忘却エンドロール

素敵映画に出会えた時の感動をそのまま書き綴る、映画感想ブログ.

映画まとめ感想(6/2~6/5)

6/2「クリムゾン・ピーク」
ギレルモ・デル・トロ監督かぁ…。全体的には雰囲気があったし退屈はしなかったんだけど、ヒッチ・コックの「汚名」を軽くパクってるよね?【鍵を盗んだか確かめるためにヒロインの目の前に鍵束を置いて部屋を出る】【毒を少しずつ盛られて動けなくなる】【身内女性の言いなりの犯罪者】【ヒロインのことは本当に好きだった】辺りが共通点で、スパイものとゴシック・ホラーの違いはあるけどアレンジしました感がすごかったです。そこにがっかりしたし、他の印象的なシーンとかも何かのパクリなんじゃないかと疑ってしまいました。あとヒロインがトーマスに惹かれていく過程が薄い。

6/3「グリーンブック」
1960年代アメリカの人種差別をやんわり描いた実話もののロードムービー。直接的な暴力描写は確か白人同士の殴り合い(主人公から一方的?)くらいだったので、今までの重い作品と比べるととても見やすかったです。悲惨な描写がなくても差別の理不尽さは感じられたし、成功した黒人でもこの扱いなんだから”労働者”としてしか見られていない人たちは…と想像させられます。そしてチンピラみたいな主人公トニーと天才ピアニストDr.シャーリーとの距離が縮まっていく過程も丁寧で良かったです。黒人が使ったコップを捨てるようなトニーが、ドクターのピアノを聞いて初めて敬意を抱くシーンが印象的。音楽は易々と壁を飛び越えるんだなぁ。そして用心棒として必要だったからトニーを雇っただけだったドクターも、彼の家族想いな一面や熱い性格を知って心を開いていく。たぶん人種の違いがなくても反発してただろう二人だから、深まっていく友情にほっこりできました。ロードムービーはこうでなくっちゃね。夫の成長を優しく見守る奥さんの存在も輝いてました。タイトルは黒人向け旅行ガイドブックのことで、こんなものがないと旅もできない社会を象徴してるのかな。

6/5「地球の静止する日」
のんびりした雰囲気のSF作品でした。テーマ自体は真面目なはずなんですけど、異星人が地球にメッセージを伝えるのにどうしても全世界に平等に伝えなきゃ嫌だい!と我がままを言ってるのが滑稽で…(汗)そんな科学が進んでるのに全世界電波ジャックとかできないんですか。そもそも最初は通信でメッセージを送って、ある程度信頼関係を築いてから地上に降りた方がトラブルが少ないと思う。それに、どんなに人類が愚かでも自分たちより圧倒的に進んだ技術を持った星の使者を生死問わず捕えろ、なんて命令は出さないでしょう。ラストの使者の演説は”世界の警察官アメリカ”の宣伝みたいで、フォローしたつもりだろうか。人間と見た目は変わらない異星人クラトゥと、地球の少年との交流は微笑ましかったです。最後は少年出なかったけどね。

■ Comment

「グリーンブック」昨年見ました☆

6/3「グリーンブック」

昨年の私の同1位作品です(シェイプ・オブ・ウオーターと)。

>タイトルは黒人向け旅行ガイドブックのことで、こんなものがないと旅もできない社会を象徴してるのかな。

ズバリ「こういうものがあった」と言いたかったと思います。

>直接的な暴力描写は~今までの重い作品と比べるととても見やすかったです。悲惨な描写がなくても差別の理不尽さは感じられたし、

仰る通りで、見る前は用心して怖かったけど、ホントに良心的な作りでした!

>距離が縮まっていく過程も丁寧で良かったです。
>音楽は易々と壁を飛び越えるんだなぁ。
>彼の家族想いな一面や熱い性格を知って心を開いていく。
>深まっていく友情にほっこりできました。

記事の通りで、全体的に良かったですね、駄作の監督が作ったとは思えないです(笑)。

>夫の成長を優しく見守る奥さんの存在も輝いてました。

出番少ないのにグッときますし、女性としてうんうんって泣けそうなところもありました。
エンドロールでのその後の事実の字幕がホントに爽やかに思えました!


>6/5「地球の静止する日」

>テーマ自体は真面目なはずなんですけど、~滑稽で…(汗)
>そもそも最初は通信で~トラブルが少ないと思う。
>自分たちより圧倒的に進んだ技術を持った星の使者を生死問わず捕えろ、なんて命令は出さないでしょう。

全く仰る通りですね(笑)。 まあ、70年も前の作品なので、私はこの作品の場合は仕方ないと思いました。

>ラストの使者の演説は”世界の警察官アメリカ”の宣伝みたいで、フォローしたつもりだろうか。

ああいう場面があるんですよね、50年代とかは戦争に勝って怖いものなしのアメちゃんですから・・・鼻につきますよね!

>地球の少年との交流は微笑ましかったです。最後は少年出なかったけどね。

こっちをちゃんとしてくれないとダメだと思いました、残念でした・・・。



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2022/06/06 13:03  miri編集

奇妙な果実

 宵乃さん、こんにちは

「グリーンブック」
人種差別をやんわり描いた
〉最近、攻撃的な問題提起こそ正義だ!みたいなのばかりで食傷気味なのか、こういう作品に惹かれる自分が居ます。
映画はエンタティーメントであるべきだ、とまでは思わないけど忘れちゃイカン要素だと思ってます。
あの奥さんの役どころ、イイですね、深刻な問題の清涼剤になってました。
2022/06/06 14:26  寂庭〔編集

>miriさん

「グリーンブック」miriさんの昨年1位でしたか!
本当に見やすくて良い作品で、”グリーンブック”の存在も、この作品を見るまで知りませんでした。
人種差別の歴史を振り返ると悲惨なのはもう十分わかったという層と、これから知っていこうという層にはちょうどいい匙加減だったと思います。

> 駄作の監督が作ったとは思えないです(笑)

確か初めて単独で監督した映画作品とのことだったので、これまでは弟さんの趣味か、二人だと保守的になって新しい作風に挑戦できなかったのでは?

> 出番少ないのにグッときますし、女性としてうんうんって泣けそうなところもありました。
> エンドロールでのその後の事実の字幕がホントに爽やかに思えました!

彼女がいなかったら作品の印象がガラッと変わってしまいそうです。女性鑑賞者は感情移入しちゃいますよね~。エンドロールで思わずにこやかになってしまいます。

> 70年も前の作品なので、私はこの作品の場合は仕方ないと思いました。

見終わって監督がロバート・ワイズだと気付いてちょっとショックでした(汗)

> 50年代とかは戦争に勝って怖いものなしのアメちゃんですから・・・鼻につきますよね!

ノリにノッてたんでしょうね~。まさにおごり高ぶっているようでした。

> こっちをちゃんとしてくれないとダメだと思いました、残念でした・・・。

確かに裏切られたと思って傷ついていそうですもんね。彼は悪い人じゃなかったと直接話して安心して、ママさんと一緒に見送っていれば大団円だったのに…。
2022/06/07 10:29  宵乃〔編集

>寂庭さん

> 〉最近、攻撃的な問題提起こそ正義だ!みたいなのばかりで食傷気味なのか、こういう作品に惹かれる自分が居ます。

私も同じ状態です。あまり重い作品になると早く忘れたくなるし、人種差別の現実自体から目をそむけたくなってしまいますよね…。

> あの奥さんの役どころ、イイですね、深刻な問題の清涼剤になってました。

ホントそう思います。夫の変化を一番喜んでいたのが彼女だし、遠く離れていてもトニーとシャーリーが上手くやってるのに気付いてたところが素敵でした。
2022/06/07 11:01  宵乃〔編集
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