一言映画感想(10/12~10/21)
10/12「アイガー北壁(あいがーほくへき)」
ナチスの犬みたいな記者だけが悪者みたいに描かれてるけども、登った当人たち以外の周りではしゃいでいた連中全員同類じゃないの?個人的に、こういう命がけのことに魅せられた人々は麻薬中毒みたいなものだと思ってるので、どうしてもそれを他人がチヤホヤするのは受け付けないです。彼らのような人にしかできないことはあると思うし、それが誰かを救うことになることもあるかもしれないから当人たちが挑み続けるのはいいけど、それは自分や大自然との闘いだけであるべきだと思う。そこに承認欲求や功名心を満たしたいという気持ちが加わると、彼らみたいに冷静な判断力を失って命を落とすことになるからね…。なのでこの作品の場合、彼らのことを生贄に差し出したヒロインが諸悪の根源にしか見えなかったです。まあ彼女のエピソードは映画オリジナルだろうけど。
10/16「バニー・レークは行方不明(ばにーれーくはゆくえふめい)」
実在したのか?と疑われ始めた時にジョージ・キューカー監督のある作品が思い浮かんで、後はだいたい予想した通りでした。犯人の狙いに予想がつけば一人しか容疑者いないからね…。原作は1957年刊行だから、きっとそれより前に出た上記作品かヒッチコック監督のある作品にインスピレーションを得たんじゃないかなぁ(調べたら都市伝説?の「パリ万博事件」が着想だそうです)。いちおう少女が一度も登場しないので裏をかいて本当にいないのかもと思わせないこともないし、役者の演技は全体的に良かったです。でも犯人が急に幼児退行というか異常さをわかりやすく見せるのは時代を感じました。ヒロインがそれへの対応を心得ているように見えるのも違和感。とりあえず動機が予想通りでホッとしました。もし金目的だったらもっと後味悪かったと思う。冷静な警部さんが良かったです。
10/21「スイス・アーミー・マン(すいすあーみーまん)」
かなり謎な自分探しサバイバルブラックコメディ?ダニエル・ラドクリフ演じる死体が、万能ナイフのごとくサバイバルを助けてくれます。前半は結構普通に楽しめるんですけど、空想だと思っても衛生面的に不愉快な点は多いかもしれない。まず、どんどん腐っていくはずの死体と一緒に行動してる時点でアレなので、考えるな感じろ!ということでしょう。終盤になると空想が妄想で「何なの!?」となること受けあい。中盤で、死体に映画を見せようと影絵で有名作品を表現するところはとても良かったです。ラドクリフの怪演も好感。でもCMでハリポタ挟みまくるのはやめたげて!