映画「メトロポリス(2001)(めとろぽりす)」
製作:日本’01 107分
監督:りんたろう
原作:手塚治虫
ジャンル:SFファンタジー/アニメーション
【あらすじ】ロボットと人間が共生する巨大都市国家・メトロポリス。一見理想的な社会かに見えるこの国だが、発達したロボットによって大きな恩恵を受けた者がいる一方、そのロボットたちによって働き口を奪われた者、ロボットにも人権をと主張する団体など様々な確執が噴出し始めていた……。
久しぶりに映画を見ました。たぶん地上波初放送の時に一度見てますね。
CMが少なかったのもあって前より大分楽しめました(後半は”ながら見”でしたが)。
何と言ってもロックの養父に対するクソデカ感情ですよ(笑)
ひな鳥が最初に見た者を親と思ってひたすらついてくるのと同じように、最初から最後まで”自分を見出して養子にしてくれたレッド公”のことしか見えてません。たとえ父が冷たい態度を取っても彼の愛は微塵も揺るがず、ただ父が彼よりも関心を向ける相手がいれば容赦なく抹殺するだけ!
どうしてそんなに極端思考なのかといえば、彼の大大大好きな父親もまた視野の狭い極端思考の持ち主だから…。
だって、亡き最愛の娘に似せて作った完璧な人造人間ティマに、いきなり世界を支配する力を与えようとする父親ですからね。
彼自身が世界を手中に収めたいなら、兵器を娘そっくりに作る意味が分かりませんから、愛する娘に世界(娘の死という間違いを犯したものであり、完璧な支配によって正さなければならないもの)を捧げるのが彼の愛情表現ということなのだと思いました。
そして、ロックもまた『あの椅子に座るのはお父さんでなければならない!(”お義父さん”呼びではないはず)』と言っています。つまり父親と同じく、世界(父に救い出されるまで何もしてくれなかったものであり、完璧な支配によって正さなければならないもの)を捧げることが、最大級の愛情表現だったのかなと。
ロックの(何も見えてないが故の)まっすぐな愛情は刺さるものがあったし、終盤の『お父さんはロボットなんかに殺させない!』と自爆スイッチ(なぜレッド公はそんなものを建物につけたのか…)で心中するくだりはウルっときました。独占欲もここまでくれば立派よね…(?)
あとは最下層の清掃ロボ・フィフィが好きです。ちゃんとケンイチやティマのことを覚えていたのは、他のロボットと並列化でもしたんだろうか。それともデータ部分は壊れなかったのかな。フィフィが修復できたならティマも…という暗示なのか、形見を渡すためだけに復活させたのか気になるところです。
ちなみに、手塚治虫さんは1927年の「メトロポリス」自体は見ていなくて、雑誌か何かで女性ロボット誕生シーンの写真を見てインスパイアされたようです。メトロポリスという単語も耳に残ってたんでしょうね~。
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■ Comment
>久しぶりに映画を見ました。
なんか、お帰りなさいって感じです♪
この映画って、2月にオンエアしたBS民放のオンエアですよね?
直後に見ました☆(初見です)
>何と言ってもロックの養父に対するクソデカ感情ですよ(笑)
ロックって誰?とか思うくらい詳細を忘れていたのに
宵乃さんの記事で全部思い出しました、有難う!
なかなかあのロックなる人物は可哀想でした・・・。
可哀想って簡単に使えないけど、それしか思えなくて・・・。
>あとは最下層の清掃ロボ・フィフィが好きです。
このロボットは私も好きです☆
ただ私は宵乃さんのようには細かいことは考えてないのですが(笑)。
>ちなみに、手塚治虫さんは1927年の「メトロポリス」自体は見ていなくて、
あ、そうだったんですか? びっくり!
自分としては手塚先生(この映画の制作には関わっていない事は分かっていますが)ということで期待しすぎた気がします。。。
ところで、私のパソコンは第6世代です。
いろいろと心迷っています。
まだ少し迷う時間ありますよね?
では、また・・・
宵乃さんが映画をご無理なく鑑賞されたら
記事を(イラストも)待っていま~す♪
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ただいまです!
滅多に更新しないのに気付いてくださってありがとうございます。
この映画は家族が録画してたのをたまたま一緒に見ただけで、「土曜アニメ劇場」とかいう枠でやってたみたいです。たぶん最近のオンエアじゃないかな?
miriさんは2月にご覧になってたんですね~。
> ロックって誰?とか思うくらい詳細を忘れていたのに宵乃さんの記事で全部思い出しました、有難う!なかなかあのロックなる人物は可哀想でした・・・。
久しぶりの映画感想で熱が入ってしまいました。お役に立ててうれしいです。
ロックの怖いくらいの一途さに「え?え?そんなに好きなの?あの酷い父親を?」と驚いてしまって、何とか彼を理解しようと妄想をフル回転させました(笑)
> このロボットは私も好きです☆
可愛いですよね~。正直、ティマより”天使”らしかったです。あんな可愛くて健気なロボットを虐げるとかありえない!
> 自分としては手塚先生(この映画の制作には関わっていない事は分かっていますが)ということで期待しすぎた気がします。。。
原作のあらすじを読んでみたところ、かなり改変してあるみたいです。
まずロートン博士はお茶の水博士的な存在だし、レッド公は完全に私利私欲のために兵器を作らせた極悪人。ミッチィ(ティマ)は親の愛情を求めるロックのような存在で、真実を知って闇堕ちします。幼馴染のケンイチの必死の呼びかけにも応えず、レッド公との対決中に寿命を迎えて壊れてしまうようです。で、ラストに「発達した科学の力は、いずれ我々の身をも滅ぼしていくのではないか」というメッセージ…。
映画は現代向けにマイルドにしたのはいいけど、ミッチィをティマとロックに分けたことで焦点がぼやけた感じでしょうか。
> ところで、私のパソコンは第6世代です。
microsoftもまだ方針が定まってない感じですから、考えるのはwindows10がサポート終了する頃でいいと思いますよ。今はテスト版を配信してるようで、第7世代cpuの立候補者たちも参加してテストしてるみたいです。windows10を大量購入した企業の猛反発を受けるのは確実ですから、システム要件の引き下げかwindows10のサポート期間延長はあると予想します。
> 宵乃さんが映画をご無理なく鑑賞されたら記事を(イラストも)待っていま~す♪
ありがとうございます。また機会があったら映画のお話をしましょうね!
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2021/09/29 17:02
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