(幽霊船化)+シャイニングみたいなSFホラーで(元ネタは「エミリーに薔薇を」らしいけど未読)面白かったです。スクラップ屋が救難信号をキャッチして巨大な宇宙船に乗り込むと、豪華な調度品であふれた船内で声を聴いたり幻を見たり不思議なことに遭遇し…というお話。だんだんと宇宙船の女主の背景がわかり、その強い想いに取り込まれそうになっていく幻想的な映像が今敏テイストで描かれて大満足でした。やっぱりこういう演出は彼の持ち味だよね。作画も素晴らしく、とくに回転する巨大宇宙船に入っていく映像は「これを手描きで!?」となる緻密さ。人間ドラマも完全に引き込まれてしまいました。既視感がないわけじゃないけど、映像とストーリーとマッチしてるから余計なことを考えずに集中できる。再見して良かったと思える作品でした。

「最臭兵器」
「MEMORIES」を避ける原因となった作品。体調が悪くて解熱剤と言われた試薬を飲んだところ、自分の周りの人間がみんな倒れてしまい…というブラック・コメディ。たぶん劇場公開したら子供も見る可能性があるから…ということでこれと「大砲の街」も入れたんだろうけど、個人的には作品の温度差が違い過ぎて辛かったです。たぶん大層な肩書と玩具を持っていても振りかざすだけで使いこなせない人たちや、上司から言われたら何も考えずにとにかく遂行しようとする仕事人間とかを風刺してるのかな…?それにしたって人間一人に(しかも精神状態や代謝が臭いの強さに繋がるって言われてるのに)大量の兵器で攻撃しようとする意味が解らない。適当に上司の嘘の手紙付きで救援物資をパラシュート落下させて、必ず助けるから準備が整うまで渡したテントと食料でその場待機してろとか言って、睡眠薬入りの飲食物を摂らせればすぐ解決しただろうに…。せめて10分くらいでまとめられなかったのか。

「大砲の街」
すべての建物に大砲を備えた街での日常を、とある一家を中心に描いた作品。これも冗長でぜんぜん面白くなかったです。大砲に弾を込めるだけにどんだけ時間使ってるんだ…。23分をワンカットで描いていると後から知ったけど、だから何?という感じ。映画の長回しにも何の価値も見いだせない人間なのでね。オチも微妙だしなんだかな~と思ってたんですが、その日の夢で「将来、独裁者になって世界を混乱させるとAIに予知された人間を、子供の頃からあの街に閉じ込め、偽りの戦争で満足させるための舞台装置なのだ」という種明かしを見てなるほどな~と思いました(だが夢だ!)。

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